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ウィトゲンシュタイン、ハイデガー、レヴィナスと言語の限界自己を超えて

叢書・ウニベルシタス972
自己を超えて ウィトゲンシュタイン、ハイデガー、レヴィナスと言語の限界

四六判 652ページ 上製
価格:8,580円 (消費税:780円)
ISBN978-4-588-00972-3 C1310
奥付の初版発行年月:2012年03月 / 発売日:2012年03月上旬

内容紹介

「自己を超えて」他者への受容性と慎み深さの生の地平を切り開く本書は、ウィトゲンシュタインとハイデガーとの接点たる「言語の限界」の思想から、レヴィナスの他者の思想へ、そしてカベル、エマソンのアメリカ哲学における自己超越の思想へと哲学的対話を展開する。これによって著者は、リベラリズムにおける「自律」や「主体」の意味を再考し、英米分析哲学とヨーロッパ大陸哲学を架橋すべく、もう一つの教育哲学の系譜を提示する。いかにして哲学を日常性に連れ戻し、日常性に哲学的思考を蘇らせることができるかを問いかける本書は、閉ざされたエコノミーから開かれたエコノミーへと思考と実践の転換を促し、「他者を志向する/別の仕方での教育」の可能性を拓く実践哲学の著である。

★英国ウィトゲンシュタイン協会・会長
ダニエル・モイヤル=シャロック氏推薦!
この優れた書物の中で、ポール・スタンディッシュは、分析哲学と大陸哲学の間の創造的な緊張関係に独創的な視点を投じる。

著者プロフィール

ポール・スタンディッシュ(スタンディッシュ,P.)

バーミンガム大学で博士号取得(教育哲学).現在,ロンドン大学教育研究所,教授(教育哲学部門長).2001年から2011年まで,イギリス教育哲学会の学術誌Journal of Philosophy of Education 編集長.専門は,ウィトゲンシュタインとハイデガーの哲学,エマソン,ソロー,カベルのアメリカ哲学および,ポスト構造主義の哲学で,分析哲学と大陸哲学の間の創造的な緊張関係を追究している.近年の主要著作に,The Therapy of Education: Philosophy, Happiness and Personal Growth, Palgrave Macmillan, 2006(共著),The Philosophy of Nurse Education, Palgrave Macmillan, 2007(共編著),Stanley Cavell and the Education of Grownups, Fordham University Press, 2012; Education and the Kyoto School of Philosophy, Springer, 2012(以上,齋藤直子との共編著)などがある

齋藤 直子(サイトウ ナオコ)

コロンビア大学で博士号取得(教育哲学).現在,京都大学大学院教育学研究科,准教授.専門はプラグマティズム,アメリカ超越主義,カベルのアメリカ哲学.主要著作に,The Gleam of Light: Moral Perfectionism and Education in Dewey and Emerson, Fordham University Press, 2005,『〈内なる光〉と教育──プラグマティズムの再構築』,法政大学出版局,2009年,Stanley Cavell and the Education of Grownups, Fordham University Press, 2012; Education and the Kyoto School of Philosophy, Springer, 2012(以上,ポール・スタンディッシュとの共編著),訳書に,スタンリー・カベル『センス・オブ・ウォールデン』(法政大学出版局,2005年)などがある.

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第 I 部
  日本語版への序文
  序文
  第一章 序 論

第 II 部
  第二章 言語のザラザラした大地
  第三章 意味と神話
  第四章 自己を超えて
  第五章 自律性を超えて
  第六章 受容性と言語の限界

第 III 部
  第七章 ハイデガーにとって本質的なものとは:
      語られていないものの詩学
  第八章 平等に先立つ倫理:
      レヴィナスに続く道徳教育
  第九章 より高等な教育のエコノミーに向けて

訳者あとがき
文献一覧
事項索引
人名索引

関連書

S. カベル著/齋藤直子訳『センス・オブ・ウォールデン』(小局刊)。


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