刻された書と石の記憶 (武蔵野大学出版会刊)
価格●2,200円 (消費税 200円)
ISBN978-4-903281-20-9 C1076
A5判 / 0ページ / 並製
奥付の発行年月●2012年01月
発売日●2012年01月中旬
公園、史跡などのそこかしこにある石碑に、あなたはどのくらい注意を払って
いるだろうか? 待ち合わせの目印、毎朝のウォーキングの距離の目標、台座に
腰掛けて弁当を食べる場所……、こんな程度にしか思われていない石碑も多いこ
とだろう。
いつでもそこにある石のカタマリでしかなかった石碑。そんな石碑が、実は奥
深い面白さを抱えていることを、本書は気づかせてくれる。
石碑を見るときの着目ポイントは、碑の形式、そこに書かれた碑文の書と内容、
書を石の面に再現する刻、刻の味を決める石の素材などである。本書では武蔵野
にある3つの異なるタイプの碑を例にとる。それらは国木田独歩、太宰治にもゆか
りがあり、石碑調査は武蔵野文学散歩の趣から始まる。
しかし、舟雲という号を持つ書家であり、書道・書道史の研究者でもある著者
の石碑探求は単なる文学散歩では終わらない。拓本を採り、碑の形式、揮毫、刻
のルーツを分析する。畳1畳大の採拓をものともせず、石切場まで車を駆る一方で、
拓本の1文字ずつの筆法を分析する。石のカタマリにここまで情熱を注ぐ著者に、
読者は圧倒されるだろう。そして、気がつくと自らも石のカタマリをおもしろい
と思い始めている。本書の豊富な写真、図版もぜひ楽しんでいただきたい。
いるだろうか? 待ち合わせの目印、毎朝のウォーキングの距離の目標、台座に
腰掛けて弁当を食べる場所……、こんな程度にしか思われていない石碑も多いこ
とだろう。
いつでもそこにある石のカタマリでしかなかった石碑。そんな石碑が、実は奥
深い面白さを抱えていることを、本書は気づかせてくれる。
石碑を見るときの着目ポイントは、碑の形式、そこに書かれた碑文の書と内容、
書を石の面に再現する刻、刻の味を決める石の素材などである。本書では武蔵野
にある3つの異なるタイプの碑を例にとる。それらは国木田独歩、太宰治にもゆか
りがあり、石碑調査は武蔵野文学散歩の趣から始まる。
しかし、舟雲という号を持つ書家であり、書道・書道史の研究者でもある著者
の石碑探求は単なる文学散歩では終わらない。拓本を採り、碑の形式、揮毫、刻
のルーツを分析する。畳1畳大の採拓をものともせず、石切場まで車を駆る一方で、
拓本の1文字ずつの筆法を分析する。石のカタマリにここまで情熱を注ぐ著者に、
読者は圧倒されるだろう。そして、気がつくと自らも石のカタマリをおもしろい
と思い始めている。本書の豊富な写真、図版もぜひ楽しんでいただきたい。