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ビルマ古典歌謡におけるジャンル形成

ビルマ古典歌謡におけるジャンル形成

A5判 388ページ 上製
価格:7,040円 (消費税:640円)
ISBN978-4-87259-380-8 C3073
奥付の初版発行年月:2011年02月 / 発売日:2011年02月下旬

内容紹介

ビルマの古典歌謡について,膨大な貝葉を丹念に調査し,作品創作の技法とプロセスを分析することにより,ジャンル形成過程を明らかにする.
とくに,弦歌では「替え歌」を意味する「アライッ」を多く創作した一方で,パッピョー歌謡では新しい調律方法を用いたオリジナルな創作を多く行ったウー・サに注目し,その創作活動がジャンル分化の端緒となったことを明示する.

第7回井植記念・アジア太平洋研究賞受賞論文.


目次

序章 問題の所在

第1 節 本書の目的
第2 節 先行研究
(1 )歌謡と文学研究  
(2 )政治分析と歌謡  
(3 )歌謡の音楽分析  
第3 節 資 料
( 1 )歌謡集  
( 2 )録音資料  
( 3 )楽譜 
第4 節 本書の構成


第1 章 歌謡集編集と歌謡ジャンル区分
はじめに
第1 節 大歌謡の定義
( 1 )「古典」としての大歌謡 
( 2 )大歌謡の時代の終わり  
第2 節 歌謡の掲載された貝葉と折り畳み写本
( 1 )現存する貝葉と折り畳み写本 
( 2 )貝葉の原本年と写本年  
第3 節 貝葉における歌謡集の構成
( 1 )『モンユエー僧正の古い楽曲集』 
( 2 )『37 精霊の歌』 
( 3 )『ウー・サの文集と歌謡集』  
( 4 )『歌謡題名数の御記録』  
( 5 )『マハーギータの大地』  
( 6 )『全歌謡作品集成』  
( 7 )『大歌謡の記録』  
第4 節 歌謡集刊本
( 1 )歌謡集刊本  
( 2 )歌謡集刊本の構成  
小 括

第2 章 調律種と歌謡ジャンル

はじめに
第1 節 調律種と二つの型
( 1 ) 四つの調律種
2 ) 調律種における二つの型 
第2 節 調律種の多様化とウー・サ
( 1 )ウー・サの時代における竪琴の弦の増数 
( 2 )ウー・サの時代におけるアユタヤ音楽の取り込み 
第3 節 調律種と歌謡ジャンル
第4 節 ジャンルの指標と「境界ジャンル」作品
( 1 )弦歌、編み歌、承前歌の区分の指標 
( 2 )異なる調律種間の 「境界ジャンル」作品  
( 3 )パレー調律種で演奏されるパッピョー作品  
小 括

第3 章 創作技法と歌謡ジャンル
はじめに
第1 節 弦歌の創作技法
( 1 )題名の借用、引用による創作  
( 2 )「アライッ」─ 既存の旋律の利用─   
( 3 )元歌と「アライッ」の関係 
( 4 )「歌」から「弦歌(チョー)」というジャンルへ 
( 5 )旋律の類型としての口唱歌  
( 6 )旋律の一部を共有している例  
( 7 )弦歌の作者 
第2 節 パッピョーの創作技法
( 1)パッピョー作品間の「アライッ」  
( 2 )他の歌謡ジャンルからの引用、部分的な「アライッ」 
小 括

第4 章 ウー・サの創作におけるジャンル概念
はじめに
第1 節 『題名数』( 1870)における
     ジャンル区分とウー・サの作品
第2 節 『ウー・サ』( 1849)におけるジャンル名のある作品
( 1 )承前歌  
( 2 )編み歌  
( 3 )弦歌  
( 4 )精霊歌  
( 5 )テインガー氏歌謡  
( 6 )デイン歌謡  
( 7 )季節詩  
( 8 )四音朗詠詩  
第3 節 『ウー・サ』(1849)におけるジャンル名のない作品
( 1 )パッピョー  
( 2 )四穴音付着歌  
( 3)タライン族歌謡(モン族歌謡)  
( 4 )ヨーダヤー歌謡  
( 5 )馬術弦歌  
第4 節 ウー・サの創作におけるジャンル概念
小 括

第5 章 歌謡ジャンル形成─ 「タンザン(新奇な音)」からジャンルへ 
はじめに
第1 節 「パッピョー」の作者の年代
第2 節 「パッピョー」の編集
( 1 )『題名数』における
   「パッピョー」のその後の編集  
( 2 )『題名数』と他の写本での
   ジャンル区分が一致していない作品  
( 3 )ウー・サ以外の作者による作品  
( 4 )ウー・サの作品として伝えられている作品 
第3 節 「パッピョー」という分類
( 1 )「パッピョー」という呼称と初期の作品  
( 2)終結部の韻詩─ 主音回帰詩─   
小 括

終章 結 論
付表・付録─
あとがき─
参考文献─
索   引─
  


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