映画のなかの上海 表象としての都市・女性・プロパガンダ
B7 334ページ 並製
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-7664-1117-1(4-7664-1117-X) C0074
奥付の初版発行年月:2004年12月 / 発売日:2004年12月上旬
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-7664-1117-1(4-7664-1117-X) C0074
奥付の初版発行年月:2004年12月 / 発売日:2004年12月上旬
内容紹介
実際の都市としての性格より、「モダン都市」、「魔都」の強烈なイメージがつきまとう〈上海〉。この〈イメージ〉はどのようにして形成されたものなのだろうか。
中国で生まれ育った著者が、日本で学んだ〈表象文化論〉の発想をもちいて独創的な考察を展開。
①西洋対東洋・ハリウッドと中国映画の対照性、②上海映画における女性像の変遷、③ハリウッドの「上海イメージ」の反復と差異(化)の三部にわけ、ハリウッド・中国・日本映画の複数の視点から、上海イメージの歴史・変遷を緻密に分析している。
また、それぞれの映画分析をとおして、西洋・東洋、人種、ジェンダー、プロパガンダ、都市・農村、ポストコロニアリズムなども包括的に論じ、多彩な上海の〈イメージ〉を浮かび上がらせている。 映画の場面カットを一〇〇点近く掲載。
一九六七年中国山東省生まれ。山東省映画評論協会会員、済南市青年映画評論協会副会長として映画評論活動を行う。映画学の方法論の習得を目的として一九九四年に来日。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学(表象文化論)博士課程修了。現在は、早稲田大学演劇博物館COEプログラムに加わり研究活動を続けている。
主要論文として、「上海の映画表象」(『表象のディスクール・メディア』、東京大学出版会、二〇〇〇年)、「メロドラマの作法—上海時代の卜万蒼」(『NFCニューズレター』第36号、東京近代美術館フィルムセンター、二〇〇一年)、「集団ヒステリーの身体表象—文革期中国のプロパガンダ演劇とその映画化」(『表象文化論研究2』、東京大学表象文化論研究室、二〇〇三年)ほか。
目次
序
なぜ上海か
第1部 ハリウッドの上海 上海のハリウッド
第1章 ハリウッドの上海—ハリウッド映画の上海イメージ
第2章 上海のハリウッド
—上海映画におけるハリウッドの影響と見返す視線
第2部 女の都・上海—上海映画における女性像の変遷
第1章 二〇、三〇年代の上海映画における三つの女性像
第2章 女性共産党員—文革期(一九六六— 一九七六)
—中国プロパガンダ演劇とその映画化
第3部 上海イメージの政治学—ハリウッドの上海イメージとの葛藤
第1章 日本映画における上海の表象
第2章 ハリウッドに対抗する上海イメージの展開
—五〇、六〇年代の中華人民共和国の映画における上海
第3章 ハリウッドの上海イメージの回帰—第五世代の場合
おわりに
注
あとがき
索引(人名・作品)