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前近代ロシアと周辺世界北西ユーラシアの歴史空間

スラブ・ユーラシア叢書12
北西ユーラシアの歴史空間 前近代ロシアと周辺世界

小澤 実:編著, 宮野 裕:著, 家島彦一:著, 草生久嗣:著, 橋川裕之:著, 濱本真実:著, 川口琢司:著, 長峰博之:著, 坂恒明:著, 小笠原弘幸:著, 長縄宣博:編著
A5判 並製
価格:3,960円 (消費税:360円)
ISBN978-4-8329-6821-9 C3022
奥付の初版発行年月:2016年04月 / 発売日:2016年04月中旬

内容紹介

前近代ロシア世界を、ロシアないしスラブの枠内ではなく、西アジア・地中海世界、中央ユーラシア、スカンディナヴィアなどの史料を通して論ずる意欲的試み。史料論としての立場から、新しい多様で豊かな北西ユーラシア史像を描き出す。

著者プロフィール

小澤 実(おざわ みのる)

序章・第三章
所  属:立教大学文学部准教授
専門分野:北欧中世史、西洋中世史
主要著作:『辺境のダイナミズム(ヨーロッパの中世三)』岩波書店、二〇〇九年(薩摩秀登・林邦夫と共著)、『アイスランド・グリーンランド・北極を知るための六五章』明石書店、二〇一六年(中丸禎子・高橋美野梨と共編著)

宮野 裕(みやの ゆたか)

第一章
所  属:岐阜聖徳学園大学教育学部准教授
専門分野:中近世ロシア史
主要著作:『「ノヴゴロドの異端者」事件の研究』風行社、二〇〇九年、「一五世紀末ロシアにおけるカトリックの受容と排除」深沢克己編『ユーラシア諸宗教間の受容と排除をめぐる比較史論』勉誠出版、二〇一〇年

家島彦一(やじま ひこいち)

第二章
所  属:東京外国語大学名誉教授
専門分野:イスラーム世界交流史
主要著作:『イスラム世界の成立と国際商業――国際商業ネットワークの変動を中心に』岩波書店、一九九一年、『海域から見た歴史――インド洋と地中海を結ぶ交流史』名古屋大学出版会、二〇〇六年

草生久嗣(くさぶ ひさつぐ)

所  属:大阪市立大学大学院文学研究科准教授
専門分野:ビザンツ帝国史、研究テーマは西洋中世宗教問題、異端学
主要著作:「ビザンツ帝国における宗教的《境界》の生成――正教会異端論駁書を題材に」『歴史学研究』八三三号、二〇〇七年、一八〇―一八八頁、「ビザンツの「民衆的宗教運動」とその「霊性」について――異端メッサリアノイの射程」『クリオ』二二号別冊、二〇〇八年五月、六三―七二頁

橋川裕之(はしかわ ひろゆき)

 第五章
所  属:静岡県立大学国際関係学部講師
専門分野:ビザンツ史・ギリシャ文化史
主要著作:「皇帝権力とテクスト――第二リヨン公会議へのビザンツの反応について」『歴史学研究』九三七号、二〇一五年、「プロコピオス『秘史』 ――翻訳と註(三)」『早稲田大学高等研究所紀要』七号、二〇一五年(共訳)

濱本真実(はまもと まみ)

 第六章
所  属:日本学術振興会
専門分野:中央ユーラシア史
主要著作:『「聖なるロシア」のイスラーム――一七―一八世紀タタール人の正教改宗』東京大学出版会、二〇〇九年、『共生のイスラーム――ロシアの正教徒とムスリム(イスラームを知る)』山川出版社、二〇一一年

川口琢司(かわぐち たくし)

第七章
所  属:藤女子大学文学部講師
専門分野:中央ユーラシア史、テュルク語・ペルシア語文献学
主要著作:『ティムール帝国支配層の研究』北海道大学出版会、二〇〇七年、『ティムール帝国』講談社選書メチエ、二〇一四年

長峰博之(ながみね ひろゆき)

第七章
所  属:北嶺中・高等学校教諭
専門分野:中央ユーラシア史、ジョチ朝諸政権史
主要著作:「「カザク・ハン国」形成史の再考――ジョチ・ウルス左翼から「カザク・ハン国」へ」『東洋学報』九〇巻四号、二〇〇九年、一―二六頁、「カーディル・アリー・ベグの史書について――ジョチ・ウルス継承政権史料の史料的価値とその歴史認識」『イスラム世界』八一号、二〇一四年、一―三一頁

坂恒明(あかさか つねあき)

第八章
所  属:内蒙古大学蒙古学研究中心専職研究員、東海大学・聖学院大学・埼玉学園大学・玉川大学非常勤講師
専門分野:モンゴル帝国史を中心とする内陸ユーラシア史、東方イスラーム史料文献学
主要著作:『ジュチ裔諸政権史の研究』風間書房、二〇〇五年、「モンゴル帝国期におけるアス人の移動について」塚田誠之編『中国国境地域の移動と交流――近現代中国の南と北(人間文化叢書 ユーラシアと日本―交流と表象)』有志舎、二〇一〇年、一四四―一七四頁

小笠原弘幸(おがさわら ひろゆき)

第九章
所  属:九州大学大学院人文科学研究院准教授
専門分野:オスマン帝国史
主要著作:『イスラーム世界における王朝起源論の生成と変容――古典期オスマン帝国の系譜伝承をめぐって』刀水書房、二〇一四年、「歴史教科書に見る近代オスマン帝国の自画像」秋葉淳・橋本伸也編『近代・イスラームの教育社会史―オスマン帝国からの展望』昭和堂、二〇一四年、一六五―一八五頁

長縄宣博(ながなわ のりひろ)

終章
所  属:北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター准教授
専門分野:中央ユーラシア近現代史 ロシアのイスラーム
主要著作:『越境者たちのユーラシア(シリーズ・ユーラシア地域大国論五)』ミネルヴァ書房、二〇一五年(共編)、Volgo-Uralʼskii region v imperskom prostranstve: XVIII-iXX vv.(Moscow: Vostochnaia Literatura, 2011)(共編)

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき
序 章 北西ユーラシア歴史空間の射程…小澤 実
第一部 異文化集団との接触(九世紀から一四世紀)
第一章 《総論》統一国家成立までのロシア…宮野 裕
第二章 アラビア語史料に記録された北西ユーラシア世界…家島彦一
――とくにイブン・ファドラーン『報告書』による――
第三章 キエフ・ルーシ形成期の北西ユーラシア世界とスカンディナヴィア…小澤 実
――ルーン石碑の検討を中心に――
第四章 ロシア/ビザンツ緩衝地帯の蛮族観について…草生久嗣
――一二世紀ビザンツ史書におけるペチェネーグを題材に――
第五章 コンスタンティノープルのストゥディオス修道院とルーシの修道士…橋川裕之
――正教文化の伝播について――
第二部 チンギス裔とオスマン朝からの視線(一五世紀から一七世紀)
第六章 《総論》「ロシア帝国」への道のり…濱本真実
第七章 一五世紀ジョチ朝とモスクワの相互認識…川口琢司・長峰博之
――ロシア語訳テュルク語文書を中心に――
第八章 ペルシア語・チャガタイ語諸史料に見えるモンゴル王統系譜とロシア…赤坂恒明
第九章 オスマン朝におけるヨーロッパ認識の伝統と革新…小笠原弘幸
――一七世紀中葉以前の北西ユーラシア観を中心に――
終 章 ロシア近現代史の視点から…長縄宣博
人名索引  
事項索引


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