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初版 フランス児童文学のファンタジー

初版 阪大リーブル40
フランス児童文学のファンタジー

四六判 330ページ 並製
価格:2,420円 (消費税:220円)
ISBN978-4-87259-322-8 C1397
奥付の初版発行年月:2012年12月 / 発売日:2012年12月下旬

内容紹介

フランスの昔話,民衆本,妖精物語などからまだ
日本に知られていない話を初めて翻訳して紹介す
る.「ふたりのこぶ男」「ジャック爺さん」「エモン
の4人の息子」やドーノア夫人,セギュール夫人,
ショヴォーらの作品.大人も魅了する不思議な世
界,見えない世界をフランス人特有の感性と手法
で現出させる楽しい話.34話収録.フランスの絵
本作家、ジャクリーヌ・デュエムさんのカバーが美
しい.


目次

まえがき

第一章 昔話
はじめに 石澤小枝子

■「灰かぶりのマリ — 灰は身を隠す
■ふたりのこぶ男 —「こぶ取爺」との類似と相違
■白い雌鹿 —「昔話」と「創作」① ドーノワ夫人「森の雌鹿」を例に
■赤ずきん —「昔話」と「創作」② ペロー「赤ずきん」を例に
■ジャック爺さん —「昔話」の力
■ジャンとジャネット — 賢い子どもと愚かな人食い鬼
■半分のにわとり — おおらかな想像力の楽しみ
■悪魔のしっぽ — 何が悪魔に打ち勝ったか

第二章 民衆が好んだ伝説
はじめに 高岡厚子

■メリュジーヌ伝説 — 禁忌を破ると災いを招く(高岡)
■エモンの四人の息子 — 胸躍る騎士物語(石澤)
■恐れを知らぬリシャール公 — 勇名とどろく領主の話(竹田)

第三章 妖精物語の流行
はじめに 竹田順子

1 シャルル・ペロー(石澤)
■ロバの皮 — ロバの皮とはなんだろう
■眠れる森の美女 — 王子のお母さんは人食い鬼!
■妖精たち — ペローの巧みさ

2 レリチエ嬢(竹田)
■ 雄弁の魅力あるいは優しさの効果— 相手を思いやる言葉は、口からこぼれ出る宝石
■ 利口なプリンセスあるいはフィネットの恋愛 — 頼りになるのは自分だけ
■リクダン・リクドン — 奇妙な名前を思い出さなくては!

3 ドーノワ夫人(高岡)
■白い猫 — 猫の頭としっぽを切って幸せをつかんだ王子さま
■黄色い小人 — エピナル版画を読む

4 ベルナール嬢(竹田)
■とさかあたまのリケ — どちらが夫で、どちらが恋人?

5 ド・ラ・フォルス嬢(高岡)
■ペルシネット — グリム「ラプンツェル」の原話

6 シュヴァリエ・ド・マイイ(石澤)
■魔法王 — 魔法と妖精の力、どっちが強い?

7 『フェヌロン(竹田)
■フロリーズの話 — 不幸でもとびきりの美人になりたいか
■アルファルート王とカリフィールの話 — 人の心は目に見えるのか

8 ルプランス・ド・ボーモン夫人(石澤)美女と野獣 — これは異類婚姻譚ではない


第四章 「妖精物語」以降のファンタジー
はじめに 石澤小枝子

1 セギュール夫人(竹田)
■小さな灰色のネズミ — 妖精物語の名残

2 ジョルジュ・サンド(石澤)
■少女ファデット —花開く乙女、愛の妖精

3 アルフォンス・ドーデ(石澤)
■星 —プロヴァンスのある羊飼いの話

4 アナトール・フランス(石澤)
■聖母の軽業師 —汗を拭い給いしマリア

5 レオポルド・ショヴォー(石澤)
■子どもを食べた大きな木の話 —子どもの想像力

6 マルセル・エメ(高岡)
■オオカミ —「赤ずきん」のオオカミは生きていた

7 アンリ・ボスコ(石澤)
■少年と川 — パスカレ少年の物語

8 サン=テグジュペリ(石澤)
■星の王子さま —CD版を聴く

9 ピエール・グリパリ(竹田)
■蛇口の妖精 — 現代のパリに現われた妖精


あとがき
参考文献


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