大学出版部協会

 

学生のためのC&C++

学生のためのC&C++

B5判 216ページ 並製
価格:2,530円 (消費税:230円)
ISBN978-4-501-53040-2(4-501-53040-5) C3055
奥付の初版発行年月:1999年07月 / 発売日:1999年07月上旬

内容紹介

 C言語とC 言語(C言語を拡張し,オブジェクト指向プログラミングをサポート)を取り上げ解説。C言語はC 言語に包含されることから,CとC を特定せず,解説にはC を使用。C学習者を配慮して,printfやscanfといった関数と入出力ストリームを併記した。

前書きなど

 プログラミングとは言うまでもなくプログラム言語そのものを学ぶのが目的ではなく,プログラム言語を駆使して,アプリケーションソフトウェアを開発することです.そのためには,プログラミングの基礎を習得する必要があります.本書はプログラミングの基礎を理解できるように配慮しました.言語の機能をあれもこれもと解説するのでなく,【例題】に対して,プログラムのサンプルを例示して,そのプログラムについて解説することにしました.言語としてはC 言語を用いています.
 C言語は,UNIXというオペレーティング・システム(コンピュータの基本ソフトウェア)を記述するために,アメリカのAT&Tベル研究所の dennis M. Ritchie博士によって1970年代始めに開発された言語です.また,C 言語はAT&Tベル研究所のBjarne Stroustrup博士によって,1982年に開発されたC言語の拡張版です.この言語はオブジェクト指向プログラミング(Object Oriented Programming)をサポートしている点が特徴です.
 プログラミングのテクニックは,構造化プログラミングからオブジェクト指向プログラミングへと進化してきました.構造化プログラミングは一言でいえば,goto文を使わないプログラムと言うことができます.以前はgoto文を多用し,スパゲッティプログラムなどと言われたものです.オブジェクト指向プログラミングを一言で言えば,クラスを使ったプログラムと言うことができます.クラスを理解することがオブジェクト指向プログラミングの第一歩となります.
 本書はC言語とC 言語を特定して説明することはしていません. C言語はC 言語に包含されるからです.C言語を学習した読者はprintf関数やscanf関数に馴れていると思いますので,これらの関数と入出力ストリームを併記するようにし,次第に馴れてきたところで入出力ストリームを使うようにしています.
 本書でオブジェクト指向プログラミングの基礎が理解できましたら,より実務的なシステムの開発に挑戦していただきたいと思います.そして,新たに必要となる機能等は言語処理系のマニュアル等を参照しながら自己研鑚に励まれるよう希望いたします.

① プログラミングの学習は習うより慣れろといわれます.まず【例題】を提示して,必要に応じて【考え方】を示してから,【プログラム】と【実行結果】を載せ,必要かつ基本的な事項について【解説】を加えるというスタイルにしています.例題についてさらに理解を深めるために【問】を設けています.章末に【練習問題】を載せてありますので,パソコン上のC 言語処理系を使って,自分でプログラムを入力し,コンパイル,リンク,実行してプログラミングの基礎力を養って下さい.
② 特に基本を重視していますので,授業における教科書・演習書としても使えるようにしました.
③ プログラムの題材はできるだけ身近なものを選び,学習が楽しく興味を持てるように配慮しています.また,2色刷にして見やすいレイアウトにしました.
1999年2月

中村隆一


目次

第1章 プログラミングの基礎
 1.1 データの出力
   1 文字データの出力
   2 数値データの出力
 1.2 式の計算
   1 整数の計算
   2 実数の計算
 第1章 練習問題
第2章 選択処理
 2.1 if文
 2.2 if〜else文(その1)
 2.3 if〜else文(その2)
 2.4 if〜else文(その3)
 2.5 switch文
 第2章 練習問題
第3章 反復処理
 3.1 for文
 3.2 while文
 3.3 do〜while文
 3.4 無限ループ
 第3章 練習問題
第4章 配列
 4.1
   1次元配列
   1 配列の宣言
   2 配列にデータを納める
   3 配列の初期化
   4 整列
 4.2 2次元配列
 4.3 文字列の処理
   1 文字型変数
   2 1次元文字型配列
   3 2次元文字型配列
 第4章 練習問題
第5章 構造体
 5.1 構造体の定義
 5.2 構造体変数の宣言,代入,参照
 5.3 構造体の配列
 5.4 構造体に関数を含める
 5.5 スコープアクセス演算子
 第5章 練習問題
第6章 関数
 6.1 簡単な関数
 6.2 引数をもつ関数
   1 関数に数値データを渡す
   2 関数に文字データを渡す
   3 関数に配列を渡す
 6.3 戻り値をもつ関数
   1 数値データを返す関数
   2 文字型データを返す関数
 6.4 引数にデフォルト値を与える
 6.5 関数の多重定義
 第6章 練習問題
第7章 クラス
 7.1 構造体の復習
 7.2 クラス
 7.3 メンバ関数をクラスの外に置く
 7.4 コンストラクタ
 7.5 デストラクタ
 第7章 練習問題
第8章 ポインタ
 8.1 ポインタとは
 8.2 ポインタと配列
 8.3 ポインタと文字列
 第8章 練習問題
第9章 継承
 9.1 基本クラスと派生クラス
   1 基本クラス
   2 派生クラス
   3 コンストラクタ
 第9章 練習問題
第10章 ファイル処理
 10.1 ファイル処理の基本
   1 ファイルとは
   2 ファイル処理の手順
   3 使用するストリームクラス
 10.2 ファイルの書き込み
 10.3 ファイルの読み込み
 10.4 繰り返しによるファイルの書き込み
 10.5 繰り返しによるファイルの読み込み
 10.6 ファイルの追加
 10章 練習問題
 
 索引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。