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ソヴィエト・ロシア篇汎計画学

汎計画学 ソヴィエト・ロシア篇

菊判 696ページ
価格:9,900円 (消費税:900円)
ISBN978-4-13-061141-1 C3052
奥付の初版発行年月:2023年03月 / 発売日:2023年03月中旬

内容紹介

計画に基づき配置された人々、インフラ、それを可能にするテクノロジー。ソヴィエト・ロシアの「五カ年計画」は資本主義諸国をも魅了した。20世紀の夢が実現したように見えた時、政治・文化の諸局面におけるどのような内的力学があったのか。イデオロギー闘争から建築現場まで、ロシアにおける計画の世紀を精緻にスケール大きく描く。

著者プロフィール

八束 はじめ(ヤツカ ハジメ)

建築家、建築評論家、芝浦工業大学名誉教授。
1948年生まれ。東京大学工学部都市工学科卒業、同大学大学院工学系研究科博士課程中退。磯崎新アトリエ勤務後、1985年UPM (Urban Project Machine)設立。2003年芝浦工業大学教授。著書に『逃走するバベル』(1982年、朝日出版社)、『ル・コルビュジエ』(1983年、岩波書店、2022年講談社学術文庫)、『希望の空間』(1988年、住まいの図書館出版局)、『ロシア・アヴァンギャルド建築』(1993年、INAX出版、2015年増訂版[LIXIL出版])、『思想としての日本近代建築』(2005年、岩波書店)、『メタボリズム・ネクサス』(2011年、オーム社)、『建築的思想の遍歴 八束はじめインタビュー』(2021年、鹿島出版会)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

0.「汎計画学」への序

I 前衛の立ち位置
「包囲された砦」
規律とガヴァナンス:軍事というメタファー

II 革命の生政治
科学と技術の「前線」
interlude: 唯物論と普遍主義
「プロレタリア文化」の所在
労働の機械化と身体の管理(ビオメハニカ)の諸問題

III インフラ・カルト
計画家トロツキー
線=Goelroから面=Gosplanへ
「経済学の消滅」?
均衡のユートピア

IV 芸術からのエクソダス
アヴァンギャルドの諸水系(リゾーム)
境界線上のウスタノフカ
生産主義の臨界

V 生産と消費:反弁証法的展開
NEP期の諸風景(カレイドスコープ)――計画論の余白に
ブイト
「社会のコンデンサー」

VI 計画の王国の逆説
前夜
「計画の王国」?
「空間へ」
アヴァンギャルドの(反?)アーバニズム

VII 失墜の諸相
聖「受難劇(パッション)」
「全線」の中でのロシアン・ルーレット
解体から回帰へ
白い「ファクト」と黒い「ファクト」

エピローグ:「社会主義リアリズム」の方へ

あとがき
索引


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