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監視・シティズンシップ・国家パスポートの発明

サピエンティア4
パスポートの発明 監視・シティズンシップ・国家

四六判 324ページ 上製
価格:3,520円 (消費税:320円)
ISBN978-4-588-60304-4 C3330
奥付の初版発行年月:2008年12月 / 発売日:2008年12月上旬

内容紹介

フランス革命以後、国家が国民の移動手段を合法的かつ独占的に掌握するのに決定的な役割を果たしたのがパスポートであった。本書は、近代以降のヨーロッパ各国およびアメリカの事例を具体的にあげながら、地方自治体や封建領主等から国家へと、合法的な移動手段が奪い取られていくプロセスを描き出し、パスポート制度という国際的なシステムの確立とその現代的な意味を問う。

著者プロフィール

ジョン・トーピー(トーピー ジョン)

ジョン・トーピー(John C. Torpey)
1959年生まれ。カリフォルニア大学アーヴァイン校の社会学助教授、ブリテシュコロンビア大学の人類学・社会学・ヨーロッパ研究学科の准教授を歴任。現在、ニューヨーク市立大学大学院の社会学教授。カリフォルニア大学バークリー校から、社会学の博士号を取得。主な著書に、Intellectuals, Socialism, and Dissent: The East German Opposition and its Legacy (Minneapolis, Minn: University of Minnesota Press, 1995), Making Whole What Has Been Smashed: On Reparations Politics (Cambridge, Mass: Harvard University Press, 2006), John Torpey and Jane Caplan (eds.), Documenting Individual Identity: The Development of State Practices in the Modern World (Princeton, NJ: Princeton University Press, 2001) などがある。

藤川 隆男(フジカワ タカオ)

藤川 隆男(フジカワ タカオ)[監訳および序論・第1章]
1959年生まれ。現在、大阪大学大学院文学研究科教授。オーストラリア史やホワイトネス・スタディーズの研究などをおこなう。著書に、『オーストラリア歴史の旅』(朝日新聞社、1990年)、『猫に紅茶を──生活に刻まれたオーストラリアの歴史』(大阪大学出版会、2007年)、『人種差別の世界史』(刀水書房、2011年)、編共著に、『白人とは何か?──ホワイトネス・スタディーズ入門』(刀水書房、2005年)、『アニメで読む世界史』(山川出版社、2011年)、共訳書に、ジョン・トーピー著『歴史的賠償と「記憶」の解剖──ホロコースト・日系人強制収容・奴隷制・アパルトヘイト』(法政大学出版局、2013年)、など。

上記内容は本書刊行時のものです。

■訳者紹介

上中 繭香(ウエナカ マユカ)[第2章]
大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了。

森本 慶太(モリモト ケイタ)[第3章]
大阪大学大学院文学研究科特任研究員、京都橘大学非常勤講師(2019年4月より関西大学文学部准教授)。

安井 倫子(ヤスイ ミチコ)[第4章]
大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。

米田 誠(ヨネダ マコト)[第4章]
学校法人清風学園清風中学校常勤講師。

北村 恵美(キタムラ エミ)[第4章]
大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了。

津田 博司(ツダ ヒロシ)[第5章]
筑波大学人文社会系助教。

戸渡 文子(トワタリ アヤコ)[結論]
ブリティッシュ・カウンシルプロジェクトマネジャー。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

日本語版によせて
謝辞
序論

第1章 往来──国家による合法的な「移動手段」の独占化について
 合法的な移動手段の独占化
 近代国家──「浸透」それとも「掌握」
 把握する──国民国家の制度化
 絶対主義ヨーロッパにおけるパスポートによる管理の拡大

第2章 祖国の見張り番──フランス革命におけるパスポート問題
 アンシャン・レジーム末期のパスポート問題
 国王の逃亡と革命家によるパスポートによる管理の復活
 一七九一年憲法とパスポートによる管理の廃止
 一七九二年初めのパスポートによる管理をめぐる議論
 新しいパスポート法のさらに詳細な検討
 国民公会のもとでのパスポートと移動の自由
 総裁政府のパスポートに対する関心

第3章 アウゲイアースの家畜小屋の大掃除──移動の自由へ向かう一九世紀の傾向
 農民解放からナポレオン時代の終わりへ
 プロイセンの後進性?──イギリスの状況との比較
 一九世紀初期ドイツにおける移動の自由と市民権
 ドイツにおけるパスポートによる管理の緩和
 北ドイツ連邦における旅行の解禁
 一八六七年法のより大きな意義

第4章 「甲殻類型国家」に向かって──一九世紀末から第一次世界大戦にかけての身分証明書の増加
 アメリカ合衆国におけるパスポートによる管理と国家の発展
 文書の壁──パスポートと中国人排斥
 アメリカ合衆国における移民規制の「国家化」 
 主権と従属──一九○一年のイタリア・パスポート法
 フランスにおける外国人に対する身分証明書の普及
 一九世紀末のドイツにおけるパスポートによる管理の復活
 第一次世界大戦とパスポートによる管理の「一時的な」再導入
「一時的な」パスポートによる管理の恒久化
合衆国と移民におけるレッセ・フェールの時代の終焉

第5章 国民国家からポスト国民国家へ?──大戦間期から戦後におけるパスポートと移動に対する制限
 大戦間期初期における国際的難民保護体制の出現
 パスポート、身分証明書、ナチスによるユダヤ人迫害
 規制の緩和──戦後ヨーロッパにおけるパスポートによる管理と地域統合

結論 「書類」のタイポロジー
 国際パスポート
 国内パスポート
 身分証明証

監訳者あとがき
文献一覧
註記
索引


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