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中近世の日本とヨーロッパキリスト教と寛容

キリスト教と寛容 中近世の日本とヨーロッパ

A5判 288ページ 上製
価格:3,850円 (消費税:350円)
ISBN978-4-7664-2587-1 C3016
奥付の初版発行年月:2019年02月 / 発売日:2019年02月下旬

内容紹介

▼宗教改革時代、日本とヨーロッパでキリスト教が異端・異教徒・宗教的マイノリティとどのように共存/排斥したか、歴史的に考察。

宗教改革の時代、キリスト教がいかに他宗教や異文化を認識し、ときに宗教的マイノリティを排斥しつつも、融和を図っていったのかを考察する。第一部は「日本における寛容」、第二部は「ヨーロッパにおける寛容」。

著者プロフィール

浅見 雅一(アサミ マサカズ)

慶應義塾大学文学部教授。1962年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。東京大学史料編纂所助手、同助教授などを経て現職。専門はキリシタン史。著書『キリシタン時代の偶像崇拝』(東京大学出版会、2009年)、『フランシスコ=ザビエル――東方布教に身をささげた宣教師』(山川出版社、2011年)、『概説キリシタン史』(慶應義塾大学出版会、2016年)、共著『韓国とキリスト教――いかにして“国家的宗教”になりえたか』(中公新書、2012年)など。

野々瀬 浩司(ノノセ コウジ)

慶應義塾大学文学部教授。1964年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(史学)。専門はスイス宗教改革史。著書『ドイツ農民戦争と宗教改革――近世スイス史の一断面』(慶應義塾大学出版会、2000年)、『宗教改革と農奴制――スイスと西南ドイツの人格的支配』(慶應義塾大学出版会、2013年)、論文「宗教改革と都市共同体――ベルント・メラー説をめぐって」(『思想』第1122号、2017年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章 キリスト教における「寛容」とは  浅見 雅一

 第Ⅰ部 日本における寛容
第一章 元和の大殉教と宣教師の寛容  山本 博文
第二章 島原の乱と「立ち帰り」――― 一揆とキリシタン信仰  神田 千里
第三章 「寛容」をめぐる政権と仏教勢力  上野 大輔
第四章 ルイス・フロイスの見た一六世紀の京都  杉森 哲也
第五章 戦国大名大友宗麟の「寛容」  川村 信三
第六章 カトリックにおける婚姻問題と寛容  安 廷苑
第七章 オランダ共和国における宗教的寛容と日本  松方 冬子

 第Ⅱ部 ヨーロッパにおける寛容
第一章 レッシング『賢者ナータン』のアクチュアリティ  渡邉 直樹
第二章 モンテーニュと文化的寛容  久保田 剛史
第三章 一六―一七世紀前半のイングランドにおける宗教改革と反カトリック  山本 信太郎
第四章 近世ヨーロッパを生き抜く宗教的マイノリティ再洗礼派――多宗派併存都市ノイヴィートのメノー派を中心に  永本 哲也
第五章 中近世スペインにおける宗教的マイノリティ  関 哲行 
第六章 偏見と寛容――クリュニー修道院長ペトルス・ヴェネラビリスとイスラーム  神崎 忠昭
第七章 イスラームにおけるイエス・キリスト――クルアーンから、そして後代の二つの視点から  野元 晋

終 章 全体の総括と寛容の問題を理解するための視角  野々瀬 浩司

 あとがき


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