進学、就職、転職、結婚、出産など、人生の岐路で大きな決断を迫られたとき、人は合理的に選択することができるのでしょうか。そのとき私たちは、何かを選ぶことで自分が今とはまったく違う存在に変わってしまう可能性があるにもかかわらず、何らかの選択をしなくてはいけないという状況に直面します。
こうした「変容の経験」に関わる実存的な問いを哲学的に分析した『今夜ヴァンパイアになる前に——分析的実存哲学入門』(L.A.ポール著/奥田太郎・薄井尚樹訳)。訳者である奥田太郎先生、薄井尚樹先生をゲストにむかえ、三浦隆宏先生進行のもと、本書での議論を手がかりに、人生を変容させる経験との向き合い方について考えます。