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学校の先生にも知ってほしい:慢性疾患の子どもの学校生活

学校の先生にも知ってほしい:慢性疾患の子どもの学校生活

四六判 240ページ 並製
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-7664-2094-4 C0047
奥付の初版発行年月:2014年08月 / 発売日:2014年08月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

<子どものこころと体 シリーズ>
保護者-学校-医療が連携し、育ちを支えるために

慢性の病気を抱える子どもたちが、安心・安全な学校生活を送るためには、周囲の理解が必要です。
病気の基礎知識、学校生活での配慮事項などを病気ごとに解説します。

▼様々な慢性疾患の基礎知識と配慮事項を解説。

現在8万人いると言われる、慢性疾患をもつ病弱児童が学校生活を送るにあたり、保護者と学校関係者が知っておくべき基礎的な知識をコンパクトに収録。
対象疾患:腎疾患、てんかん、心臓病、小児がん、膠原病、糖尿病、血友病、慢性頭痛、起立性調節障害(OD)。

「慢性疾患をもつ子どもは、自分が病気であること、自分がおかれている状況をクラスメートや周囲の人たちに正しく理解されると、クラスの仲間が自分の病気を理解し、自分を支えてくれていると実感し、病気に立ち向かうモチベーションを高めやすくなります。また健常な子どもたちも、病気に立ち向かっているその子の姿を見て、自らのレジリエンス(立ち直る力)を育てることにもなると思っています。
 学校や教師、そして小児医療に関わっている人たちにも、子どもたちの学校生活を“輝いているもの”にしていくことができるように配慮することが求められています。
 本書がその一助になることを願います。」(満留昭久「はじめに」より)

著者プロフィール

満留 昭久(ミツドメ アキヒサ)

福岡大学名誉教授。国際医療福祉大学大学院教授。福岡国際医療福祉学院学院長。医学博士。専門は小児科・小児神経学。
教育と医学の会理事。NPO法人子どもの村福岡理事長。
1939年鹿児島県生まれ。九州大学医学部卒業。九州大学病院小児科助手を経て、1975年福岡大学医学部へ。同大学医学部小児科教授、大学病院副院長、医学部長を歴任し、2006年福岡大学退職。同年4月国際医療福祉大学へ。同教授、副学長を経て2012年より現職。日本小児科学会、日本小児神経学会、臨床神経生理学会、日本てんかん学会などの評議員・理事を務める。
著書に『新小児医学大系』(分担執筆、中山書店、1985年)、『小児神経疾患診療ハンドブック』(共著、南江堂、1988年)、『ベッドサイドの小児の診かた〈第2版〉』(編著、南山堂、2001年)、『小児神経学の進歩30集』(共著、診断と治療社、2001年)、『こころをつなぐ小児医療』(慶應義塾大学出版会、2013年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

【編者】
満留昭久(みつどめ・あきひさ)
福岡大学名誉教授。国際医療福祉大学大学院教授。福岡国際医療福祉学院学院長。医学博士。専門は小児科・小児神経学。
教育と医学の会理事。NPO法人子どもの村福岡理事長。

(※〔 〕内は、担当章。)
【執筆者】
丹羽 登(にわ のぼる)〔1章-1〕
文部科学省初等中等教育局 特別支援教育課 特別支援教育調査官。専門は病弱教育。大阪教育大学教育学部卒業、兵庫教育大学大学院修了。大阪府教育委員会教育振興室障害教育課指導主事などを経て現職。
著書に『「個別の(教育)支援計画」の作成・活用』(監修、ジアース教育新社、2010年)、『病気の子どものガイドブック――病弱教育における指導の進め方』(監修、ジアース教育新社、2012年)など。

加藤忠明(かとう ただあき)〔1章-2〕
前国立成育医療研究センター成育政策科学研究部長。医学博士。専門は小児医学。東京大学医学部医学科卒業。総合母子保健センター小児保健科長、日本子ども家庭総合研究所小児保健担当部長などを歴任。
著書に『小児慢性疾患診療マニュアル』(監修、診断と治療社、2006年)、『すぐに役立つ小児慢性疾患支援マニュアル〈改訂版〉』(共編著、東京書籍、2012年)、『図表で学ぶ子どもの保健Ⅰ』(共編著、建帛社、2010年)など。

副島賢和(そえじま まさかず)〔1章-3〕
昭和大学大学院保健医療学研究科准教授・さいかち学級担当。品川区立清水台小学校教諭・昭和大学病院内学級担任を長年務め、2014年3月に東京都職員を退職し、現職に。学校心理士。専門は病弱教育、児童心理。東京学芸大学大学院修士課程修了。
著書に『学校でしかできない不登校支援と未然防止』(共編著、東洋館出版社、2009年)、『医療現場のコミュニケーション』(共著、あいり出版、2008年)など。また、『プロフェッショナル仕事の流儀』(NHK総合、2011年)に出演。

吉川一枝(きっかわ かずえ)〔1章-4〕
亀田医療大学看護学部看護学科教授。専門は小児看護。筑波大学大学院教育研究科カウンセリング専攻リハビリテーションコース修了。小児病棟看護師、小・中学校の養護教諭、横浜市立大学看護短期大学部助手、日本赤十字北海道看護大学講師、岐阜医療科学大学保健科学部看護学科教授を経て現職。
著作に「通常の学級に在籍する慢性疾患患児への学級担任教師の関わり」(『日本小児看護学会誌』12巻1号、2003年)など。

武田鉄郎(たけだ てつろう)〔1章-5 〕
和歌山大学大学院教育学研究科教授。専門は障害児心理学。博士(学術)大阪市立大学。上越教育大学大学院学校教育学研究科障害児教育専攻修了。養護学校等の教員、国立特殊教育総合研究所研究員を経て現職。
著書に『慢性疾患児の自己管理支援のための教育的対応に関する研究』(大月書店、2006年)など。

五十嵐 隆(いがらし たかし)〔2章-1〕
国立成育医療研究センター総長・理事長。専門は小児腎臓病学。東京大学医学部卒業。東京大学大学院医学系研究科小児医学講座小児科教授を経て現職。日本学術会議会員、日本小児科学会会長、日本小児保健協会理事、日本保育園保健協議会理事、日本腎臓学会理事、日本小児腎臓病学会元理事長。
著書に『小児腎疾患の臨床〈改訂第5版〉』(診断と治療社、2012年)、『こどもの腎炎・ネフローゼ』(監修、メディカル・トリビューン、2012年)など。

花井敏男(はない としお)〔2章-2〕
柳川療育センター発達支援センター・センター長。専門は小児神経学。九州大学医学部卒業。福岡市立こども病院小児神経科部長、福岡市立心身障がい福祉センター・センター長などを経て、2014年より現職。
著書に『子どもの成長と発達の障害』(分担執筆、永井書店、2009年)、『開業医の外来小児科学〈改訂6版〉』(分担執筆、南山堂、2013年)など。

赤木禎治(あかぎ ていじ)〔2章-3〕
岡山大学病院循環器疾患集中治療部准教授。医学博士。専門は小児循環器、成人先天性心疾患、先天性心疾患のカテーテル治療。久留米大学医学部卒業。久留米大学小児科、トロント小児病院循環器科などを経て現職。
著書に『先天性心疾患の方のための妊娠・出産ガイドブック』(共著、中央法規出版、2006年)、『画像でみる成人先天性心疾患』(共著、メジカルビュー社、2010年)など。

稲田浩子(いなだ ひろこ)〔2章-4〕
久留米大学医学部小児科医師。ゆうかり医療療育センター医師。医学博士。専門は小児がん、ターミナルケア、患者・家族支援。久留米大学医学部卒業。久留米大学医学部小児科助手などを経て現職。
著書に『小児がんの子どものトータル・ケアと学校教育』(共著、ナカニシヤ出版、2000年)、『ベッドサイドの小児の診かた〈第2版〉』(共著、南山堂、2001年)など。

横田俊平(よこた しゅんぺい)〔2章-5〕
横浜市立大学大学院医学研究科発生成育小児医療学教授。専門は小児科学、小児リウマチ・膠原病、小児感染症。横浜市立大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センター、アメリカ・メーヨークリニック、ノースカロライナ州立大学などを経て現職。
著書に『小児の外来診察ABC』(東京医学社、1996年)、『小児の薬の選び方・使い方〈改訂3版〉』(共編、南山堂、2010年)など。

雨宮 伸(あめみや しん)〔2章-6〕
埼玉医科大学小児科教授。医学博士。専門は小児内分泌・糖尿病。慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部、イリノイ大学医学部、地域基幹病院等、山梨大学医学部小児科准教授を経て現職。
著書に『小児・思春期糖尿病管理の手びき〈改訂第3版〉』(編集責任、南江堂、2011年)、『こどもの1型糖尿病ガイドブック』(編集責任、文光堂、2007年)など。

嶋 緑倫(しま みどり)〔2章-7〕
奈良県立医科大学小児科教授。医学博士。専門は血液凝固学と神経発達。奈良県立医科大学医学部卒業。奈良県立医科大学小児科助手、講師、准教授を経て現職。
著書に『三輪血液病学〈第3版〉』(共著、文光堂、2006年)、『みんなに役立つ血友病の基礎と臨床〈改訂版〉』(共著、医薬ジャーナル社、2012年)、『今日の治療指針』(共著、医学書院、2012年)、『内科学〈第10版〉』(共著、朝倉書店、2013年)など。

寺本 純(てらもと じゅん)〔2章-8〕
寺本神経内科クリニック(名古屋)、八重洲痛みの診療室(東京)院長。名古屋大学医学部卒業。国立武蔵療養所神経センター(現:国立精神・神経センター)、 奈良県立医科大学助手、名鉄病院神経内科部長を経て現職。米英で普及している頭痛のボツリヌス治療を2001年に国内初導入。
著書に『臨床頭痛学』(診断と治療社、2005年)、『肩こり・首こりが本当によくなる本』(保健同人社、2008年)、『薬が効かない頭痛になったとき読む本(仮題)』(講談社、2014年11月刊行予定)など。

田中英高(たなか ひでたか) 〔2章-9〕
OD低血圧クリニック田中 院長。医学博士。専門は小児心身医学。大阪医科大学卒業。大阪医科大学小児科准教授を経て、2014年7月より現職。日本小児心身医学会理事長。2006年に同学会ODワーキンググループ代表として、小児科医向け「小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン」を作成・発表。ODの研究・臨床とともに、教育現場への認知・理解に努める。
著書に『起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応』(中央法規出版、2009年)、『起立性調節障害の子どもの日常生活サポートブック』(中央法規出版、2010年)など。

目次

はじめに――輝いている学校生活を (満留昭久)

第1章  慢性疾患をもつ子どもと学校
 1. 病弱教育の現状と今後のあり方 (丹羽 登)
 2. 病気の子どもへの教育面の配慮のあり方 (加藤忠明)
 3. 院内学級の子どもたちが教えてくれたこと (副島賢和)
 4. 病気の子どもへの学級担任の関わり (吉川一枝)
 5. 慢性疾患をもつ子どもへの自己管理支援 (武田鉄郎)

第2章  疾患ごとの配慮事項と、学校・家庭での留意点
 1. 慢性腎疾患の子どもの学校生活 (五十嵐 隆)
 2. てんかんの子どもの学校生活  (花井敏男)
 3. 先天性心臓病の子どもの学校生活 (赤木禎治)
 4. 小児がんの子どもの学校生活 (稲田浩子)
 5. 膠原病の子どもの学校生活  (横田俊平)
 6. 糖尿病の子どもの学校生活 (雨宮 伸)
 7. 血友病の子どもの学校生活 (嶋 緑倫)
 8. 頭痛に悩む子どもの学校生活 (寺本 純)
 9. 起立性調節障害(OD)の子どもの学校生活 (田中英高)


  TOPIC「子宮頸がんワクチンの副反応の頭痛」
  巻末資料「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」
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