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研究の最前線言語研究の諸相

言語研究の諸相 研究の最前線

A5判 304ページ 上製
価格:7,260円 (消費税:660円)
ISBN978-4-8329-6723-6 C3087
奥付の初版発行年月:2010年03月 / 発売日:2010年03月下旬

内容紹介

日本における朝鮮語 学,日本語学の著名な研究者である門脇誠一名誉教授の退職記念として,12人の言語研究者の最新の論考を纏めた論文集。日本語,アイヌ語,朝鮮語,中国語,ウデヘ語という アジア諸言語に加えて,古代ギリシャ語,オランダ語,スペイン語にいたるまで,幅広い言語についての最新の論考を収録した。文献学,記述言語学のような伝統的な研究分野はもちろん,認知言語学,生成文法,文字論,情報論理,言語学史などさまざまな研究内容を含む。各分野の言語研究者はもとより,言語研究の方法に興味を持つ読者にとって極めて有益な論文集である。


目次

 第1部 朝鮮語の研究

第1章 現代朝鮮語の形容詞のクラスに関する予備的考察(浜之上 幸)
 1.はじめに
 2.形容詞の分類の諸相
 3.“美しさ”を表す類語の様相
 4.コーパスにおける検証
 5.おわりに

第2章 文字にかかわる選択:日本語入力とハングル入力(小野芳彦)
 1.はじめに
 2.文字発明(借用)における選択
 3.情報処理と文字表記
 4.キーボードとキー配列
 5.おわりに


 第2部 日本語の研究

第3章 感情表現における日中対照研究:感情の語り方と人称制限の普遍性に着目して(王 安)
 1.はじめに
 2.感情の語り方
 3.「感情の表出」を捉える日中感情表現の共通点と人称制限の普遍性
 4.おわりに

第4章 外的アスペクトと内的アスペクト(加藤重広)
 1.はじめに
 2.限界性の再検討
 3.内的アスペクトに関する問題
 4.外的アスペクトに関する問題
 5.語彙と限界性
 6.反復解釈による派生
 7.おわりに

第5章 漢字字体の変遷と字書記述との関連:観智院本『類聚名義抄』を例に(池田証壽)
 1.はじめに
 2.石塚(1999)による漢字字体の変遷
 3.漢字字書における漢字字体記述
 4.観智院本『類聚名義抄』の字体記述
 5.おわりに

第6章 日本書紀における中国口語漢語起源二字形容詞の訓点(唐 煒?)
 1.はじめに
 2.『日本書紀』訓点資料
 3.二字形容詞の訓点
 4.まとめ


 第3部 他のアジア諸言語の研究

第7章 ウデヘ語音韻論覚え書き:地域類型的観点から(津曲敏郎)
 1.はじめに
 2.口蓋化子音と唇音化子音
 3.母音の量的/質的区別の減少
 4.単音節化の流れ
 5.文法的区別の減少─孤立語化の流れ

第8章 アイヌ語千歳方言の昔話(uwepeker)テキスト「我が子を樹洞に監禁した女の話」とその言語的特徴(佐藤知己)
 1.はじめに
 2.本テキストの言語的特徴
 3.昔話テキスト本文および訳注
 4.おわりに


 第4部 印欧諸言語の研究

第9章 スペイン語における“que”および“el que”を用いる関係節の統語構造(藤田 健)
 1.序論
 2.関係代名詞“que”と“el que”
 3.分析
 4.結論

第10章 オランダ語研究の歴史と言語規範の形成(清水 誠)
 1.はじめに
 2.後期中期オランダ語の時代(1350~1550年頃)
 3.初期新期オランダ語の時代(1550~1650年頃)
 4.新期オランダ語の時代Ⅰ(1650~1800年頃)
 5.新期オランダ語の時代Ⅱ(1800~1880年頃)
 6.新期オランダ語の時代Ⅲ(1880年頃~)

第11章 Ilias, 2.528-530(安西 眞)
 1.ホメロス本文と後代挿入(interpolation)
 2.ギリシアという概念の成立と『イリアス』
 3.Il.2.528-530の削除について
 4.船のカタログ(Il.2.494-759)の導入形式


あとがき
門脇誠一名誉教授主要業績


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