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― 実際と理論金融経済 第2版

金融経済 第2版 ― 実際と理論

A5判 280ページ 並製
価格:2,750円 (消費税:250円)
ISBN978-4-7664-2205-4 C3033
奥付の初版発行年月:2015年04月 / 発売日:2015年04月上旬

内容紹介

グローバル化する金融経済の動きを実際面から解説し理論へと昇華させる

金融テキストのこれからの標準

本書の特徴

1. 経済、財政、国際金融などの関連分野に触れつつ、金融経済の実際を幅広く解説している。
2. 理論から実際へと展開する通常のテキストとは構成の順序を逆にすることにより、実際との関連において理論にも興味を持ち学習できるよう工夫した。
3. 数式は最小限にとどめ、図表を多用することにより、深く広範囲な金融経済の実際と理論の理解を容易にしている。
4. 「バーゼルⅢ」「インフレ・ターゲティング」「テイラールール」など、金融経済の課題についても意欲的に取り上げている。
5. アベノミクスや国際収支表改訂など、新しい大きな変化に対応している。

▶第3版が刊行されました。

著者プロフィール

吉野 直行(ヨシノ ナオユキ)

1950年 東京都生まれ
1973年 東北大学経済学部卒
1979年 ジョンズホプキンス大学大学院卒、経済学博士(PhD)
ニューヨーク州立大学助教授、パリ政治学院訪問教授、スウェーデン・ヨーテボリ大学名誉博士、マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク名誉博士、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学訪問教授、関税・外国為替審議会会長、財政投融資分科会部会長などを歴任。2013年福澤賞。現在、アジア開発銀行研究所(ADBI)所長、慶應義塾大学名誉教授、金融庁金融研究センター顧問、放送大学客員教授、政策研究大学院大学客員教授。

主な編著書に、Postal Savings and Fiscal Investment in Japan (Oxford University Press)、Small Savings Mobilization and Asian Economic Development (M.E.Sharpe)、『社会と銀行』(放送大学教育振興会)、『これから日本経済の真実を語ろう』(東京書籍)など多数。

山上 秀文(ヤマガミ ヒデフミ)

1949年 石川県生まれ
1972年 東京大学経済学部卒 株式会社東京銀行入行
1977年 カリフォルニア大学バークレー校経営学大学院修了(MBA)
東京銀行信託会社(ニューヨーク)VP、英国東京銀行(ロンドン)副社長、東京三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)調査部長などを歴任し、2008年神戸大学学位取得 博士(経済学)、現在、近畿大学経済学部教授、慶應義塾大学通信教育部講師、国際通貨研究所客員研究員、日本金融学会前理事。

主な編著書に、『アジア経済・金融の再生』(共編著、東洋経済新報社、1999年)、Pilot Study 2002 of Asian Bond Markets, co-ed. Keio University Press,2007、『東アジアの新しい金融・資本市場の構築』(日本評論社、2008年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第1部 実践編

 第1章 資金循環と資金の過不足
  1-1 経済と金融の関係―資金循環勘定
   1 資金循環勘定について
   2 各機関の資産と負債の概要
  1-2 政府の資金不足の調整
   1 バブル期の資金の流れの変化
   2 バブル崩壊後の資金の流れの変化
   3 一時的な景気回復期の資金の流れの変化
   4 2010年度の資金の流れの変化
  1-3 企業の資金過不足の調整(ISバランス)

 第2章 企業の資金調達と投資
  2-1 日本企業の資金調達と投資
  2-2 利子率と投資の関係
   1 将来の収益・期待値の算出方法
   2 投資コストの算出方法
   3 最適な投資の決定
  2-3 トービンのqと企業の投資

 第3章 金融商品のリスク制御と価格計算
  3-1 家計のポートフォリオとリスク制御
  3-2 債券市場・株式市場
   1 債券市場と価格計算
   2 株価の割引現在価値
   3 バブル下での株と不動産の価格変動
  3-3 新しい金融商品と価格計算
   1 デリバティブ(金融派生商品)―スワップ、オプションなど
   2 オプション価格の計算

 第4章 金融機関の仲介機能と証券市場
  4-1 日本の金融機関の構成
  4-2 銀行・協同組織金融機関、貸金業
   1 銀行
   2 協同組織金融機関
   3 貸金業(消費者金融と事業者金融)
  4-3 証券会社と証券市場
   1 証券会社
   2 証券市場
  4-4 生命保険会社・損害保険会社
  4-5 機関投資家
   1 日本の機関投資家の日本国債保有
   2 ヘッジファンド―高レバレッジ機関(HLI)

 第5章 金融行政と金融政策
  5-1 金融システムの安定とバーゼル自己資本比率規制
  5-2 証券化とオフバランスシート
   1 アメリカ―サブプライムローンのケース
   2 日本―バブルの場合
   3 日本とアメリカの違い
  5-3 金融政策と短期金融市場の金利調節
   1 中央銀行の真の役割
   2 日本の金融政策の実際
   3 マネーストック(money supply)を増やす
   4 ゼロ金利でも景気回復しない理由
   5 第3の金融政策―超過準備(エクセス・リザーブ)を増やす
   6 第4の金融政策―国債など金融資産保有の増加
   7 アベノミクスのもとでの政策
  5-4 インフレ・ターゲティングとテイラー・ルール

 第6章 財政と財政投融資
  6-1 国債の発行増と金融機関の国債保有増
   1 国債市場
   2 日本における国債市場の需要と供給
   3 ギリシャにおける国債市場
   4 一般会計予算と国債の使途
   5 日本とギリシャの違い
   6 日本の現状と将来の展望
  6-2 財政投融資制度と財政投融資改革
   1 財政投融資改革以前の旧制度(2001年3月まで)
   2 市場の失敗と財政投融資の役割・その課題
   3 財政投融資改革と運用実績・計画残高の縮減・効率化(2001
     年4月以降)
  6-3 郵便貯金
   1 郵便貯金の歴史
   2 定額貯金の商品性
   3 郵政民営化

 第7章 貿易・資本移動と外国為替
  7-1 国際収支
   1 国際収支とは
   2 国民所得勘定と経常収支の関係
   3 経常収支不均衡是正の政策と所得決定
   4 経常収支決定の短期理論
   5 経常収支決定の中長期理論
   6 国際収支と国際貸借
  7-2 外国為替決定理論
   1 フロー中心からストック中心の理論へ
   2 購買力平価説
   3 アセットアプローチ―金利平価理論
   4 合理的予想形成モデル
  7-3 国際資本移動と国際金融のトリレンマ
   1 バブルのメカニズム―なぜバブルが起こるのか
   2 国際金融のトリレンマ
  7-4 ユーロの危機
   1 共通通貨ユーロの誕生まで
   2 資本の自由化と通貨統合
   3 EMU単一金融政策と安定成長協定
   4 ユーロ危機の発生と財政・金融問題

第2部 理論編

 第8章 金融のミクロ理論
  8-1 家計の金融行動
   1 貯蓄の種類、金融との関係
   2 リスクのもとでの家計の金融行動
   3 家計の資産選択とポートフォリオ理論
   4 リスク資産の組み合わせ
  8-2 企業の金融行動
   1 企業の金融行動と利子率
   2 企業の利潤極大化の行動
   3 家計の貯蓄行動と企業の借入需要
   4 リスクのもとでの企業の金融行動
   5 企業の資本構成とMM理論
  8-3 銀行の金融行動
   1 日本の銀行の行動の分析
   2 銀行行動(大企業向けと中小企業向けの比較)
   3 中小企業の貸出供給曲線(屈折供給曲線)

 第9章 金融のマクロ理論
  9-1 ワルラスの法則とIS-LM分析
  9-2 所得と利子率の決定―IS-LMモデル
   1 財・サービス市場の均衡
   2 貨幣市場の均衡
   3 財市場と貨幣市場の需給の一致
   4 金融政策とその効果
  9-3 物価の決定―総需要-総供給モデル
   1 総供給
   2 総需要
   3 総需要と総供給の均衡
   4 金融政策の効果
   5 古典派のモデルとフィリップス曲線
  9-4 合理的期待形成と金融政策
   1 期待形成を導入したモデル
   2 適応的期待
   3 合理的期待
  9-5 IS-LM-BPモデル(オープン・マクロモデル)
   1 為替レートの変動とその要因
   2 国際収支の均衡(BP曲線)の動き
   3 IS-LM-BP曲線と変動相場制下の財政金融政策
   4 中国の輸出主導の経済成長

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