大学出版部協会

 

転換期における公共放送メディアの公共性

メディアの公共性 転換期における公共放送

大石 裕:編著, 山腰 修三:編著, 中村 美子:編著, 田中 孝宜:編著
A5判 260ページ 並製
価格:2,750円 (消費税:250円)
ISBN978-4-7664-2377-8 C3036
奥付の初版発行年月:2016年10月 / 発売日:2016年10月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
この大学出版部の本一覧
在庫あり

内容紹介

▼いま公共放送が直面する問題とは何か?

メディア環境・政治・社会・経済構造の急激な変化の中で、
問い直される「メディアの公共性」。

▼世界的に関心の高まる公共放送の国際的な動向と、
今後の方向性を解説する入門書。
放送業界をめざす学生、メディア関係者は、必携の一冊。

著者プロフィール

大石 裕(オオイシ ユタカ)

慶應義塾大学法学部教授

山腰 修三(ヤマコシ シュウゾウ)

慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所准教授

中村 美子(ナカムラ ヨシコ)

NHK放送文化研究所メディア研究部上級研究員

田中 孝宜(タナカ タカノブ)

NHK放送文化研究所メディア研究部上級研究員

上記内容は本書刊行時のものです。

(※( )は、担当章)
【編著者】
大石 裕(おおいし ゆたか / Yutaka Oishi)(第4章)
慶應義塾大学法学部教授

山腰 修三(やまこし しゅうぞう / Shuzo Yamakoshi)(第1章)
慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所准教授

中村 美子(なかむら よしこ / Yoshiko Nakamura)(第2・5章)
NHK放送文化研究所メディア研究部上級研究員

田中 孝宜(たなか たかのぶ / Takanobu Tanaka)(第10章)
NHK放送文化研究所メディア研究部上級研究員

【執筆者】
鈴木秀美(すずき ひでみ / Hidemi Suzuki)(第3章)
慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授

タイスト・フヤネン(Taisto Hujanen)(第6章)
タンペレ大学コミュニケーション・メディア・演劇学部名誉教授

タニヤ・マイヤーホーファー(Tanja Meyerhofer)(第7章)
欧州放送連合研究員

ヒルデ・ヴァン・デン・ブルック(Hilde van den Bulck)(第8章)
アントワープ大学コミュニケーション研究学部教授

カレン・ドンダース(Karen Donders)(第8章)
ブリュッセル自由大学コミュニケーション学部准教授

パラポン・ロドライドォ(Palphol Rodloytuk)(第9章)
シナワトラ大学教養学部准教授

アラン・G・スタヴィツキー(Alan G. Stavitsky)(第11章)
ネバダ大学リノ校ドナルド・レイノルズ・ジャーナリズム学部学部長

ミンナ・アスラマ・ホロヴィッツ(Minna Aslama Horowitz)(第12章)
セント・ジョーンズ大学マスコミュニケーション学部准教授

コリン・シュヴァイツァー(Corinne Schweizer)(第13章)
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス メディア・コミュニケーション学部特別研究員

目次

はじめに   編者一同

  第Ⅰ部 メディアの公共性を問い直す
 
第1章 公共放送とは何か
 山腰修三
 1 放送の公共性とその制度化 / 2 公共放送の社会的機能 / 3 岐
 路に立つ公共放送 / 4 メディアの公共性の可能性

第2章  「公共サービスとしての放送」の限界と可能性
―― BBCの現代的意義
 中村美子
 1 はじめに ―― 放送の始まりと公共放送の誕生 / 2 公共放送モデ
 ルとしてのイギリスBBC / 3 市場原理の導入と公共サービス放送の
 縮小 / 4 公共放送の転換 / 5 公共サービスとしてのBBCの限界 /
 6 公共サービスとしての放送の可能性 ―― BBCの現代的意義

第3章 メディアの公共性をめぐる制度と法
 鈴木秀美
 1 メディア法制における公共性 / 2 放送法制の概要 / 3 放送の
 自由と規制 / 4 NHKの公共性

第4章 メディアと公共性
 大石 裕
 1 はじめに ―― メディアと民主主義 / 2 公共圏としてのメディ
 ア / 3 メディアの公共性 / 4 公共サービス放送 / 5 公共サー
 ビスメディア / 6 結び ―― 公共性と共同性

  第Ⅱ部 公共サービスメディア論の視点

第5章 ヨーロッパの公共放送の現状と課題
 中村美子
 1 公共放送から公共サービスメディアへ / 2 圧力にさらされる公共
 放送 / 3 PSMの六つの価値 / 4 EBU Vision 2020の提言 / 5 ヨ
 ーロッパPSMの課題

第6章 デジタル化と今後の公共放送
 タイスト・フヤネン
 1 はじめに / 2 公共放送から公共サービスメディアへ ―― 批判的
 考察の必要性 / 3 放送と電子メディアとしてのラジオとテレビ /
 4 メディア横断志向のユーザーと放送メディア / 5 おわりに

第7章 グローバル市場における公共メディアの役割とその価値
 タニヤ・マイヤーホーファー
 1 はじめに / 2 国内における公共サービスメディアの「市場主義
 化」 / 3 国境を越えた空間における公共サービスメディアの「市場
 主義化」 / 4 越境ネットワークの「市場主義化」 / 5 越境型のPS
 Mの制度化 / 6 PSM間の連携のダイナミクス / 7 おわりに

第8章 公共サービスメディアの理念と商業化
―― BBCワールドワイドと英米系コンテンツの市場支配
 ヒルデ・ヴァン・デン・ブルック、カレン・ドンダース
 1 はじめに / 2 視聴覚コンテンツの流通・文化帝国主義、文化的近
 接性 / 3 PSMの理念と国内制作番組 vs. 海外購入番組 / 4 コンテ
 ンツ流通市場とBBCワールドワイド / 5 おわりに
  
  第Ⅲ部 メディアの公共性と公共放送のゆくえ

第9章 新興国と公共放送 ―― タイ公共放送の成立をめぐって
 パラポン・ロドライドォ
 1 はじめに / 2 タイPBSの目的と組織運営 / 3 タイPBSの基盤と
 市民参加モデル / 4 タイPBSモデルの運営と成功 / 5 「公共メデ
 ィア友の会」の拡大 / 6 「TV Jor Nuer」の経験 / 7 市民意識と
 「TV Jor Nuer」 / 8 おわりに

 解題(中村美子)

第10章 グローバル社会における公共メディアと災害報道
 田中孝宜
 1 はじめに / 2 NHKと災害報道 / 3 内なるグローバル化と災害
 報道 / 4 グローバル化で変わる公共放送 / 5 境界を越える公共放
 送

第11章 米国における非営利メディアの生態系
―― 公共放送への挑戦
 アラン・G・スタヴィツキー
 1 はじめに / 2 デジタル環境の変化 / 3 デジタルメディアによ
 る地元ニュースの役割 / 4 デジタル・ニュース・メディアの国際報
 道 / 5 デジタルメディアの調査報道 / 6 共通のコンテンツと共通
 の価値観 / 7 デジタルメディアは公共メディアにどのような影響を
 及ぼすのか / 8 おわりに

COLUMN アメリカにおける「公共放送」と新興の「非営利ネットメディア」(田中孝宜)

第12章 公共サービスメディアと人権
 ミンナ・アスラマ・ホロヴィッツ
 1 はじめに ―― PSMの存在意義 / 2 国民国家の文脈 ―― PSMを
 正当化するいくつかの議論 / 3 人権に基づくアプローチのグローバ
 ルな文脈 / 4 人権に基づくPSMのあり方 ―― ヨーロッパの事例 /
 5 グローバルな次元でのPSMの存在意義 ―― ユートピアか、一つの
 可能性か

第13章 コモンズとしての公共サービスメディア
 コリン・シュヴァイツァー
 1 公共サービスメディアからコモンズへ / 2 コモンズという概
 念 / 3 PSMとコモンズの関連性 / 4 コモンズとしてのPSMを
 検証する枠組み


索 引
掲載論文原題一覧


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。