2005年7月、大学出版部協会が「有限責任中間法人」として発足し、事務局を文京区湯島の一角に開設してほぼ9ヶ月が経過した。
今回お届けする「大学出版」の特集は『「大学出版部」がめざすもの−大学出版部協会「法人化」後の可能性」』であり、法人化に特化した特集である。執筆段階では「理想論」であり「願望」に過ぎなかった「法人化の可能性」の幾つかは、本誌の刊行が遅れている間に現実のものとなり、協会運動の大きな柱となりつつある。
その中でも最も顕著な動きを示しているのが、大学出版部新設の全国的な動向である。多くの大学はまだ設立検討の段階であるが、国・公立大学7校、私立大学4校の全国11の大学から大学出版部設立の可能性・方法論に関する問い合わせが寄せられている。
その中でも状況が先行しているのは、武蔵野大学と富山大学の2校である。学校法人武蔵野女子学院が母体となり、2005年4月に株式会社として武蔵野大学出版会は設立され、2006年5月には大学出版部協会の新規加盟申請手続きを進めている。また2006年1月には富山大学出版会が有限責任中間法人として発足し、2007年度の協会加盟を目指している。
新設大学出版部の動向
大学出版部連絡会
大学出版部協会と交流を持ちながらも協会未加盟校である弘前大学出版会、東京学芸大学出版会、埼玉大学出版会の3大学出版会が、「大学出版部連絡会」を立ち上げた。協会からは顧問の渡邊勲、事務局長三浦義博の両名が、大学出版部連絡会顧問として参加している。2006年3月24日には「第一回大学出版部連絡会」の会合が、大学出版部連絡会の3大学に上記11大学の中から4大学が参加して湯島の協会事務局で開催される。
大学出版部連絡会においては会則や会費などの「しばり」を設けず、誰でも参加できる緩やかな連合体として位置付け、相互の情報・意見交換、個々の疑問や課題などを持ち寄りながら、年に2、3回の会合を開催して「大学出版部設立のための準備」を行うことを目的としている。
大学出版部協会の求心力
2004年度の国立大学の法人化を契機として、国・公立大学の出版部設立の動向が活発化することは予測されていたが、「有限責任中間法人大学出版部協会」の設立が、大学出版部連絡会や新設の大学出版部にとって大きな求心力となっているのであろう。
2年〜3年後には、大学出版部協会の加盟校は35を越えることが予想される。
大学出版という魅力に満ちた世界の扉を開けようとしている多くの大学に対して、「有限責任中間法人大学出版部協会」はどこまで責任ある対応ができるか、法人化したわれわれの課題は大きい。
新設大学出版部の動向
2005年7月、大学出版部協会が「有限責任中間法人」として発足し、事務局を文京区湯島の一角に開設してほぼ9ヶ月が経過した。
今回お届けする「大学出版」の特集は『「大学出版部」がめざすもの−大学出版部協会「法人化」後の可能性」』であり、法人化に特化した特集である。執筆段階では「理想論」であり「願望」に過ぎなかった「法人化の可能性」の幾つかは、本誌の刊行が遅れている間に現実のものとなり、協会運動の大きな柱となりつつある。
その中でも最も顕著な動きを示しているのが、大学出版部新設の全国的な動向である。多くの大学はまだ設立検討の段階であるが、国・公立大学7校、私立大学4校の全国11の大学から大学出版部設立の可能性・方法論に関する問い合わせが寄せられている。
その中でも状況が先行しているのは、武蔵野大学と富山大学の2校である。学校法人武蔵野女子学院が母体となり、2005年4月に株式会社として武蔵野大学出版会は設立され、2006年5月には大学出版部協会の新規加盟申請手続きを進めている。また2006年1月には富山大学出版会が有限責任中間法人として発足し、2007年度の協会加盟を目指している。
大学出版部連絡会
大学出版部協会と交流を持ちながらも協会未加盟校である弘前大学出版会、東京学芸大学出版会、埼玉大学出版会の3大学出版会が、「大学出版部連絡会」を立ち上げた。協会からは顧問の渡邊勲、事務局長三浦義博の両名が、大学出版部連絡会顧問として参加している。2006年3月24日には「第一回大学出版部連絡会」の会合が、大学出版部連絡会の3大学に上記11大学の中から4大学が参加して湯島の協会事務局で開催される。
大学出版部連絡会においては会則や会費などの「しばり」を設けず、誰でも参加できる緩やかな連合体として位置付け、相互の情報・意見交換、個々の疑問や課題などを持ち寄りながら、年に2、3回の会合を開催して「大学出版部設立のための準備」を行うことを目的としている。
大学出版部協会の求心力
2004年度の国立大学の法人化を契機として、国・公立大学の出版部設立の動向が活発化することは予測されていたが、「有限責任中間法人大学出版部協会」の設立が、大学出版部連絡会や新設の大学出版部にとって大きな求心力となっているのであろう。
2年〜3年後には、大学出版部協会の加盟校は35を越えることが予想される。
大学出版という魅力に満ちた世界の扉を開けようとしている多くの大学に対して、「有限責任中間法人大学出版部協会」はどこまで責任ある対応ができるか、法人化したわれわれの課題は大きい。