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下級審商事判例評釈 第10巻 平成16年-20年

慶應義塾大学法学研究会叢書86
下級審商事判例評釈 第10巻 平成16年-20年

A5判 840ページ 上製
価格:13,200円 (消費税:1,200円)
ISBN978-4-7664-2271-9 C3332
奥付の初版発行年月:2015年11月 / 発売日:2015年11月上旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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在庫あり

内容紹介

▼商法の法理を企業社会の動態の中で捉える。

 慶應義塾大学商法研究会の多彩なメンバーによる「下級審商事判例評釈」シリーズの10冊目。紀要『法学研究』に掲載された、平成16年から平成20年の判例評釈49件を収録する。
 企業社会の生きた事実が映し出される下級審商事判例の研究を通して、商法のあるべき法理を追究する!


【編著者】
慶應義塾大学商法研究会

〈評釈者〉
宮島 司(慶應義塾大学法学部教授)
山本爲三郎(慶應義塾大学法学部教授)
鈴木千佳子(慶應義塾大学法学部教授)
杉田 貴洋(慶應義塾大学法学部教授)
加藤 修(慶應義塾大学名誉教授・弁護士)
島原 宏明(元慶應義塾大学法学部教授(故人))
菅原貴与志(慶應義塾大学大学院法務研究科教授)
高田 晴仁(慶應義塾大学大学院法務研究科教授)
黄 清渓(拓殖大学名誉教授)
岡本智英子(関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科教授)
肥塚 肇雄(香川大学法学部教授)
吉川 信將(獨協大学法学部教授)
鈴木 達次(國學院大學法学部教授)
八島 宏平(損害保険料率算出機構総務企画部長)
来住野 究(明治学院大学法学部教授)
藤田 祥子(拓殖大学商学部教授)
堀井 智明(立正大学法学部教授)
諏訪野 大(近畿大学法学部教授)
山本真知子(甲南大学法学部教授)
森川 隆(國學院大學法学部教授)
横尾 亘(西南学院大学大学院法務研究科准教授)
西原 慎治(久留米大学大学院法務研究科教授)
重田麻紀子(青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科准教授)
島田 志帆(立命館大学大学院法務研究科教授)
笹岡 愛美(横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授)
長畑 周史(横浜市立大学学術院国際総合科学群准教授)
金尾 悠香(武蔵野大学法学部専任講師)
陳  宇(名古屋商科大学経済学部専任講師)

目次



凡 例

  第一編 総 則

三 代表権のない者に対する預金の払戻と不実の商業登記   横尾 亘
二二 洋服販売業の営業譲渡を受けた会社が、譲渡会社の屋号を商号として続用した場合、商法二六条一項の類推適用が否定された事例
菅原貴与志
二四 会社分割後の新設会社による商号の続用と債権者保護
岡本智英子
四六 生命保険会社支社のお客様相談室長と民法一一〇条の表見代理
藤田 祥子

  第二編 会 社

 株 式
三一 譲渡制限株式の相続人に対する会社の株式売渡請求権の行使期間の
起算点   来住野 究
三四 日刊新聞社において社員株主制度に基づくルールに従わない株式譲
渡の可否―― 日経新聞事件   来住野 究
三九 株式交換無効の訴えにおける名義書換未了の株主の原告適格   来住野 究
四三 競業者である株主による株主名簿閲覧謄写の仮処分命令申立てが認められた事例   吉川 信將
四九 共同相続株式の権利行使者の指定と事前協議の要否   宮島 司

 株主総会
一四 会社による内閣府令違反の議決権代理行使の勧誘が株主総会決議取消事由に当たらないとされた事例   宮島 司
三五 モリテックス株主総会決議取消請求事件   陳 宇
四七 通常決議の定足数を排除する定款規定が取締役解任決議に適用されないとされた事例   山本 爲三郎

 取締役および取締役会
一 株主総会の決議を経ずに支払われた役員報酬について事後に株主総会の決議を経た場合における当該役員報酬の支払の効力   黄 清渓
二 退職取締役に対し会社の内規に基づいた退職慰労金を支給しない場合に代表取締役の損害賠償責任を否定した事例   藤田 祥子
四 会社の取締役が当該会社の従業員を自らが代表取締役を務める同業他社に就職させた場合に、当該取締役の善管注意義務違反、忠実義務違反に
よる損害賠償責任と同業他社の損害賠償責任を認めた事例
重田麻紀子
二〇 一〇年間の備置期間経過後にも保存されている取締役会議事録は閲覧及び謄写許可の対象となるか(消極)   加藤 修
三〇 報酬支給の対象となる取締役は、株主総会に提案された取締役報酬議案の内容が不当であることを理由として、提案した取締役に取締役の第
三者に対する責任を追及することが認められないとされた事例
重田麻紀子
四一 会社の代表取締役が、在任中に別会社の事実上の主宰者として行った取引について競業避止義務違反が認められ、本人及び同居親族の会社の
役員報酬を基礎に損害額とするのが相当であるとされた事例
重田麻紀子
四五 一人会社において一人株主は代表取締役に就任している場合もその任務に違背して会社に損害を加えた時は会社に対する責任を負い、責任は当然には免除されないとされた事例   鈴木千佳子

 監査役・会計監査人
九 監査役就任の承諾の有無   杉田 貴洋
一八 組織的な詐欺的商法を行った会社における名目的監査役の対第三者責任   横尾 亘
三七 監査法人が架空取引を看過した場合に、善管注意義務違反による債務不履行が否定された事例   加藤 修

 新株発行
五 「著シク不公正ナル方法」と第三者割当増資   岡本智英子
二三 会社資金の迂回融資による新株払込の効力 ―― 東京相和銀行仮装
増資事件   来住野 究
二九 新株が著しく不公正な方法により発行されたものであったとしても
新株発行の無効原因とはならないとされた事例   笹岡 愛美

 新株予約権発行
一二 買収防衛策としての新株予約権発行が著しく不公正な発行に当たるとしてその差し止めが認められた事例   吉川 信將
四八 転換社債型新株予約権付社債の発行が有利発行にも不公正発行にも該当しないとされた事例 ―― 丸八証券新株予約権付社債発行差止却下決定   藤田 祥子

 計算等
二七 公正なる会計慣行と取締役の責任   岡本智英子
三二 一 会社法四三三条二項三号の「請求者」には、請求者と一体的に
     事業を営んでいる親会社が含まれるとされた事例
   二 会社法四三三条二項三号所定の「競争関係」には、近い将来
     において競争関係に立つ蓋然性が高い場合も含むとされた事例
   長畑 周史

 事業の譲渡
三八 一 旧商法二四五条ノ二の「公正ナル価格」の算定に当たってDCF
     法が採用された事例
   二 鑑定費用の負担方法について当事者の主張価格と裁判所の決
     定額との乖離率に応じて決定するのが相当とされた事例
   ―― カネボウ株式買収価格決定申立事件決定
   山本真知子

 会社分割
七 会社の新設分割において分割会社が債務履行の見込みがなかったこと
を理由に分割無効の訴えが認容された事例   鈴木千佳子

 株式交換・株式移転
三三 株式移転により完全親会社の株主となった者は、完全子会社の取締役等役員の責任を株主代表訴訟で追及することができないとされた事例
金尾 悠香

  第三編 商 行 為

一一 ゴルフ場のクラブハウス内の貴重品ロッカーから利用客のキャッシュカードが窃取され預金が引き出されたことについて営業主の責任が認められた事例   森川 隆

  第四編 保 険

一九 保険料不払による生命保険契約の失効を理由とする保険会社の保険金支払拒絶が信義則に反し許されないとされた事例   島原 宏明
二一 生命保険契約者たる地位の譲渡と保険者の同意   鈴木 達次
二六 被保険者を殺害した保険金受取人が、保険金請求権取得後に死亡した別の保険金受取人の相続人となった場合の保険金請求権の相続および譲渡の可否   堀井 智明
二八 生命保険の契約者が両親とともに一家心中した場合に保険金受取人の変更の意思表示はなされたが、その通知は保険会社に対してなされていなくても、その変更の効力は生じ新保険金
受取人は保険会社に死亡保険金を請求し得ることが認められるとされた事例   肥塚 肇雄
四〇 未払込分割保険料と相殺した保険金残債務の遅滞にかかる時期
堀井 智明
四二 運転手が殺意をもって歩行者専用道路内でトラックを暴走させ、歩行者を死亡させた事故について、トラックを保有するレンタカー業者は自賠法三条に基づく責任を負うとされた事例   八島 宏平

  第五編 手形・小切手

一三 不渡異議申立預託金の供託義務、手形交換所への差押命令送達届提
出の意義   島田 志帆
一七 二重無権の抗弁が認められた事例   高田 晴仁

  第六編 知的財産

六 歯を再石灰化する効果を有するガムに関する比較広告中の表示が不正競争防止法二条一項一三号所定の品質等誤認表示及び同一四号所定の虚偽事実の陳述流布に当たらないとされた事例   諏訪野 大
八 特許権を目的とする質権設定登録が遅れたことにつき融資金融機関としての信用金庫がなした国家賠償請求を許容した原審判決を取り消し、請求を棄却した事例 ―― 附 同最高裁判決について   諏訪野 大
一五 ニュース報道における記事見出しに著作物性はないとされたが、無償でこれを自己の営業に使用することは社会的な相当性を欠き不法行為が成立するとされた事例   諏訪野 大
二五 プロ野球選手の氏名及び肖像の商業的利用権(パブリシティ権)が統一契約書一六条によりプロ野球球団に独占的に使用許諾されていると認められた事例   諏訪野 大
三六 特許庁の担当職員の過失により特許権を目的とする質権を信用金庫が取得できなかったことによる損害額が認定された事例   諏訪野 大

  第七編 金融商品取引

一六 外国為替証拠金取引の効力   西原 慎治
四四 公開買付けによらないで株式を買い付けた行為が、平成一七年法律第八七号による改正前の証券取引法二七条の二第一項に違反し、株主に対
する不法行為となるとされた事例   島田 志帆

  第八編 その他

一〇 誤振込みされた預金の被仕向銀行による貸付債権との相殺
藤田 祥子

条文索引
裁判年月日索引


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