大学出版部協会

 

第2版 無線工学A

第2版 1・2陸技受験教室(2)
無線工学A

A5判 292ページ 並製
価格:3,190円 (消費税:290円)
ISBN978-4-501-32590-9 C3055
奥付の初版発行年月:2007年10月 / 発売日:2007年10月上旬

内容紹介

最新の出題傾向に沿って内容を充実させた

前書きなど

 「無線工学A」で学習すべき内容は,通信機器を構成する回路理論からはじまり,送信機,受信機,変復調理論,測定機器,測定方法,各種通信システムまで実に広範囲に及んでいる.そのため,初めて無線技術士の国家試験を受験しようと考えている人にとっては,さてどこから勉強を始めれば良いのか,なかなか手がかりがつかめないというのが実状ではないだろうか.
 「無線工学A」の出題範囲を考えるならば,すべてを1冊にまとめるには,知識の羅列に止めるか,または内容を大幅に絞り込むかのいずれかの方法しかない.本書においては後者の方法をとっており,はじめからすべての内容を網羅することは考えていない.その代わり,基礎理論と試験において重要度の高いものについて解説することを試みた.したがって,他の受験用参考書にはあっても本書に載っていない内容も多々あり,また,紙数の制約から後に削除した項目もあることをご理解いただきたい.しかし「無線工学A」の全体の流れは押さえることができたと考えている.
 ここ数年,通信・放送分野におけるデジタル化の波は激しく,旧来のアナログ技術と新たなデジタル技術が混在する状況が続いている.デジタル技術に関する出題が年々増えていることと,受験者にとっての学習の便宜を図る意味で,アナログ技術とデジタル技術の解説はできるだけ分けるように努めた.「デジタル伝送・デジタル変復調」という一章を設けたのは,そのためである.
 本書の執筆にあたっては,第1〜7章までは横山が担当し,第8・9章については吉川が担当したものである.
 将来の無線従事者を目指す読者諸兄に,本書がそのための一助となれば幸いである.
2001年4月
著者しるす

第2版にあたって
 初版発行から6年が経過し,その間に通信・放送分野にも大きな変化の波が到来した.テレビジョン放送においては,地上デジタル放送が始まり,従来のアナログ方式標準放送は2011年7月をもって廃止となる.また,通信分野においては第3世代携帯電話(CDMA方式)が登場し,急速にその主役となりつつある.いずれもデジタル化,高機能化の流れに沿う変革であり,それぞれのシステムには高度かつ複雑な技術が採用されている.
 一方,無線従事者試験の出題内容を見てみると,新しいシステムや技術に関する問題もその都度出題されてはいるが,大部分は基本的な知識を問う内容である.最新技術に関する出題も,基本的な原理・本質を理解できているかどうかを問うものであり,最新技術の細部にこだわるものではない.
 第2版ではこれらを踏まえて,新しい技術内容を盛り込みながら,一部内容の改訂を行った.最新の出題傾向に合わせて,基本問題練習を見直すとともに,全体的に図版の縮小を行い,解説内容の充実に努めている.
 第2版の主な削除項目および追加項目は次の通りである.
 ■削除 ・マルチバイブレーター
     ・文字多重放送
 ■追加 ・C級増幅回路
     ・CRC方式による誤り検出
     ・地上デジタル放送伝送方式(OFDM)
     ・衛星通信 G/T
     ・ネットワークアナライザ 等
 初版同様,気楽に本書を通読できるよう,数式の展開についてはできるだけ途中の式を省略することなく,また,内容もできるだけ易しい表現になるよう努めたつもりである.
 無線従事者を目指す方々の参考書籍の一冊として,役立つことを願うものである.
2007年9月
著者


目次

本書の使い方
第1章 増幅・発振
1.1 増幅回路
 1.2 発振回路
 基本問題練習
第2章 変調・復調
2.1 変調回路
 2.2 復調回路1(AM)
 2.3 復調回路2(FM)
 基本問題練習
第3章 デジタル伝送・デジタル変復調
3.1 PCM通信方式
 3.2 デジタル変調
 3.3 デジタル復調
 3.4 伝送品質と評価
 3.5 符号の誤り検出と誤り訂正
 3.6 ビット誤り率の測定
 基本問題練習
第4章 送信機
4.1 AM送信機
 4.2 FM送信機
 4.3 PM送信機(通話用FM送信機)
 4.4 PDM方式中波AM送信機
 4.5 送信機に関する測定
 基本問題練習
第5章 受信機
5.1 AM受信機
 5.2 FM受信機
 5.3 受信機に関する測定
 基本問題練習
第6章 システム・通信方法
6.1 レーダ
 6.2 速度測定用レーダ(ドップラレーダ)
 6.3 電波航法
 6.4 スペクトル拡散通信
 6.5 FMステレオ放送
 6.6 中波ステレオ放送
 6.7 デジタル移動通信(自動車・携帯電話システム)
 6.8 衛星通信システム
 基本問題練習
第7章 テレビジョン
7.1 テレビジョンの基礎
 7.2 地上デジタル放送伝送方式
 基本問題練習
第8章 電源・雑音
<電 源>
 8.1 電池
 8.2 整流電源
 8.3 安定化電源回路
 8.4 電源装置
 <雑 音>
 8.5 雑音の分類
 8.6 雑音の発生源
 8.7 雑音指数 
 基本問題練習
第9章 無線設備に関する測定
<高周波測定>
 9.1 高周波測定用機器
 9.2 パルス波形の測定
 <送受信機の測定用機器>
 9.3 送受信機の測定用機器
 9.4 マイクロ波帯の測定用機器
 基本問題練習
国家試験受験ガイド
索 引

関連リンク

正誤表


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