ユートピアの文学世界
B7 360ページ 並製
価格:3,960円 (消費税:360円)
ISBN978-4-7664-1476-9 C0090
奥付の初版発行年月:2008年06月 / 発売日:2008年06月上旬
価格:3,960円 (消費税:360円)
ISBN978-4-7664-1476-9 C0090
奥付の初版発行年月:2008年06月 / 発売日:2008年06月上旬
内容紹介
ユートピア—どこにも存在しない場所
それは…現実からの逃避か それとも…再建への希望か
▼慶應義塾大学文学科の教授陣による文学世界におけるユートピアの論考集。
▼「ユートピア」の語源となったトマス・モアの『ユートピア』を始めとした様々な「ユートピア文学・思想」を網羅的に解説する「夢の世界ーユートピア入門」を中心に、日本古典文学・現代中国文学・ドイツ演劇など、様々な世界・時代の創作物に表れた理想郷を紹介し、それらを生み出した時代背景や社会状況を考察する論考全11編。
柴田陽弘
1942年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。
慶應義塾大学名誉教授。専攻は、近代ドイツ文学・思想・文化史。
主要著作:『自然と文学』(編著、慶應義塾大学出版会、2001年)、
『文学の子どもたち』(編著、慶應義塾大学出版会、2004年)、『恋の研究』
(編著、慶應義塾大学出版会、2005年)、『風景の研究』(編著、慶應義塾大学
出版会、2006年)など。
石川透(いしかわ とおる)
1959年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。
慶應義塾大学文学部教授。専攻は、日本古典文学、書誌学。
主要著作:『慶應義塾図書館蔵 図解 御伽草子』(慶應義塾大学出版会、2003年)、『奈良絵本・絵巻の生成』(三弥井書店、2003年)、『御伽草子 その世界』(勉誠出版、2004年)など。
川村晃生(かわむら てるお)
1946年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。
慶應義塾大学文学部教授 専攻は、環境人文学・日本文学。
主要著作:『環境学事始め』(編著、慶應義塾大学出版会、1999年)、『日本文学から「自然」を読む』(勉誠出版、2004年)、『壊れゆく景観——消えてゆく日本の名所』(共著、慶應義塾大学出版会、2006年)など。
辺見葉子(へんみ・ようこ)
1959年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。
慶應義塾大学文学部准教授。専攻は、中世英文学、中世ケルト語文学。
主要著作・論文:『ミッドサマー・イヴ—夏の夜の妖精たち』(河出書房新社、2006年)、「竪琴弾きと呪詛的な眠り—中世アイルランド」(『比較神話学の鳥瞰図』、共著、大和書房、2005年)、「エヘドの娘の恋—中世アイルランドの文脈」(『恋の研究』、共著、慶應義塾大学出版会、2005年)。
河内恵子(かわち けいこ)
1953年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。
慶應義塾大学文学部教授。専攻は、近現代英文学。
主要著作・論文:『深淵の旅人たち——ワイルドとF.M.フォードを中心に』(慶應義塾大学出版会、2004年)『恋の研究』(共著、慶應義塾大学出版会、2005年)、『情の技法』(共著、慶應義塾大学出版会、2006年)など。
関根謙(せきね けん)
1951年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。
慶應義塾大学文学部教授。専攻は中国現代文学。
主要著作:『「規範」から離脱—中国同時代作家たちの探索』(共著、山川出版者、2006年)翻訳:『時間を渡る鳥たち』(翻訳、格非著、新潮社、1997年)、『飢餓の娘』(翻訳、虹影著、集英社、2004年):『プライベートライフ』(翻訳、陳染著、慶應義塾大学出版会、2008年)
杉野元子 (すぎの もとこ)
1962年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。
慶應義塾大学文学部教授。専攻は中国現代文学。
主要著作・論文:「悔恨と悲哀の手記—魯迅『傷逝』と森鴎外『舞姫』」(『比較文学』第36巻、1994年)、『淪陥下北京1937-045交争する中国文学と日本文学』(共著、三元社、2000年)、「柳雨生と日本—太平洋戦争時期上海における「親日」派文人の足跡」(『日本中国学会報』第55集、2003年)など。
岑村傑(みねむら すぐる)
1967年生まれ。パリ第4大学博士課程修了。
慶應義塾大学文学部准教授。専攻は、20世紀前半を中心とした現代フランス文学。
主要著作・論文:『フランスを知る』(共著、法政大学出版局、2003年)、ルイ・シュヴァリエ『三面記事の栄光と悲惨』(共訳、白水社、2005年)、『恋の研究』(共著、慶應義塾大学出版会、2005年)など。
市川崇(いちかわ たかし)
1962年生まれ。パリ第7大学博士課程修了。
慶應義塾大学文学部准教授。専攻は、現代フランス文学・思想。
主要著作・論文:L'op
目次
夢の空間——ユートピア論入門 柴田陽弘
1 日本古典文学のユートピア 石川透
2 安藤昌益の夢——三つのユートピア 川村晃生
3 妖精に襲われた王国 辺見葉子
4 戦争とユートピア——第一次世界大戦とイギリス女性作家たち 河内恵子
5 忌避されるユートピア——中国現代文学と政治的理想社会 関根謙
6 浩然——ユートピアに魅せられた作家 杉野元子
7 ユートピアからの使者——バルザック、ゾラ、ジュネの徒刑囚たち 岑村傑
8 ウトポスからアトポスへ——「不在」の共同体と異質な現実 市川崇
9 ユートピアとメランコリー 平田栄一朗
10 群集のユートピア——スタジアムの集合的身体 粂川麻里生
編者あとがき