内容紹介
天皇・朝廷に財政基盤の保証や支援をしつづけていた江戸幕府.限られた朝廷財政関係の史料を駆使して実態を解明する.幕府の財政状況にも影響されつつも一定水準の支援によって築かれていた朝幕関係を明らかにするとともに,支援が増大し激動の幕末へと向かう時代の画期を描く.
目次
序章 近世天皇・朝廷研究と朝廷財政研究の課題
第I部 近世中期の朝廷財政と朝幕関係
第一章 「御取替金」と京都所司代
第二章 享保—寛政期の朝廷財政と朝幕関係
第三章 口向役人不正事件と勘定所
第四章 女院御所の財政運営——天明六年「御賄所日記」を素材として
第II部 朝廷財政と在京幕府役人
第一章 近世後期の京都代官と朝廷財政
第二章 実務役人の職務と権限——寛政年間以降を中心に
第III部 近世後期の朝廷財政と朝幕関係
第一章 寛政−文化期の朝廷財政と光格天皇
第二章 文政−天保期の朝廷財政と江戸幕府
第三章 近世後期・幕末の朝廷財政の動向と特色
第四章 三条実万と幕末の朝廷財政
第五章 幕末の朝廷財政と朝幕関係
終 章 財政面から見た近世中期−後期の朝幕関係と幕末への展望
初出一覧
あとがき
索引