大学出版部ニュース
表示価格は税別です

北 大聖学院慶應大産能大専修大玉川大中央大東海大
東 大電機大東農大法政大放送大明星大早稲田名 大
京都大経法大大阪大関西大九州大東北大流経大三重大

ご覧になりたい出版部名をクリックして下さい


北海道大学図書刊行会
▼菊池馨実著 『年金保険の基本構造―アメリカ社会保障制度の展開と自由の理念』 (A5判・8500円) 1935年社会保障法の制定から80年代まで、 年金保険を中心にアメリカ社会保障制度の歴史的展開と全体像を分析。 日生助成図書。
▼保原喜志夫編著 『産業医制度の研究』 (A5判・5000円) 1972年制定の労働安全衛生法による制度のしくみ、 活動の実際、 その法律問題、 諸外国との比較など、 産業医制度に関わる問題と改善策を法律学の立場で網羅した初の成書。
▼小林真之著 『株式恐慌とアメリカ証券市場―両大戦間期の 「バブル」 の発生と崩壊』(A5判・7800円) 1929年恐慌をアメリカ証券市場の歴史の中に位置づけ、 株式恐慌の分析を通して20〜30年代のアメリカ経済の実態を解明。
▼小島廣光著 『非営利組織の経営―日本のボランティア』 (A5判・4500円) 近年多くのNPOが社会ニーズの充足と市民の社会参加実現のために活発な活動を展開している。 我国NPOを対象とする実証研究の成果を踏まえ、 そのマネジメントの特徴と課題を提示した意欲作。

→INDEX

聖学院大学出版会
▼ 『ユルゲン・モルトマン研究』〈組織神学研究第1号〉(組織神学研究会編、 2000円) J・モルトマンは、 W・パネンベルクと並び称される現代ドイツの代表的神学者である。 『希望の神学』 など、 現代の政治思想との係わりで日本でもよく知られ、 その主要著作のほとんどが翻訳されているが、 「モルトマンについての研究がそれほど多くはないというわが国の学界の状況にいくらかでも貢献できればという願いをこめて」 (あとがき) 出版された。 「バルトとモルトマン」 (大木英夫)、 「死者の居場所をめぐって」 (佐藤司郎) 、「『神の像』 としての人間理解に基づく教育的展開」 (朴憲郁) などの六論文を収録している。
→INDEX

慶應義塾大学出版会
▼〈福澤研究センター叢書〉『三田演説会と慶應義塾系演説会』 (松崎欣一著、 8000円) は、 福沢諭吉とその周辺の人々による 「演説」 と 「演説会」 の実践の跡を当時の新聞記事などからたどった大著である。 また、 『第一次世界大戦と日本海軍―外交と軍事との連接』 (平間洋一著、 4000円) は、 日本の参戦が他に広範な影響を与えたことを外交と軍事作戦との連係に視点をあてて論証する。
▼〈Keio UP選書〉では、 新資料や埋もれていた記録により福沢の多彩な顔を活写した 『福沢諭吉の横顔』 (西川俊作著、 2200円)、 中国の文学・歴史・風俗・食味などを滋味豊かに描いた 『奥野信太郎 中国随筆集』 (奥野信太郎著、 2300円)、 サイバー社会に向けての現状と課題を多角的に検証する 『ディジタルメディア革命―21世紀の人間/社会/教育』 (徳田英幸他著、 2000円) が刊行された。
▼ 『KEIO SFC REVIEW』 No.2 (慶應義塾大学湘南藤沢学会編、 1429円) は、 「グローバル・コモンズ」 の特集のもと、 地球の持続的な繁栄を考える。

→INDEX

産能大学出版部
▼ 『世界市場争奪戦』 (ジョージ・フィールズ著、 1800円) 日本企業は改善に象徴される応用の才を活かして経済大国を築き上げた。 これまでアメリカ・東南アジア・ヨーロッパ地域で展開された日本企業のマーケティングは、 その成功の故に海外の関心を引いたが、 このジャパニーズ・マーケティングは今後も通用するのか。また、 何が日本的と捉えられたのか。 これからの世界市場で日本企業が直面する様々な問題、 地域戦略とグローバル戦略の違い、 資本主義モデルの違いがもたらす市場戦略の違い、 情報を核とする資本による世界市場戦略との衝突、 多国籍企業の日本市場参入等、 グローバルに変化する市場環境要素を具体的なケースで検討する。
→INDEX

専修大学出版局
▼西川利行 『経済法の基礎―新たな人間像を契機に』 (2400円)
 近年のわが国の金融不祥事や汚職事件の根本に、 近代法治国家における個人利益追求行為の露骨な形が潜んでいることは疑いない。またバブル期の経済行程は、 そのような利益追求の極みにあったと後世から評されるだろう。 本書は、 明確な経済憲法観の確立をみたといわれるドイツ・ワイマール憲法下の経済法学説を検証し、 近代法治国家の経済法の本質と意義にせまるものである。 さらに生産協同体の基礎や、 協同体法の対象や目的にもふれている。
▼法律の本というといつも横組み縦組みのことを考える。
 日本国憲法を始め日本の各種諸法令から、 役所の出す官報は縦組みである。 それに加えて日本の法律は、 技術的な官僚用語が多く、 文章も難解だ。 市民がもっと法律に身近にかかわり合えるようにするためにも平易に書かれたものが必要ではないか。 その一歩として法律書をもっと横組みにしてはどうか。 でないとデジタル時代、 世界的グローバル・スタンダード化に遅れることになる。

→INDEX

玉川大学出版部
▼昨年七月に発足した日本高等教育学会の編集で『高等教育研究』を創刊した。 第1集のテーマは 『高等教育研究の地平』 (3000円)。 年1回刊行予定。
▼定松正編 『世界・日本 児童文学登場人物辞典』 (8000円) 。
 「子どもたちに読書の楽しみを味わってもらう手だてを大人が共通して探れるようにと企画した。 世界と日本の児童文学の古典から現代にいたる作品に登場する人物の特徴をわかりやすく解説している。 項目数は412。 作品・登場人物の重要度に応じて記述の分量が3段階に分かれ、 重要なものには作者の紹介が付くなど立体的なつくり」 (朝日新聞4月26日付書評)

→INDEX

中央大学出版部
▼小野ゆり子著 『娘と女の間―コレットにおける母娘関係と男女関係の交差』 (本体11500円) 。
 今世紀前半の仏女性文学を代表する作家コレットは、 彼女以前の女性作家たちが口を閉ざしていた女性の欲望や肉体的感覚を女性の側から表現し、 文学における女性のイメージを書き換えた。
 本書は、 コレットの文学世界を、 小説で語られる男女関係と、 自伝的著作での母娘関係との交差によって織り上げられ、 変化する世界と捉える。 そして、 その視点から、 男女関係における女の 「私」 のイメージと、 女性同士の関係性から立ち現れる 「私」 の歴史的変遷を跡付け、 小説と自伝的著作とのはざまで、 恋する女であり、 母の娘でもある新たな「私」 が創出されていく特異な過程を分析する。

→INDEX

東海大学出版会
▼R・レイメント/阿部勝巳訳『地球科学の巨人たち―科学者の素顔に迫る』 A5変形 本体2800円。
 科学者に関する伝記や評伝を読むと著作の内容は、 科学者が科学の分野でどんな貢献をしたかということを中心に据えて、 彼らの私生活に関する事柄にはほとんど触れられていない。 それは、 あたかも彼らが油をたっぷりさされた機械のように働き、 現実世界と接触するのは機械の運行を維持するために睡眠をとったり定期的に食物をとったりする時だけで、 その他の自分の研究以外の事には全く関心がなかったかのような書き方である。 しかし偉大な科学者たちといっても、 我々と同じように家庭に悩みがあり、 悲しみ、 経済的な問題を抱え、 病に倒れ、 酷い仕打ちに遭い、 資金調達のあてもないのに仕事を抱えたりした。 本書ではそんな名を残した科学者と忘れられた科学者たちの私生活を覗く。 科学者列伝+地球科学入門+エッセイである。

→INDEX

東京大学出版会
 戦後に小会が発足して、 その翌年に、 丸山眞男著 『日本政治思想史研究』 を刊行した。 これは今も版をかさねているが (本体価格3200円+税)、 戦中に書かれた輝かしい記念碑的作品といえよう。 そして当時より戦後の長期にわたって、 先生は東大法学部において日本政治思想史の講座を担当された。
 はなばなしい論壇での活躍のかたわら、 先生はこの講座に心血を注いでこられ、 毎年度、新たに講座案を作って臨まれている。 こうして学生に語りかけるかたちで概説された新しい思想史学は、 日本の思想的伝統 (じつは無思想ともいうべき伝統) と対決し、 古代から近代までを射程に収めた画期的な日本思想史の通史を形づくった。
 このたび刊行を開始した 『丸山眞男講義録』 全7冊は、 先生の急逝とともに遺された丹念な講義草稿・ノートを本文として、 当時の学生の筆記ノートによって、 実際の講義の復元をめざす。 第1冊 『日本政治思想史 一九四八』 (本体価格3200+税) からスタートする。

→INDEX

東京電機大学出版局
 ホームページに掲載する内容や情報そのものをコンテンツと呼ぶ。 コンテンツ産業ともいえる出版社がCD−ROM辞書やインターネットで新たなサービスを提供する例が増えている。 海外の学術雑誌でも論文のデジタル化が進んでいる。
 情報を一方的に提供し、 その画面の表現もユーザー次第のホームページならばHTMLでよかったが、 文書構造を持つ論文や再利用の高いデータ、 定期的に配信されるレイアウト主体の雑誌などを表現するために新たな技術が研究されている。 なかでもHTMLの限界を打ち破る技術としてXMLが注目されている。
▼川俣晶著 『XMLコンテンツの作り方』 (2100円) 会話形式を用いて解説するなどインターネットの最新技術を楽しく読めるように工夫を凝らした。

→INDEX

東京農業大学出版会
▼『日本庭園の特質』進士五十八(本体4762円)。
 初版 『日本庭園の特質』 に英文解説を増ページした改訂版。
 本書は、 従来とは異なる手法で、 日本庭園の特質を分析・考察したもの。
 「計画論的視点で、 造園史的にアプローチすること、 あるいは、 具体的庭園を数量分析的にアプローチして、 その基本的フレームや平均的イメージを明らかにすることを試みた」
と著者は語っている。
 構成は、 第一部では、 日本庭園の様式的特質としての時代性、 地域性、 政治性、 人間性、精神性、 造形性を解明するのにふさわしい事例を分析。 第二部では、 日本庭園の空間的特質である囲繞性、 空間構造と形式、 モデュールとヒューマン・スケール性、 曲線の独自性について記述。 第三部では、 日本庭園の景観的特質の典型である縮景、 借景、 樹藝、 時間美について、 数値などで計測される視覚構造の面と、 その背後にあって日本庭園らしさを感じさせている精神構造の面を総合化する方向で考察。


→INDEX

法政大学出版局
▼坂井洲二著 『ドイツ人の家屋』四六判上製・図版500点/3600円
 『エコノミスト』 評(抄録)…ドイツの地方都市では、 歳月を経た古い民家が多く残り、 比較的新しい家も、 統一性があり美しい。 これに対して、 日本の家の多くは、 かつての美しさをなくし、 何の脈絡もない顔つきをしている。 ぺらぺらで、 造っては壊し、 造っては壊しというなんとも情けない状況である。
 著者は、 建築家ではなく、 民俗学が専門の学者である。 高度な技術的専門知識ではなく、好奇心をもとに調べ上げている。 知り合いの普通のドイツ人が行う建築確認から設計、 工事、 建材、 棟上げの祝い事など、 完成に至るまでの経緯を紹介する。 大手住宅メーカーの商品化住宅が幅をきかす日本とはまるで違う。

→INDEX

放送大学教育振興会
▼平成10年度の新刊図書は67点。 放送大学の10年度開設科目314に含まれ、 履修登録をした学生たちの手許に、 3月末日までに届けられた。
▼新刊図書の履修科目登録者数のトップテンは、 (1)『英語II』、(2)『児童の臨床心理』、(3)『フロンティア人間科学』、(4)『老年期の心理と病理』、(5)『日本の自然』、(6)『人生の哲学』、(7)『生活学入門』、(8)『調理とおいしさの科学』、(9)『発達心理学』、(10)『経営学入門』 となっている。
▼放送大学の開設科目は 「生活と福祉」 専攻 (生活科学、 健康科学、 福祉関係)、 「発達と教育」 専攻 (教育学、 心理学) に特性があり充実している。 卒業をめざす学生 (全科履修生) の約半数はこの二専攻に属していて、 関連図書の需要もかなり多い。 前記(2)、 (3)、 (4)、 (9)、 『心理学入門』 『カウンセリング』、(7)、 (8)、 『成人の健康科学』、『看護学概論』、『骨と関節の健康科学』、『消費者問題の展開と対応』 等がそれである。
▼引き続き平成11年刊行予定の図書71点、 200名以上となる執筆陣は、 取材、 執筆、校正にと、 おお忙しである。

→INDEX

明星大学出版部
▼伊藤満・栗田章光・鈴木博之・吉川紀共著 『鋼道路橋の建設・管理』。
 近年、 橋梁技術は材料・理論・製作技術・架設工法など、 目覚ましい進展をとげている。 夢の架け橋といわれた本州と四国を結ぶ長大橋梁もつぎつぎに実現し、 都市間を結ぶ高速道路も数多く建設されている。
 本書は、 従来の橋梁工学の教科書とは異なり、 対象を鋼を用いた道路橋の上部工に限ることにしたことにより、 大学を卒業して実務に携わる若い技術者が、 計画、 製作架設から管理までを理解しやすいように配慮した内容となっている。 すなわち、 実用性に主眼をおき、 必要最少限の内容としているのが、 本書の特徴である。
▼明星大学理工学部数学研究室編 『数学の基礎と演習』。
 高校の数学教育は、 数学Iのみが必修科目で、 数II以上の科目は選択科目になっている。その選択の仕方も多種多様であるため、 極端な場合は数Iのみで大学に進学している。 理工系学生のための数学の基礎を学習する教科書として刊行。

→INDEX

早稲田大学出版部
▼〈ワセダ・オープンカレッジ双書〉(1)『早稲田派エコノミスト列伝』(原輝史編)、 (2)『生涯学習と高等教育』 (奥島孝康・原輝史編) [各2500円]を刊行した。 本双書は早大エクステンションセンター主催の公開講座を収める新シリーズ。
▼〈早大蔵資料影印叢書洋学篇〉(全18巻)が、(16)『遠西独度涅烏斯草木譜V』(杉本つとむ編、 32000円) の配本で完結した。 セットでの購読をお薦めする。
▼〈ワセダ・リブリ・ムンディ〉(26)『スペインの政治』 (川成洋・奥島孝康編)、(27)『スペインの経済』 (戸門一衛・原輝史編)、(28)『スペインの社会』 (壽里順平・原輝史編)[各2900円]は、EUへの積極的な参加によって、 南欧型社会からの脱皮を図るスペインの現状をとらえる。

→INDEX

名古屋大学出版会
▼飯田祐子著 『彼らの物語―日本近代文学とジェンダー』 (3200円) 明治30年代から大正期にかけて近代文学が芸術として自立していく過程は、 文学という領域そのものが新たな構造のもとにジェンダー化していく過程でもあった。 ホモソーシャルな読者共同体の成立にいたる転換を精緻に分析。
▼花里孝幸著 『ミジンコ―その生態と湖沼環境問題』 (4300円) 湖の食物連鎖の中で重要な役割を担うミジンコと他の生物達は複雑な生物間相互作用を保ちながら生態系を維持している。 本書では人為的な環境改変の影響が微細な生物を介して生態系全体に及ぶ過程を解説。
▼J・スチュアート/小林昇監訳・竹本洋他訳 『経済の原理―第1・第2編』 (12000円) 『国富論』 に先立ち、 理論・政策・歴史の諸領域を統合した最初の経済学体系の全訳ついに完成。
▼加藤弘之著 『中国の経済発展と市場化―改革・開放時代の検証』 (5500円) 改革・開放後の中国の市場経済化の独自性と特質は何か。 独自の視点から実証的に解明。 第14回太平正芳記念賞。

→INDEX

京都大学学術出版会
▼『語る身体の民族誌―ブッシュマンの生活世界1』 菅原和孝著・3000円/奔放な 「恋人関係」 の噂、 「糞」 や 「肛門」 の語が飛び交うののしり、 動物や食べものについての不思議な語り――ブッシュマンの愉快で猥雑な会話には、 原野で生きる人々の精神世界と社会構造とが鮮やかに織り込まれている。〈精緻な会話記録〉という新しい民族誌の方法を示し、 人類学の可能性を探る会心作。
▼ 『住空間史論I』 島村 昇著・8000円/白山連峰の山村は、 住居建築において原始・古代へ遡及可能な住居形式を残存させていた。 本書は緻密な現地調査を踏まえて、 これら山村住居の架構手法・空間秩序等から住空間の成立形成過程を詳細に跡づけている。
▼ 『重力波をとらえる―存在の証明から検出へ』 中村卓史他編著・8000円/重力波は、 長いあいだ理論上予測された存在にすぎなかったが、 近年の電波天文学の進展にともない、 観測に基づいて実在が立証され、 また、 レーザー干渉計などを用いた直接検出の試みも始まっている。 本書はその最新の成果である。

→INDEX

大阪経済法科大学出版部
 今回は四月ということもあって学内向テキストの紹介を。
▼康祥隆監修 『大阪経済法科大学 コンピュータの基礎』 (B5・2000円)
 本書はコンピュータ入門の学内統一テキストとして企画編集された。
 ウインドウズ上でオフィス97のアプリケーションを使用する初心者にとって親しみやすいものにするため、 章構成にストーリィ性を持たせたり、 操作中の画面を忠実に、 しかも鮮明に表現することに努めた。  そのため、 文章を手直ししたり、 学生が教室で使用するパソコンの画面にとり直したり、 画像のファイルをJPEGからビットマップに変更する等、 行った。
 本書は、 学内向のテキストであり、 大学のネットワークシステムの説明等があり、 一般書店や他大学へ配本するのに少し向いてないが、 コンピュータ入門のテキストに関心のある人はぜひ御購読をいただき御意見・御助言をお寄せください。
 四月に発行した他のテキストとして、
▼ 『ゼミナール現代法入門』1400円
▼ 『現代社会と人権』1600円

→INDEX

大阪大学出版会
 翻訳書の位置づけは各UPそれぞれ個性がある。 本会では、 単なる翻訳は本学でなされた研究成果とはいえないので、 出版しない立場をとる。 言語文化交流に貢献しうるものか、 訳者の研究内容が盛り込まれていて原著者との共著的な要素があることを条件にしている。 後者の見本のような翻訳書ができた。
▼C・E・ブレネン著/辻本良信訳『ポンプの流体力学』 A5・7200円。
 ポンプは古くて新しい機械である。 スペースシャトルやHIIロケットのエンジンにも生きている先端技術で、 本書ではそこで派生した振動とキャビテーションの問題を中心に詳説。 補遺 「ターボ機械の不安定現象」 を訳者により加筆。
▼本会は誕生して満五年、 ひとつの節目をむかえた。 その一:右記の書でバックリスト30点に達し、 大学出版部協会の準会員から正会員に昇格したこと。 その二:ここまで陣頭で強力に指導してこられた脇田修会長が退任されたこと。 後任は、 本学で学生部長、 副学長の要職を歴任してこられた松岡博教授 (法学部)。 いっそうの良書刊行を誓いたい。

→INDEX

関西大学出版部
▼泉澄一著 『雨森芳洲の基礎的研究』(4000円) 江戸時代の朝鮮外交に活躍したと誤って説かれる雨森芳洲について、 対馬藩の記録をもとに徹底的に検証を加え、 その非を明らかにし、 芳洲の実相に迫ったもの。 対馬藩の記録に通曉した筆者が藩改組織を復元し、 その中に芳洲を位置づけ、 藩儒としての日々を克明に跡づけた最初の本格的な論考。
▼飯田紀彦著 『逃避の病理』(2500円) 一見豊かで平和な社会で育てられ、 快適な日常生活を満喫しているかに見える現代の若者たち。 しかし、 ある者は自らの役割を放棄し、 置かれた状況から逃避し、 引きこもってしまう。 本書はそうした若者の逃避と引きこもりを生物学、 精神病理学、 社会病理学の多角的な視座から詳細に分析し、 考察を加える。
▼神楽岡幼子解題 『青本黒本集』(24000円) 「日本小説書目年表」 に未記載で従来、 所在の知れなかった稀覯本を中心に収録。 保存状態が良好で、 原装のまま残っているものもあり、 各巻の絵題簽も揃っている。 所蔵していた子どもの署名や年号の墨書があるのも貴重。

→INDEX

九州大学出版会
▼仁保喜之・石橋大海編 『内科学進歩のトピックス』 (A4判・406頁・8000円)。 赤池紀扶他編 『脳機能の解明』 (B5判・622頁・7500円)。内科学、 神経科学それぞれの研究の最近のトピックスを網羅する。
▼R・J・バーロ、 X・サラ‐イ‐マーティン/大住圭介訳 『内生的経済成長論』 (A5判・I巻408頁、 II巻416頁・各5600円)。 現在、 経済学のうちで最も活気のある研究領域 「内生的成長論」 に関する優れた文献であり、 理論研究と実証的研究が統合されている。 ほとんどの章に、 数式の導出過程を含む多数の訳注を付す。
▼デ・ブロイン/恒吉法海訳 『ジャン・パウルの生涯』 (四六判・398頁・3600円)。 トーマス・マン賞、 ハインリヒ・ベル賞の旧東ドイツの著名作家によるジャン・パウルの伝記の決定版。 ジャン・パウルは貧しさの中からドイツで最初の自由な作家の地位を確立し、 女性の讃仰者達を得、 偉大な風刺家、 小市民の代弁者となった。 その言動の矛盾等を指摘しながら、 その生涯をフランス革命から王制復古の時代背景の中で描き出す。

→INDEX

東北大学出版会
▼尾坂芳夫著 『心の豊かさをつくる技術知』(2913円) 工学者である著者は、 科学技術の発展が将来にわたり人類の繁栄をもたらす確信は得られ難くなっているとみる。それは、科学技術からの実利を享受しようとする欲望が、 その負の効果に対する精緻な判断を鈍らせているからである。 本書は、 技術分野で誇りと確信をもって仕事に打ち込もうとする若い人々と一緒に、 科学技術と人間の問題を根底から考えようとする情熱に溢れている。
▼細谷昂著『現代と日本農村社会学』(5000円) 著者の長年にわたる農村社会学研究のうち「家」と「村」にかかわる成果を編成したもので、日本の農業と農村の構造と変動が一貫した主題である。 二部構成で、第一部でマルクス、ウェーバーなどの学説研究によって巨視的な社会の構造と変動に関する視座を得、 第二部で個別的農村地域の構造と変動の実証分析がなされる。この二つの異なるアプローチは商品経済研究の一点で交わるのである。
▼父阿部次郎の知られざる姿を再現した大平千枝子さんのエッセイなどを載せた 「宙」 3号が発行されました。

→INDEX

流通経済大学出版会
▼流通経済大学教授生田保夫著 『交通学の視点』 (A5判・約300頁・予価3500円) 7月発行予定。
 『人間社会の諸活動は、 総て何らかの形で人、 物、 情報の場所的移動を通じて行われている。 今日、 我々の社会はグローバルな移動空間の中で様々な交流が行われ、 ダイナミックな発展を遂げているが、 それらはこの移動行為、 すなわち広い意味での交通を行うための様々な手段が開発されることによって可能になってきた。
 この「交通」という行動を対象として、 その特性を分析、 解明していくことは、 交通が人間社会のなかで如何に基本的な行動として存在しているかを理解する機会を与え、 それを社会の中により効果的に組織化していくことの必要性を改めて強く認識させることにもなる。 そうした意味からも、 交通は種々、 様々な観点からする接近方法を通じて研究されねばならない存在であると言えよう。 本書はこうした見地から交通の本質を明らかにしつつ、それが社会の中に如何に位置付けられ評価・発展されていくべきかを理解する上での視点を与える。』

→INDEX

三重大学出版会
 三重大学出版会は1998年1月に発足したばかりの清新な団体である。三重大学教職員等の学術出版物の刊行はもとより、 地域社会の新しい文化の育成を責務として、 出版業務を行う点に特色がある。
 いまよりほぼ10年前、 1988年9月に三重大学出版会設立準備懇談会を発足させたのが、 当会のそもそもの起りである。 その5年後には大学出版会設立にむけた準備機関として三重学術出版会 (初代会長 安達六郎) を設立した。 それからは順調に出版物を刊行し、人文・社会・自然科学の多岐にわたる専門的な学術書、 大学の共通教育で用いるテキスト類等に及ぶ図書総計32点を公刊してきた。
 今までの課題は大学に拠点を置く組織ネットワーク型のボランティアとして活動してきたが、 今後の課題は事務所の開設と維持、 在庫管理等の実際の業務体制作りに取り組むことになる。 更に進めて、 地方の大学として人材を生かした組織の活性化、 制作と販売の改善に新路を求めて、 取り込む予定にしている。

→INDEX



HOME