死刑選択基準の研究 (関西大学出版部刊)
価格●3,080円 (消費税 280円)
ISBN978-4-87354-499-1 C3032
B7 / 274ページ / 上製
奥付の発行年月●2010年09月
発売日●2010年09月上旬
どのような場合に死刑を選択し、どのような場合に死刑選択を回避すべきか?
2009年5月に裁判員裁判が始まり、法律の専門家ではない市民にとっても、「死刑選択基準」が重要な関心となってきた。
本書は、1983年の永山事件第一次上告審判決以後、2008年末に至るまでの判決を分析の対象とする。死刑選択が問題となった事件は、最高裁において永山事件第一次上告審判決以後に確定した死刑判決だけでも120件を超える。
本書では、まず永山事件第一次上告審判決に至るまでの「死刑選択基準」を概観し、次に「死刑選択基準」を浮き彫りにした三つの事件(群)、すなわち、
(1) 控訴審でなされた無期懲役の判断に対して、「死刑選択基準」に関する判例違反を主張して、検察官よりなされた上告五事件、
(2) 犯行当時少年であった被告人が4人を殺害した市川事件、
(3) 犯行当時少年であった被告人が母子を殺害した光市事件
の判決及び決定について詳しく論じる。その結果、光市事件第一次上告審を除けば、「死刑選択基準」に変化はみられないことが明らかとなる。最後に、裁判員裁判における「死刑選択基準」の行方にも言及している。
なお、巻末に、最高裁において永山事件第一次上告審判決以降に確定した死刑判決等の資料も収められている。
(関西大学出版部・藤原有和)
2009年5月に裁判員裁判が始まり、法律の専門家ではない市民にとっても、「死刑選択基準」が重要な関心となってきた。
本書は、1983年の永山事件第一次上告審判決以後、2008年末に至るまでの判決を分析の対象とする。死刑選択が問題となった事件は、最高裁において永山事件第一次上告審判決以後に確定した死刑判決だけでも120件を超える。
本書では、まず永山事件第一次上告審判決に至るまでの「死刑選択基準」を概観し、次に「死刑選択基準」を浮き彫りにした三つの事件(群)、すなわち、
(1) 控訴審でなされた無期懲役の判断に対して、「死刑選択基準」に関する判例違反を主張して、検察官よりなされた上告五事件、
(2) 犯行当時少年であった被告人が4人を殺害した市川事件、
(3) 犯行当時少年であった被告人が母子を殺害した光市事件
の判決及び決定について詳しく論じる。その結果、光市事件第一次上告審を除けば、「死刑選択基準」に変化はみられないことが明らかとなる。最後に、裁判員裁判における「死刑選択基準」の行方にも言及している。
なお、巻末に、最高裁において永山事件第一次上告審判決以降に確定した死刑判決等の資料も収められている。
(関西大学出版部・藤原有和)