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岩波映画の1億フレーム

記録映画アーカイブ
岩波映画の1億フレーム

A5判 360ページ
価格:8,140円 (消費税:740円)
ISBN978-4-13-003250-6 C3000
奥付の初版発行年月:2012年06月

内容紹介

戦後日本を写し続けた記録映画とは何かを明らかにする新シリーズ.第1巻では,「岩波映画」を題材に,産業映画・科学映画・社会教育映画を取り上げ,制作者のインタビューや最新の研究成果も交え,付属のDVD映像とともにその実像を読み解く.


目次

序 章 映像で見る戦後日本の科学技術・社会・文化(丹羽美之)
第1部 岩波映画という映像遺産
第1章 僕と岩波映画(羽仁進)
第2章 暁にあうまで(中村秀之)
第3章 ヌーヴェル・ヴァーグとしての岩波映画(筒井武文)
第2部 イメージとしての開発
第4章 『佐久間ダム』と私(小村静夫)
第5章 「ダムをつくる」のか「ダムができる」のか(藤井仁子)
第6章 「開発」を描かない開発映画(町村敬志)
第7章 ダム開発と記録映画(鳥羽耕史)
第3部 岩波映画の理科教室
第8章 岩波の科学教育映画(牧衷)
第9章 現代に生きる岩波科学映画(長谷川智子・櫻井順子)
第10章 映画史の中の岩波科学映画(岡田秀則)
第11章 科学と映像(佐倉統・鈴木香織)
第4部 おかあさんの民主主義
第12章 『村の婦人学級』ができるまで(羽田澄子)
第13章 初めての監督作品『町の政治』(時枝俊江)
第14章 劇映画に見る母のイメージ(斉藤綾子)
第15章 べんきょうするお母さんと占領する他者(吉見俊哉)
座談会 記録映画の保存と活用にむけて(とちぎあきら・藤幡正樹・村山英世・吉見俊哉・丹羽美之)


【本書DVD収録作品】
『絵を描く子どもたち』(1956年、39分)監督:羽仁進、撮影:小村静夫
小学校1年生の教室にカメラを持ち込み、児童画を通して見えてくる子供たちの繊細な心の動きを生き生きと記録する。1956年教育映画祭最高賞。

『佐久間ダム 総集編』(1958年、96分)監督:高村武次、撮影:小村静夫
戦後日本を代表する巨大開発プロジェクトとして1956年に完成した佐久間ダムの建設記録映画。ダム建設を壮大なスペクタクルとして描き出す。

『凸レンズ』(1950年、17分)監督:中谷宇吉郎、撮影:吉野馨治
凸レンズの性能やメカニズムを、実験物理学の手法を使って紹介する教材向けの科学映画。岩波映画製作所の記念すべき第1回作品。

『たのしい科学 冷蔵庫の話』(1962年、14分)監督:富沢昌一、撮影:中山正治
身近な暮らしのなかにある冷蔵庫の話から、気化熱の働きについて考える。テレビにおける科学番組の草分け『たのしい科学』シリーズのなかの1本。

『ものの燃える速さ』(1967年、14分)監督:榛葉豊明、撮影:関晴夫
分子の衝突によって化学変化が起こる様子を、モデル実験によって視覚的に明らかにする。『科学教育映画体系』シリーズのなかの1本。1967年教育映画祭最高賞。

『力のおよぼしあい』(1966年、14分)監督:榛葉豊明、撮影:今野敬一
作用・反作用の法則を、仮説実験授業の方法に基づいてわかりやすく解き明かす。『科学教育映画体系』シリーズのなかの1本。1966年教育映画祭最高賞。

『村の婦人学級』(1957年、26分)監督:羽田澄子、撮影:小村静夫
滋賀県の農村ではじまった婦人学級の活動を通して、母親たちが民主化の波に目覚め、農村の古い生活や意識を変えていく姿を描く。

『町の政治』(1957年、31分)監督:時枝俊江、撮影:藤瀬季彦
東京郊外にある国立町を舞台に、母親たちが公民館での勉強会を通して町の政治を変えていく様子を描く。1957年教育映画祭特別賞。


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