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電力会社における利害調整メカニズムの歴史的展開企業統治と会計行動

企業統治と会計行動 電力会社における利害調整メカニズムの歴史的展開

A5判 382ページ
価格:8,580円 (消費税:780円)
ISBN978-4-13-046112-2 C3033
奥付の初版発行年月:2014年04月

内容紹介

戦前・戦時・戦後復興期の電力会社の会計行動から,誰がどのように株式会社を運営するのかという企業統治の問題に迫る.日本の企業統治において会計行動が果たした役割を歴史的な観点から明らかにする.


目次

序 章 企業統治と会計行動の関係性
1.企業統治と会計行動に対する理論的検討
2.歴史研究の利点
3.分析対象の限定
4.先行研究の検討
5.本書の構成及び主眼

第1部 大株主経営者による会計行動:高配当性向政策を可能とした会計行動(1872年〜1924年)
第1章 株主有限責任制度の誕生——高配当性向政策の前提
1.はじめに
2.1872年〜1886年における株主と債権者の関係
3.1887年〜1892年の会社規制
4.地方官庁による規制の効果
5.小括

第2章 東京電灯の高配当性向政策と利益感応型減価償却行動
1.はじめに
2.当該期の株式会社に関する法制度
3.経営状況および資金調達
4.東京電灯の減価償却
5.小括

第3章 電力大手5社の高配当性向政策に対応した会計行動
1.はじめに
2.経営状況および資金調達
3.減価償却における税制の影響
4.電力大手5社の会計行動
5.小括

第2部 「債務契約」:規則的な減価償却行動と会計プロフェッション監査(1925年〜1938年)
第4章 電力外債における会計契約と規則的な減価償却行動
1.はじめに
2.経営状況および資金調達
3.電力外債における社債引受会社・担保受託会社と減価償却会計条項
4.外債発行電力会社の減価償却行動における減価償却会計条項の影響
5.会計プロフェッションによる情報提供
6.小括

第5章 国内金融機関による経営介入と減価償却費増額及び減配政策
1.はじめに
2.経営状況および資金調達
3.1930年以降における国内金融機関の協調体制
4.会計処理及び配当政策に関する経営介入
5.国内金融機関の役員派遣によるモニタリング
6.総括原価方式の採用と電力会社の減価償却行動
7.小括

第6章 モニターとしての会計プロフェッション監査
1.はじめに
2.戦前期の会計プロフェッションに関する法制度
3.東京海上火災保険株式会社による会計プロフェッションの利用
4.1930年以降の会計プロフェッション監査
5.小括

第3部 「政府契約」:総括原価方式(1939年〜1954年)
第7章 日発時代の低料金と不十分な減価償却
1.はじめに
2.経営状況及び資金調達
3.戦時期における電気料金と日発の会計行動
4.1945年以降の電気料金と日発の会計行動
5.小括

第8章 9電力における総括原価方式の形成
1.はじめに
2.1951年8月の料金改訂
3.1952年5月の電気料金改訂
4.1954年10月の電気料金改訂
5.総括原価方式の前提となる会計規則及び監査
6.小括

終 章 企業統治に果たす会計行動の役割
1.本書の総括
2.1955年〜2011年における総括原価方式
3.東日本大震災以降の総括原価方式
4.今後の課題

参考文献/あとがき/事項索引/人名索引


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