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〈境界〉を生きる思想家たち

国際社会人叢書2
〈境界〉を生きる思想家たち

四六判 234ページ 並製
価格:2,090円 (消費税:190円)
ISBN978-4-588-05312-2 C1323
奥付の初版発行年月:2016年03月 / 発売日:2016年03月中旬

内容紹介

アジアで初めてノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・セン、「ユダヤ人」としてナチス・ドイツを経験したハンナ・アーレント、そして東京から遠く離れた土地で生まれ育ち、学問形成に苦労しつつアカデミズムの枠を縦横無尽に越えた山口昌男……。本書で取り上げられるのは、好むと好まざるとにかかわらず〈境界〉を生きることで思考を研ぎ澄ませた思想家たちである。9人の軌跡が織りなす「人文学」の入門書!

著者プロフィール

栩木 玲子(トチギ レイコ)

教授。1960年生。アメリカ文学・文化。ジョイス・キャロル・オーツ『邪眼』(河出書房新社)、ジョナサン・コット『忘れがたき日々 ジョン・レノン、オノ・ヨーコと過ごして』(岩波書店)。

上記内容は本書刊行時のものです。

■執筆者紹介(所属はいずれも法政大学国際文化学部)

栩木 玲子(トチギ レイコ) *編者

南塚 信吾(ミナミヅカ シンゴ)
名誉教授。1942年生。ハンガリー史、世界史。『静かな革命』(東京大学出版会)、『世界史なんていらない?』(岩波書店)。

田島 樹里奈(タジマ ジュリナ)
博士後期課程在籍。1983年生。現代思想(デリダ哲学、暴力論)、北アイルランド問題。「アートのポリティックス」(熊田泰章編『国際文化研究への道』彩流社)、「デリダ「エコノミメーシス」における「不‐可能なもの」」(『現象学年報』第29号)。

大西 亮(オオニシ マコト)
教授。1969年生。ラテンアメリカ現代文学。リカルド・ピグリア『人工呼吸』(水声社)、『抵抗と亡命のスペイン語作家たち』(寺尾隆吉編、洛北出版)。

岡村 民夫(オカムラ タミオ)
教授。1961年生。表象文化論。『イーハトーブ温泉学』(みすず書房)、『柳田国男のスイス』(森話社)。

廣松 勲(ヒロマツ イサオ)
専任講師。1978年生。フランス語圏文学(カリブ海域文学、ハイチ系ケベック移民文学など)。« Mélancolie postcoloniale »(モントリオール大学提出博士論文)、「現代ケベック文学の諸潮流」(『Nord-Est』第7・8号、日本フランス語フランス文学会東北支部会)。

川村 湊(カワムラ ミナト)
教授。1951年生。日本近現代文学、文芸批評。『川村湊自撰集』全5巻(作品社)、『紙の砦』(インパクト出版会)。

森村 修(モリムラ オサム)
教授。1961年生。哲学(現象学、フランス現代思想)、倫理学(ケアの倫理)、日本哲学。『ケアの倫理』(大修館書店)、「センの「道徳哲学」」(1)(『異文化』第17号、法政大学国際文化学部、近刊)

守屋 貴嗣(モリヤ タカシ)
兼任講師。1973年生。日本近現代文学。『満洲詩生成伝』(翰林書房)、『文壇落葉集』(共編、毎日新聞社)。

中島 成久(ナカシマ ナリヒサ)
教授。1949年生。文化人類学、インドネシア研究。『インドネシアの土地紛争』(創成社)、ベネディクト・アンダーソン『言葉と権力』(日本エディタースクール出版部)。

目次

序 思索する国際社会人 (栩木玲子)

第1章 E・H・カー(1892-1982)
   「自己意識」の歴史学 (南塚信吾)

第2章 ハンナ・アーレント(1906-1975)
   20世紀の暴力を「思考」した女(ひと) (田島樹里奈)

第3章 オクタビオ・パス(1914-1998)
   異文化との対話者 (大西 亮)

第4章 ジャン・ルーシュ(1917-2004)
   関係の生成を撮る映像人類学者 (岡村民夫)

第5章 エドゥアール・グリッサン(1928-2011)
   〈関係〉の詩学から全‐世界へ (廣松 勲)

第6章 山口昌男(1931-2013)
   “知”的なピーターパンのために (川村 湊)

第7章 アマルティア・セン(1933-)
   自由と正義のアイデア (森村 修)

第8章 寺山修司(1935-1983)
   ポエジイによって越境した〈詩人〉 (守屋貴嗣)

第9章 ベネディクト・アンダーソン(1936-2015)
   地域研究から世界へ (中島成久)


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