中央大学人文科学研究所翻訳叢書16
死にたる民を呼び覚ませ 下巻
価格:6,160円 (消費税:560円)
ISBN978-4-8057-5415-3 C3398
奥付の初版発行年月:2016年03月 / 発売日:2016年03月下旬
19世紀初頭から20世紀初頭にかけてのアメリカ文学は、奴隷制および人種差別と切り離して語ることはできない。いや、「人種」こそ、アメリカ文学史の原動力だ。こう論じて、アメリカ文学における黒人文化の役割を解析した画期的な研究書。上巻で論じたナット・ターナー、フレデリック・ダグラス、ハーマン・メルヴィル、マーク・トウェインらに続いて、下巻では、チャールズ・チェスナットとW・E・B・デュボイスを中心に、政治、宗教、民話、音楽、民族舞踊にまでおよんで、叛乱と抵抗の言語を操縦したアフリカ系アメリカ文学・文化の存在感を力説する。
目次
〈主要目次〉
第二部 カラー・ライン
第四章 チャールズ・チェスナットのケークウォークス
ケークウォークの起源
ことばの影法師と交互に変化する音―民話、方言、そして黒人(ヴァナ)日常(キュ)言語(ラー)
アンクル・リーマス、アンクル・ジュリアス、そして《ニュー・ニグロ》
「あの懐かしき時代」、奴隷文化、そしてアフリカ《おしゃべり骸骨》―呪術と物語術
白い喪服―カラー・ラインの病理学サンドミンゴとその愛国者たち
融合(フュージョン)―「伝統の真髄」
ひとりの偉大なる黒人と人形
第三部 W・E・B・デュボイス
―アフリカ系のアメリカと文化の王国
第五章 スィング・ロー―「黒人のたましい」
文化の王国で
「この素晴らしき隷従の音楽」
きらめく輝き―音楽とテクスト
黒き、名も知れぬ吟唱詩人たち―「哀しみ(ソロー・)の(ソン) 歌(グス)」論
第六章 アフリカの呪縛
カラー・ラインは世界を取り巻く
「エチオピアにその手を神のもとに差し延べよ」 ―《汎アフリカ主義》に向かって
アフリカ―隠れた自己と民族主義の野外劇(ページェント)
黒人女性の重荷
≪黒いキリスト≫と預言者たち