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ゲーテが導く日独医学交流ドクトルたちの奮闘記

ドクトルたちの奮闘記 ゲーテが導く日独医学交流

四六判 280ページ 上製
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-7664-1950-4 C3020
奥付の初版発行年月:2012年06月 / 発売日:2012年06月下旬

内容紹介

▼詩人ゲーテが見出した名医フーフェラントは、緒方洪庵をはじめとする江戸の
蘭学医に大きな影響を与えた。その「医戒」は、明治以降も日本の医師たちに継承された。

ベルリンでアジア人初の医学士(MD)を取得した順天堂三代目・佐藤進、
近代薬学の父で、日本の女子高等教育にも尽力した長井長義、
ベルリン大学医学部初の女子聴講生をもぎとった杏林女傑・高橋瑞子、
マールブルク大学で女性として初めてMDを得た宇良田唯。

ゲーテが案内する、豊かでエネルギッシュな日独医学交流の物語。

▼石原あえか先生のサントリー学芸賞受賞後第一作。


目次

プロローグ イェーナ大学独文学研究所の先住人
Ⅰ 非公式の医学交流 出島に赴任したドイツ人たち
Ⅱ 大坂の種痘医・緒方洪庵のライフワーク
Ⅲ フーフェラントを見出した詩人ゲーテ あるいは本書のねらい

第1章 詩人ゲーテと主治医フーフェラント
Ⅰ フーフェラントの父とその患者ゲーテ
Ⅱ 「仮死」をめぐる恐怖
Ⅲ ヴァイマルにおける種痘普及活動
Ⅳ イェーナ大学教授抜擢とベストセラー『長寿学』
Ⅴ フーフェラントの『医戒』と近代日本の医師たち

第2章 「シャリテ」と日本のランゲンベック 佐藤進
Ⅰ 「シャリテ」とベルリン大学医学部
Ⅱ 日本のランゲンベック 佐藤進
Ⅲ 佐藤進・志津夫妻と女子美術学校

第3章 長井長義のベルリン生活 あるいはライフワークとしての女性研究者育成
Ⅰ ベルリンに留学した初期の日本人留学生
Ⅱ ラーガーシュトレーム夫人と長井の妻テレーゼ
Ⅲ 近代日本における女性科学者を育てた長井

第4章 明治の「杏林女傑」 高橋瑞子とその周辺
ベルリン大学医学部初の日本人女性聴講生
Ⅰ 森鴎外と日本のドイツ文学研究
Ⅱ 日独シーボルト家出身の女医・イネとシャルロッテ
Ⅲ 高橋瑞子が済生学舎に入学するまで
Ⅳ 順天堂病院での実習からドイツ渡航、医院再開まで
Ⅴ 高橋の刀圭界引退と遺言による骨格標本化をめぐって

第5章 ドイツでMDを取得した初の日本人女性 宇良田唯
Ⅰ 日本における脚気論争 森鴎外 vs 北里柴三郎とその恩人・福澤諭吉
Ⅱ 婚礼の日に消えた花嫁 「もっと勉強したいから」
Ⅲ マールブルク大学最初の女性MD取得者
Ⅳ もうひとりのマールブルク大学私費留学生 心臓ペースメーカーの父・田原淳
Ⅴ 北里門下同士の結婚と中国・天津での活躍

エピローグ ふたたびイェーナにて ゲーテと石原忍
Ⅰ 銀海の独創的研究 ゲーテの 『色彩論』 と石原忍の色覚検査表
Ⅱ 石原の近視研究の原点 光学都市イェーナとカール・ツァイス
Ⅲ 前任者の河本重次郎とヒルシュベルク蔵書
Ⅳ 医師としての心構えと座右の銘


あとがき 先輩ドクトルたちに励まされて
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