成田彦栄氏考古・アイヌ民族資料図録 (弘前大学出版会刊)
価格●3,080円 (消費税 280円)
ISBN978-4-902774-64-1 C3672
A4判 / 150ページ / 並製
奥付の発行年月●2010年09月
「ふと目にした写真から、自分の中に眠っていた興味に気付いた。」そんな経験をみなさんはお持ちでしょうか?
本書には、青森県の医師・成田彦栄氏が収集していた土器や土偶など、縄文時代晩期に東北地方で華開いた亀ヶ岡文化の遺物の写真を数百点掲載しています。成田氏の収集品は、数点の著名な遺物が展示会などで紹介されただけにとどまっていたため、長い間「幻のコレクション」とされていましたが、平成21年度にご遺族から弘前大学に寄贈されてからは、多数の考古資料が弘前大学人文学部附属亀ヶ岡文化研究センターで一般公開されています。
本書はその掲載資料について詳細に解説をしており、考古学に興味を持っている方は勿論、原始美術や工芸に関心のある方にお薦めする縄文文化の専門書です。しかし、書籍の大半は特徴的な写真やそれらの拓本で占められているため、難しい専門的知識を持っていなくとも、眺めるだけで縄文文化を楽しめる内容になっています。ひょっとしたら、その多くの写真のなかに心を揺さぶられるような1点を見つけられるかもしれません。
「今まで全く興味は無かったけれど、実は考古学って結構おもしろいのかも?」と思わせてくれる、そんな一冊ではないでしょうか。本書を手に取ってみることで『自分の知らなかった一面を見つけた時のちょっとした嬉しさ』を感じてもらうことができましたら幸いです。