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障害者旅行のパイオニアである石坂直行氏が『ヨーロッパ車いすひとり旅』を
出版してからおよそ40年を経ている。現在のように障害者が自由に旅行できるよ
うになるまでに、こんなに長い歳月が必要だったのはなぜか?
1970年代にはじまった「外へ出たい」「旅に出たい」という障害者の思いが、
1980年代には「完全参加と平等」のかけ声のもとボランティア有志の尽力もあり
障害者の団体旅行として実現していった。
1990年代後半になるとバリアフリー概念が一般に浸透しさまざまな法律の制定
によって、旅行する際に重要な移動や宿泊が格段に改善され、近年はかなりの観
光地が「行きたいところに行ける」状態にまでなっている。しかしバリアフリー、
ユニバーサルデザインといった用語があたりまえとなった今日新たな論理による
排除が出現してきた。2006年10月の障害者自立支援法の施行は「応能負担から応
益負担へ」「障害の種類別の法律をあらゆる障害についてこの法律で対応する」等、
当事者の収入ではなく受けたサービスに応じ、支払い負担を一律一割にするという
応益負担は障害者に経済的排除という問題を引きおこしている。
21世紀の「観光」を研究する上で重要なテーマを社会学のアプローチから分析
する一書となっている。
出版してからおよそ40年を経ている。現在のように障害者が自由に旅行できるよ
うになるまでに、こんなに長い歳月が必要だったのはなぜか?
1970年代にはじまった「外へ出たい」「旅に出たい」という障害者の思いが、
1980年代には「完全参加と平等」のかけ声のもとボランティア有志の尽力もあり
障害者の団体旅行として実現していった。
1990年代後半になるとバリアフリー概念が一般に浸透しさまざまな法律の制定
によって、旅行する際に重要な移動や宿泊が格段に改善され、近年はかなりの観
光地が「行きたいところに行ける」状態にまでなっている。しかしバリアフリー、
ユニバーサルデザインといった用語があたりまえとなった今日新たな論理による
排除が出現してきた。2006年10月の障害者自立支援法の施行は「応能負担から応
益負担へ」「障害の種類別の法律をあらゆる障害についてこの法律で対応する」等、
当事者の収入ではなく受けたサービスに応じ、支払い負担を一律一割にするという
応益負担は障害者に経済的排除という問題を引きおこしている。
21世紀の「観光」を研究する上で重要なテーマを社会学のアプローチから分析
する一書となっている。