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20世紀東アジアの経済発展“世界の工場”への道

“世界の工場”への道 20世紀東アジアの経済発展

堀 和生:編, 萩原 充:編
A5判 466ページ
価格:5,720円 (消費税:520円)
ISBN978-4-8140-0218-4 C3033
奥付の初版発行年月:2019年05月 / 発売日:2019年05月中旬
発行:京都大学学術出版会  
発売:京都大学学術出版会
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内容紹介

20世紀の世界経済において、最も大きな変化の一つは東アジアの経済的な台頭である。かつて「遅れ」や停滞と捉えられたこの地域は、欧米が経験しなかった高度成長によって今では世界工業の中心地となった。この経済のダイナミズムは、1世紀に及ぶ歴史の到達点であることを見逃してはならない。対立的に扱われてきた日本と中国を同じ舞台に乗せることで見えた、中国・日本・韓国・台湾等の単なる「束」ではない東アジア地域。その構造的特徴と未来を見通す、経済史待望の一書。

著者プロフィール

堀 和生(ホリ カズオ)

京都大学名誉教授
京都大学大学院文学研究科博士課程。専門は東アジア経済史。主要著作に、『東アジア資本主義史論Ⅰ ―形成・構造・展開』(ミネルヴァ書房、2009年)、『東アジア高度成長の歴史的起源』(編著、京都大学学術出版会、2016年)、などがある。

萩原 充(ハギワラ ミツル)

釧路公立大学経済学部教授
北海道大学大学院経済学研究科博士課程。専門は中国近現代経済史。主要著作に、『中国の経済建設と日中関係 ―対日抗戦への序曲 1927~1937年』(ミネルヴァ書房、2000年)、『近代中国を生きた日系企業』(共編著、大阪大学出版会、2011年)、などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

何故、いま東アジア史か?

第Ⅰ部 東アジア経済発展論の視角
第1章 東アジアの経済発展――日本、台湾、韓国 [堀 和生]
第2章 中国近現代経済史をどう捉えるか [久保 亨]
第3章 東アジア工業化の国際環境と戦後日本 [浅野豊美]
第4章 高度成長下における日本の貿易と総合商社
   [谷ヶ城秀吉]
第5章 日本の高度経済成長と資源政策構想
    ――長期経済計画にみる [小堀 聡]
論評 東アジア経済研究の学術的価値と現代的意義
   [朱 蔭貴(訳:林 彦櫻)]
論評 「小農社会」工業化論の世界史的意義 [秋田 茂]

第Ⅱ部 東アジアと中国の工業化
第6章 中国の一次産品輸出 開港から国共内戦期まで
    [木越義則]
第7章 中国の繊維産業――技術者養成からの視点 [富澤芳亜]
第8章 中国の重工業化――上海市の鉄鋼業を事例として
    [加島 潤]
第9章 中国の化学工業の発展
    ――肥料工業を事例に [峰 毅]
第10章 中国タバコ産業の発展と市場形成(1927~1937年)
    [皇甫秋実]
論評 工業化が持つ意味 [丸川知雄]
論評 中国農業の成長と構造転換 [厳 善平]

第Ⅲ部 戦後東アジア社会経済の再編成と石油産業
第11章 東アジアにおける近代的エネルギー供給構造の特徴
    [堀 和生]
第12章 韓国精油産業の成立とオイルメジャー [林 采成]
第13章 国家と石油開発政策
    ――1950―1970年台湾における中国石油公司を例に
    [洪 紹洋(訳:林 彦櫻)]
第14章 「資源小国」の自給戦略
    ――1930―1950年代の中国石油産業 [萩原 充]
論評 東アジア石油産業史研究の扉を開ける第一歩 [橘川武郎]
論評 戦後石油精製技術と日本賠償 [浅野豊美]

結論と展望
あとがき
索 引


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