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ハイエク主義の政治経済学財政学の本質

財政学の本質 ハイエク主義の政治経済学

A5判 244ページ 上製
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-7664-2017-3 C3033
奥付の初版発行年月:2013年04月 / 発売日:2013年04月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

「自由主義財政学」、復権の試み

政府(国家)を助けられるのは市場でしかない。
その市場経済の原動力は企業家精神とそれを支える家族の勤勉さと貯蓄心である。
今こそ政府は民間の伝統的秩序に根ざすこれらの精神と文化を活かし、
本物の自由主義に基づいた経済政策を実行する時である。

「経済学では驚くほどに政府自体の特徴が考慮されず、また財政学では市場の本質に関する考察がほとんどなされていない・・・・・・その点、経済学がまだ「政治経済学(Political Economy)」と呼ばれていたアダム・スミス(Adam Smith,1723-1790)の『国富論』(1776年)においては市場と政府は明確に区分されず、経済学と財政学の内容は渾然一体としていたように見える。本書では敢えてこの古いタイプの経済学あるいは財政学を手本として両者の混合的分析を試みることにした。」(本書より)

著者プロフィール

山田 太門(ヤマダ ダモン)

慶應義塾大学名誉教授
1944年東京に生まれる。
1968年慶應義塾大学経済学部卒業、1973年同大大学院博士課程修了。1970年慶應義塾大学経済学部助手、1976年慶應義塾大学助教授を経て1989年慶應義塾大学経済学部教授。
2010年より慶應義塾大学名誉教授、現在に至る。
この間、米国プリンストン大学、及びイエール大学PONPO研究所に客員研究員として留学。また日本経済政策学会常務理事、文化経済学会<日本>会長などを歴任。
専攻 公共経済学、財政学、文化経済学
主要著作
 『公共経済学』(日経文庫)日本経済新聞社、1987年
 『経済学の古典(下)近代経済学』(共著)有斐閣、1978年
 「公共部門の短期及び長期均衡分析」『三田学会雑誌』82巻1号、1990年
 3月
訳書
 J.M.ブキャナン著『選択のコスト』春秋社、1988年

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はしがき

序 章

第1章 財政学とは何か
 1. 経済学と財政学
 2. 政府とは何か
 3. 市場と政府
 4. 方法論について

第2章 財政の役割
 1. 財政政策の機能
 2. 公的供給と公的生産
 3. 2つのタイプの社会主義

第3章 公共財の理論
 1. 公共財の定義と性質
 2. 準公共財の可能性
 3. 公共財の最適供給の問題
 4. 政府依存型経済
 5. 市場補完的公共財
 6. 価値財・負の価値財

第4章 予算制度
 1. 予算原則
 2. 予算決定のプロセス
 3. 伝統的予算の問題点
 4. PPBS予算方式
 5. ゼロベース予算方式

第5章 租税制度のあり方
 1. 租税原則
 2. 利益説と能力説
 3. 水平的公平と垂直的公平
 4. 客観的課税基準

第6章 租税体系
 1. 望ましい税体系
 2. 直接税と間接税
 3. 税の転嫁と帰着
 4. 包括的所得税とその問題点
 5. 立憲主義的税制と立憲的政治経済学

第7章 主な租税の特徴と問題点
 1. 個人所得税とその問題点
 2. 法人税とその問題点
 3. 消費税の重要性
 4. 相続税およびその他の資産税の問題点

第8章 公債の問題
 1. 公債による資金調達
 2. 公債の費用負担
 3. 税と公債
 4. 公債の蓄積と財政の硬直化

第9章 社会保障制度のあり方
 1. 社会保障給付の方式と費用負担原則
 2. 公的扶助の問題点
 3. 公的年金制度の問題点

第10章 市場経済と非市場経済
 1. 市場の公共性
 2. 市場の動態性
 3. 民間非市場経済の重要性
 4. 個人主義と利他的行動

第11章 地方政府の財政
 1. 地方政府の存在意義
 2. 政府間財政関係
 3. ティボー仮説と分権的財政システム
 4. 集積の利益と地方財政
 5. 地方消費税の拡大と地方分権システム

第12章 結 語

 参考文献
 索  引
 著者紹介


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