大学出版部協会

 

国境に立って、感じて、撮ったボーダーツーリズムの記録 1997-2022

ボーダーツーリズムの記録 1997-2022 国境に立って、感じて、撮った

B5判 224ページ 並製
価格:5,720円 (消費税:520円)
ISBN978-4-8329-3417-7 C0072
奥付の初版発行年月:2023年03月 / 発売日:2023年03月上旬

内容紹介

旅にはストーリーが必要である。そこでこの写真集では,斉藤さんが暮らす稚内,つまり日本の最北端の境界地域を起点に,ユーラシアの陸と海をぐるっと廻り,稚内へと戻るツアーを表現することにした。すなわち,稚内から国境を越えてサハリンへ,サハリンを縦走し,ロシア本土に。そこからユーラシア最北の地域をめぐり,中露国境を越える。中国の境界域をめぐり,南へ。ベトナム,台湾,韓国,パラオから日本の境界域を見る。最後は太平洋からオホーツク海に戻り,千島列島を経て,稚内へ。この旅の醍醐味は,ボーダーのもつグラデーションを存分に味わえることだろう。風景は変わらないのに,暮らす人びとが国境を越えて突然変わる。つまり,同じ自然の中にさまざまな文化が見える。また人は変わらないのに,風景が大きく違う。あるときは青,あるときは赤,そして白や黒。写真でしか表現できないコントラストは,読者をボーダーツーリズムのもつ多様な色彩の世界に導くに違いない。
(「刊行によせて」より/北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授・岩下明裕)

*   *   *

日本の最北端の境界地域・稚内を起点に,ユーラシアの陸と海をまわって稚内へと戻る「端っこから始まる旅」をテーマにまとめた写真集。現地を旅した著者が自身の目で見て,耳で聞いて,身体で感じた多様性に満ちた境界地域の魅力を,写真と紀行文で切り撮る。

著者プロフィール

斉藤 マサヨシ(サイトウ マサヨシ)

1955年 北海道稚内市生まれ
東京写真大学短期大学部(現東京工芸大学)卒業
稚内市役所に勤務、観光交流課長、教育部長等を歴任し、2015年退職
写真工房Westenを主宰
サハリン(樺太)国境紀行写真展など2022年現在、国内外各地で55回の写真展を開催
著書に『斉藤マサヨシ写真集 サハリンに残された日本:樺太の面影、そして今』(北海道大学出版会、2017)など

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

刊行によせて──ボーダーツーリズムへの誘い
……寄稿:岩下明裕(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授)

Ⅰ 北海道稚内からサハリンへ向かう(寄稿:岩下明裕)
1.稚内からコルサコフ,ユジノサハリンスク,そして北緯50度線
2.1945年8月樺太に散った若き女性たちを偲ぶ:真岡,太平
3.境界に生きた横綱大鵬
4.地の果てサハリン「北知床岬」
5.北サハリン「亜港」の今

Ⅱ 極北のロシアから中国シルクロードへ(寄稿:岩下明裕)
1.間宮海峡からアムール川そしてハバロフスクへ
2.「-67.8 度のまち」ベルホヤンスクそして真冬のシベリアを周遊する
3.中露国境の旅:ザバイカリエ地方から内蒙古へ
4.旧満洲ノモンハン事件を思う
5.中国境界域のシルクロード

Ⅲ 越境する日本(寄稿:岩下明裕)
1.ベトナム旧日本人町と台湾「慰霊の海」
2.台湾から与那国へ
3.済州島から五島へ
4.釜山から対馬へ
5.パラオそして小笠原

おわりに──再び稚内へ(寄稿:岩下明裕)
1.占守島:北海道を守った戦い
2.根室から礼文島:オホーツク海道


撮影年表
参考資料
あとがき


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。