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霊長類進化の科学

霊長類進化の科学

B7 514ページ
価格:4,620円 (消費税:420円)
ISBN978-4-87698-723-8 C3045
奥付の初版発行年月:2007年06月 / 発売日:2007年06月中旬

内容紹介

キツネザル,リスザル,ニホンザル,チンパンジー,ヒト……世界中にはさまざま霊長類が暮らしている.同じ「霊長類」の仲間と見なされるかれらが,どうしてこんなにも多彩なのだろうか.その謎を解く鍵が「進化」である.本書は,進化を軸として形態・生態・生理・遺伝など,あらゆる角度から霊長類に迫る.


目次

序章 霊長類学への招待---研究の歴史と分類の基礎
1 霊長類の起源と日本の霊長類学の礎
2 霊長類研究の課題と京都大学霊長類研究所の足跡
第 I 部 形をみる
第1章 過去を探る
1 サルの生まれた日[高井正成]
2 アフリカ類人猿の進化[國松 豊]
3 霊長類の共通祖先は夜行性だったか[相見 滿]
第2章 体を測る
1 形を追う執念[遠藤秀紀]
2 頭蓋計測からみたニホンザルの進化[毛利俊雄]
3 霊長類における成長・発達パターンの進化[濱田 穣]
第 II 部 生活をみる
第3章 生 態
1 霊長類の群れのかたち[杉浦秀樹・下岡ゆき子]
2 温帯の霊長類の生態学的適応[半谷吾郎]
3 ヒトとサルの生活空間と境界のうつりかわり[室山泰之・鈴木克哉]
第4章 行 動
1 道具を使うサルたち[渡邊邦夫]
2 チンパンジーの自己治療行動と人類の医療行為の進化[MICHAEL A. HUFFMAN]
3 ボノボとチンパンジーの性行動---メスたちは性行動から何を得るのか[橋本千絵]
第 III 部 心をみる
第5章 コミュニケーション
1 霊長類の音声とコミュニケーション[香田啓貴]
2 テナガザルの歌に言語の起源をさぐる[正高信男]
第6章 チンパンジーの視点
1 分類能力の進化[田中正之]
2 社会的認知の発達と進化[友永雅己]
3 ヒトとチンパンジーの認知発達[松沢哲郎]
4 物の操作と道具使用の発達[林 美里]
第7章 ヒトの視点
1 動的表情を処理する心のはたらき[佐藤 弥]
2 言語理解と心の理解[松井智子]
第IV 部 脳をみる
第8章 発達と可塑性
1 進化的観点からみた霊長類脳の発達と老化[林 基治]
2 中枢損傷によって失われた精緻運動機能の回復[大石高生]
第9章 活動と制御
1 思考過程の記憶を電気活動でみる[三上章允]
2 運動制御システムとしての前頭葉皮質[宮地重弘]
3 サルの脳と行動から考えた[脇田真清]
第 V 部 体をみる
第10章 生理と薬理
1 大型類人猿の雄性生殖器の進化[松林清明・榎本知郎]
2 霊長類の生殖内分泌現象の特性[清水慶子]
3 霊長類の成長に関する内分泌学的研究---ニホンザルを中心に[鈴木樹理]
4 霊長類と麻酔---作用機序の解明と質の向上をめざして[宮部貴子]
第11 章 モデル動物としての適用と福祉
1 免疫・アレルギー分野での新展開[中村 伸]
2 環境化学物質の霊長類応答[浅岡一雄]
3 動物福祉への進化的視点[上野吉一]
第 VI 部 ゲノムをみる
第12章 染色体と遺伝子
1 染色体進化から見えること[平井啓久]
2 遺伝子から見たニホンザルの地域分化[川本 芳]
3 テナガザル亜種・種分化の分子系統分析[田中洋之]
第13章 生体分子の機能と進化
1 酵素の機能多様性と進化[景山 節]
2 感覚受容体の退化と進化[今井啓雄]

あとがき
用語集
読書案内
索引


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