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馬建忠の中国近代

馬建忠の中国近代

A5判 358ページ
価格:6,050円 (消費税:550円)
ISBN978-4-87698-729-0 C3022
奥付の初版発行年月:2007年11月

内容紹介

「まちがって中国に生まれてきた」と評された男,馬建忠.季鴻章の幕下で,西洋・日本とわたりあった外交官にして,いち早く西洋近代経済の重要性を説いた企業家.ヨーロッパと中国のはざまに揺れたその悲劇的生涯を通じて,激動の清末史に新たな光を照射する. 彼の外交官養成論・朝鮮紀行・経済論もあわせて訳出.

著者プロフィール

岡本 隆司(オカモト タカシ)

1965年、京都市に生まれる。1993年、宮崎大学教育学部講師、宮崎大学教育文化学部助教授をへて、現在、京都府立大学文学部准教授。
著書 『近代中国と海関』(第16回大平正芳記念賞受賞、名古屋大学出版会、1999年)、『属国と自主のあいだ——近代清韓関係と東アジアの命運』(第27回サントリー学芸賞受賞、名古屋大学出版会、2004年)

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

プロローグ

第Ⅰ部 フランス留学と在外公館

第一章 フランスへの留学
  一 生い立ち
  二 旅立ち
  三 ヨーロッパにて
第二章 馬建忠の役割
  一 郭嵩燾・曾紀澤の論評
  二 一八七八年、李鴻章への書翰
  三 曾紀澤の「出使日記」
第三章 在外公館に関する意見書
  一 「パリにて友人にこたえる書翰」(翻訳)
  二 「マルセイユにて友人にこたえる書翰」(翻訳)
第四章 馬建忠と在外公館
  一 「出使」と人材
  二 公使館の危機感
  三 馬建忠の意図と在外公館

第Ⅱ部 馬建忠と清末外交

第一章 李鴻章の幕下にて
  一 帰国と「洋務」
  二 旅順視察
  三 インド紀行
  四 朝鮮の条約交渉
  五 朝鮮奉使
第二章 「東行三録」
  一 壬午変乱の勃発と朝鮮行——一八八二年七月三〇日より八月一一日(翻訳)
  二 日・朝との交渉——八月一二日より一六日(翻訳)
  三 清軍の到着——八月一七日より二五日(翻訳)
  四 大院君拉致と済物浦条約——八月二六日より三〇日(翻訳)
  五 復命と帰還——八月三一日より九月五日(翻訳)
第三章 清末外交の転換
  一 壬午変乱と馬建忠
  二 ひろがる「屬邦」問題
  三 馬建忠と対仏交渉
   (1)ブーレ交渉
   (2)フルニエ交渉
  四 名声と悪評と

第Ⅲ部 馬建忠と清末経済

第一章 企業経営の時代
  一 輪船招商局
   (1)馬建忠の位置
   (2)盛宣懷と馬建忠
   (3)モース、沈能虎と馬建忠
  二 国立銀行の設立構想
   (1)前史
   (2)銀行設立構想の特徴と挫折
第二章 「富民説」(翻訳)
第三章 経済思想
  一 「富民説」と馬建忠の進退
   (1)「富民説」の位置
   (2)挫折と失脚
  二 「富民説」の構成とその由来
  三 「富民説」の課題
   (1)借款問題
   (2)会社組織
   (3)富・強の論理

エピローグ


引用文献目録
索引


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