住空間史論Ⅱ 農村住居篇
価格:13,200円 (消費税:1,200円)
ISBN978-4-87698-423-7(4-87698-423-9) C3052
奥付の初版発行年月:2001年06月 / 発売日:2001年05月下旬
本篇では加賀地方の農村住居を舞台に,縄文期から現代に至るまでの,農村住空間の変遷過程が詳細に論じられる.縄文期の,住居の原型ともいうべき棚や台,櫓などの架構体群が,ヤグラ,サス,ウダツなどを経て,やがて床,屋根が形成され,ヒロマが誕生する一一それが近世・現代に至るまで,スケール大きく描き出される.
目次
1 萌芽期の架構体群
1 柱と架構体
2 ヤグラの生成
3 ヤグラの進展
4 放射状サスの成立
5 放射状サスの原始住居
6 ウダツの成立
2 形成期の原農村住居
1 形成期の架構体系
2 サス構法の展開
3 サスとウダツのネブキ屋根
4 ヤグラと屋根
5 屋根のタチアゲ
6 屋根のサシアゲ
3 移行期の前農村住居
1 初期の合成構法
2 ヤグラとサスの合成
3 ヤグラとウダツの合成
4 ヤグラ,サス,ウダツの合成
5 ワクノウチヅクリの生成
6 住空間構成の経緯
4 移行期とヒロマの呼称
1 ヒロマの意味
2 配棟形式に由来するヒロマ呼称
3 床形式に由来するヒロマ呼称
4 平面形式に由来するヒロマ呼称
5 住様式に由来するヒロマ呼称
6 住空間とヒロマ呼称
5 成立期の農村住居
1 成立期農村住居の成立背景
2 ヤシキの規模と内容
3 ヤシキ内の状況
4 加賀藩の住居規制
5 居住棟と附属屋
6 成立期の住空間
6 成立期の構法
1 成立期の屋根形式
2 壁面の処理法
3 ワクノウチヅクリの確立
4 ワクノウチの発達
5 ワクノウチの上部構造
6 ヤグラ,サス,ウダツ構法と民家
7 確立期の農村住居
1 確立期農村住居の成立背景
2 ヤシキとヤシキまわり
3 ヤシキ内の住棟配置
4 確立期の農家規模
5 頭振,百姓層の住居
6 十村ヤシキと役宅
8 確立期の住空間構造
1 加賀古民家の柱
2 加賀古民家の柱間寸法
3 加賀古民家の空間構成
4 モヤとヒサシの構成
5 ヒサシ附加空間の発達
6 住空間構成の不整合性
9 確立期の周辺農村住居
1 能登の農村住居
2 平入りヨコヤ造への転換
3 平入りヨコヤ造の進展
4 越中と越前の農村住居
5 隣接地域の構法
6 古寸法体系の経緯
10 完成期の農村住居
1 完成期農村住居の成立背景
2 タテヤの住空間構成
3 タテヤの空間構造
4 ヨコヤの住空間構成
5 漁村住居の住空間構成
6 完成期の住空間組織
11 現代の農村住居
1 農村住居と風土性
2 農家規模の風土性
3 亜熱帯型民家の住空間
4 多雪型民家の住空間
5 農村住居の現代化
6 農村住居の現代的意味
結