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大学出版部ニュース
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北海道大学図書刊行会
▼小川浩三編『複数の近代』(A5判・5200円)中世の法学や領邦観念、アジアにおけるヨーロッパ近代の受容と軋轢、現代の視角からの新たな認識枠組みの提示など、異なるものを対置することにより「近代的なもの」を再解釈する。北大法学部ライブラリー全六巻の最終巻。
▼篠原邦夫・高橋洋志・中村正秋編著『移動層工学−実際と基礎−』(B5判・6000円)粉粒体を大量に取り扱う工業装置・関連操作としての「移動層」は、近年ますます多様化し、新分野への適用が急速に展開されつつある。粉体工学・化学工学・鉄鋼工学など複合・境界領域の第一線の研究者・技術者三十数名が、最新の知識と技術を世界で初めて体系化。
▼布施鉄治著『調査と社会理論 上巻・実証研究、下巻・理論研究』(A5判・各12000円)「総合社会学としての地域社会学」を提唱した実証的社会学者布施の理論体系と、実証研究の全貌を紹介。上巻には40年に及ぶ北海道の農村・農民研究の代表的モノグラフを収録。下巻ではマルクス、鈴木榮太郎などを援用しながら、その理論的枠組みを提示。
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聖学院大学出版会
▼小出版会は、1991年の4月に創設され、2001年4月で10周年を迎えた。91年度は新刊2冊を刊行し、1年に3、4冊のゆっくりとしたペースであったが刊行を継続することができた。2000年度までに42冊のバックリストを持つに至った。
▼教員数100名、学生数3000人に満たない小さな大学に出版部を持つことは冒険であった。特に、小出版会が活動してきた状況は、出版不況のただなかにあり、学術書の出版は困難であったが、資金的には、文部省、日本生命財団などの助成金、大学からの出版資金、著者などからの寄付により、10年に亘る学術出版活動を続けて来ることができた。組織的には、まだ出版会として自立できず、大学の研究所事務を兼務しながらの活動であるが、担当スタッフは、1名から4名に拡充してきた。
▼各方面のご協力とご理解をいただき、10年の歩みを踏まえて、これからもプロテスタント・キリスト教を建学の精神の中心におく大学の「教育・研究の特色を出版物により広報する」という大学出版部のひとつの役割を果していきたいと思う。
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麗澤大学出版会
▼アミタイ・エチオーニ著/永安幸正監訳『新しい黄金律――「善き社会」を実現するためのコミュニタリアン宣言』(本体7800円)
20世紀は、多様な思想(イデオロギー)がそれぞれの正義を主張して争った大いなる実験の世紀だった。だが、結果として「正義」が地球上に理想社会を実現することはなかった。では、これからの21世紀を果たして希望と再生の世紀とすることができるのか――。
究極のテーマに挑んだ著者は、社会学者としての知見を駆使し東西の歴史と文化を縦横に経巡り、「21世紀型社会の理想像」を描き出すとともに、「自由」と「秩序」の共存を核とする新たな道徳律を提言する。
現実政治と公共哲学の統合を企図した画期的なコミュニティ論である。
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慶應義塾大学出版会
▼慶大経済学部現代経済学研究会編『経済学による政府の役割分析』(3000円)高齢化、自由化、国際化の中で、政府の役割が大きな転換期を迎えている。本書は、政府の役割を、ミクロ経済学から中小企業政策までの分野から幅広く分析し、今後のわが国の政府のあり方を示唆する。
▼土屋大洋著『情報とグローバル・ガバナンス−インターネットから見た国家−』(3200円)本書は「情報社会論」ではなく、新しい「情報国家論」である。情報化と国際化の波は、社会はもちろん「国家」にも押し寄せる。ピラミッド型組織と代表制による「ガバメント・システム」に代わる、新しい意志決定・合意形成のあり方として「ガバナンス・システム」の可能性を提示する。
▼F・ルブラン著/藤田苑子訳『アンシアン・レジーム期の結婚生活』(2200円)近世フランスの結婚と家族についてコンパクトにまとめる。意外に多い晩婚・核家族、避妊のはじまりなど、歴史人口学・民俗学・社会学などの成果をとりいれながら、当時の実情を解説する。フランスのロングセラー教科書、待望の邦訳。
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産能大学出版部
▼井出眞弘著『計量経済学』(3500円)
経済学は社会生活に役立つ実践的な科学であり、私達の関心は常に将来の経済見通しであろう。政府や企業の政策立案や経営計画作成には数値による具体的情報が必要であり、このような数値化された経済情報を合理的・整合的に得るためには、計量経済学による分析手法が欠かせない。
▼しかし、難しい学問との印象がある計量経済学を、本書は初歩的なところから出発し、筆者の多くの経験による実践的な事例を多く取り入れ、重要な定理や基本的な式の展開は数字に不慣れな読者に消化不良を起こさないようにていねいに説明している。
▼計量経済学が必要とする統計学と数学の基礎から応用までが整理され、各章末には練習問題も設定されている自己完結型のテキストであり、計量経済学の入門書として最適な書である。
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専修大学出版局
▼〈専修大学社会科学研究所社会科学研究叢書〉の刊行が開始された。第一巻の専修大学社会科学研究所編『グローバリゼーションと日本』(3500円)は、変貌する日本的システムの将来を展望し、安全保障、地方分権、金融再編、社会保障など法・政治・経済の各分野にわたり現状の報告と変革の提言を行なう。
▼大庭健『私という迷宮』(1800円)。若者だけでなく中高年に至るまでひそかに浸透しつつある「自分探し」。本書では自分探しについて倫理学の立場から、一般読者に分かりやすい書き方で検証をすすめた。さらに異なる専門分野として作家の村上春樹、精神科医の香山リカの両氏からコメントを寄稿してもらい三者により考察を深めた。
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玉川大学出版部
▼立川武蔵編著『癒しと救い―アジアの宗教的伝統に学ぶ』(3800円) 「様々な形の『癒し』から見えてくるのは、それが『聖なる』世界の存在と不可分のものであり、決して心理的解決や、リラクゼーションのレベルにとどまるものではなく、風土、精神的伝統と分かちがたく結びついた、自己を再発見し、世界を再定義するダイナミックな営為だということだ。それにしてもアジアにしてこの豊かな多様性。もう薄っぺらな癒しに逃げ込むのはやめにしないか」読売新聞評
▼藤森武写真集『鉈彫 荒彫』(16000円) 平安時代の後半を中心に流行し、風の如く現れ、忽然と消え去っていった鉈彫。江戸時代の彫刻家・円空にも影響を与えた鑿痕が、風雪に耐え、いま甦る。
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中央大学出版部
▼井上英治『財産法概論[三版]』(3900円)財産法の諸制度が現実の取引社会でどのように機能しているかという視点から再構築することをねらいとし、債権法を中心にそれに関わる担保の問題・債権内容の実現の問題・債権保護の問題等を捉えなおす。併せて1999年秋の行為能力制度の大幅な改正をも含む。
▼池上一志編著『現代の経営革新』(4900円)第二次大戦後、企業は科学技術を取り入れ生産システムを変革し、新製品を開発し、現在では共生のため組織変革をはかっている。これらの実証研究を中心とした企業革新、経営革新の諸問題を分析した事業革新・職能革新、最近見られる企業間関係革新の3つの側面からスポットをあてた中央大学企業研究所のプロジェクトによる研究成果。
▼中央大学人文科学研究所編『ケルト復興』(6600円)19世紀後半から20世紀前半にかけてアイルランドを中心として興ったいわゆるケルト復興なる現象について、社会史的観点と文学史的観点の双方から文化の深層に迫りつつ、その歴史的な意味を考察する。
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東海大学出版会
▼「シリーズ 大学の教育・授業を考える」第3巻『大学の教育・授業の未来像―多様化するFD』日本私立大学連盟編(A5判・248頁・1900円)
大学改革の核心であり、実行が最も困難なのが、授業の改革である。授業改革はまた、1つや2つの発明で一挙に解決するものでもない。各大学の多数の熱心な教員による幾千幾万の地味で小さな工夫と実践を通して少しずつ変えてゆくしかない。その地味で小さな営為の積み重ねは、これまで不幸なことに教育を研究ほどに大切にしてこなかった日本の大学と大学教員を、根本から変える最も強い力となるに違いない。本巻では大学の教育・授業の変革を試みる多様な実践例が報告されている。
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東京大学出版会
21世紀がはじまろうとするいま、地球環境と人類の将来が深刻な問題になっています。このときにあたり、20世紀のはじめに開始され、100年を経過した日本の地形の調査・研究を総括して、環境の基盤をなす地形の性状と生い立ちを七巻の地形誌として刊行することになりました。
日本列島の地形はきわめて変化に富むことで知られ、それが美しい風景の土台をつくっています。自然史と人間活動が刻まれている日本の地形の姿とその形成過程、すなわち地形発達史をこの列島に住む多くの人びとに知っていただき、これからの地形環境の保全・創成や防災や土地利用に、また風景にひそむ歴史を読むのにも役立ててほしいという願いがこのシリーズに込められています。
▼シリーズ『日本の地形』全七巻(B5判・平均320頁・上製カバー装)
「4関東・伊豆小笠原」(6000円)、「1総説」(5800円)が既刊、「2北海道」「3東北」「5中部」「6近畿・中国・四国」「7九州・南西諸島」が引き続き刊行されます。
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東京電機大学出版局
手話は独立した一個の自然言語である
本書は、聾教育の黎明期に書かれた、ろう者の思いや教育者の情熱を伝える七編の先駆的な手記と論文から成る。手話はやがて脇に追われ、歴史は再び口話主義を主流となすのだが、「その歩みは、人間の概念が音声言語を中心に編まれていく思想史的な変化であるとともに、また、ろう者の独自性が抑圧され、忘却されていく政治史・行政史的な変化でもあった(東浩紀・読売新聞書評より)」。木村晴美・市田泰弘両氏による「ろう文化宣言以後」や年表・論争概念図などを掲載し、今日の論点とのつながりがよくわかるように工夫された一冊。各方面で反響!
『聾の経験―一八世紀における手話の発見―』ハーラン・レイン編/石村多門訳/四六判452頁/3100円(税別)
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東京農業大学出版会
〈シリーズ実学の森〉
血栓を溶かし梗塞を予防しよう
――脅威の酵素発見―― 栗本慎一郎著
1999年10月著者は脳梗塞で倒れた。それも注意していたにもかかわらず倒れたのだ。その体験を踏まえた最新の梗塞研究である。実体験と研究データは説得力充分であり、医療行政を考える絶好の書でもある。
平成13年3月刊/B6判/143頁/本体価格800円
私の営農哲学
――トマト・メロン・花づくりから地域づくりへ―― 田辺正宜著
施設園芸の生産組合法人組合長である著者は、二度にわたる台風襲来の被害を克服し、発展させた経営の基盤にある哲学を語る。消費者、地域社会、女性の役割などへ向けられている視点に感化されるだろう。
平成13年1月刊/B6判/226頁/本体価格1400円
『横井時敬と東京農大』『沙漠よ緑に甦れ』『都市、緑と農』『租庭長岡安平』に続くシリーズ第五・六集である。
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法政大学出版局
▼アルフィ・コーン著/田中英史訳
『報酬主義をこえて』5800円・四六判上製・604頁
前著『競争社会をこえて』によってアメリカ社会の病根=パワーゲームを批判し、アメリカ心理学会賞を受賞したアルフィ・コーンの待望の新著が刊行されました。本書でコーンは、報酬主義(いわゆる馬の鼻先のニンジン)がいかに不毛であるか、どのような問題を引き起こすかを、家庭、学校、職場のそれぞれについて、徹底的に、具体的に、わかりやすく、しかもさまざまな実験例にもとづいて、科学的に明らかにしています。
通俗行動主義に毒された子どもたちを変え、両親を変え、学校を変え、職場を変え、より人間らしく生きる環境を作るために、ご一読をおすすめいたします。
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放送大学教育振興会
▼平成13年度の新刊図書は65冊。放送大学の13年度開設科目304に含まれ、履修登録をした学生たちの手許に3月末日までに届けられた。
▼新刊図書の履修科目登録者数のトップテンは、(1)『人体の構造と機能』(2)『疾病の成立と回復促進』(3)『英語I』(4)『カウンセリング概説』(5)『労働と生活の心理学』(6)『がんの健康科学』(7)『看護学概説』(8)『家族論』(9)『保健体育』(10)『中国語I』となっており、心理学・健康科学関連科目の人気が高い。
▼馬場謙一・橘玲子編著『カウンセリング概説』(1800円)対人関係の処方箋は、これだけ科学技術が進んでも、だれにでも有効で即効的に効くような錠剤があるわけではない。人と人との関係の中で、生きることの不安、苦痛や孤独、悲しみ、耐えられないストレスを受けたとき、人はどう癒されるのだろうか。
▼引き続き平成14年度刊行予定の図書は学部用43点、大学院用65点、計108点。300名近くとなる執筆陣は取材、執筆、校正にと、おおいそがしである。
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明星大学出版部
▼塚田紘一著『子どもの発達と環境――児童心理学序説』近世に至るまで、子どもは「大人の小さい者」と考えられていた。しかしながら、ルソー(Rousseau, J-J.)の子どもを中心にすえた児童観によって児童は研究対象になる。ルソーは「エミール」の中で「子どもは大人と違ったもの」であり、不完全な大人としてではなく、子どもとして理解されなければならない存在である」と提言した。大人はかつて子どもだったために子どもの心をあたかも知り尽くしていると誤解していた。その誤解を解き、児童の心理が科学的に研究され始めたのは、わずか百余年前に過ぎない。それから児童心理学は日進月歩に発達する。本書では児童心理の最新情報を解説。(目次―抜粋―)第一章 発達の基本的理解、第二章 児童研究の方法、第三章 発達初期の展開、第四章 身体と運動機能の発達、第五章 認知発達、第六章 知能と創造性、第七章 情緒・動機、第八章遊び、第九章 社会性、第十章 自己意識、自己概念、第十一章 親の児童観と教師=生徒間の信頼関係。
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早稲田大学出版部
▼『マクドナルド化の世界―そのテーマは何か?―』(G・リッツア、正岡寛司監訳、3000円)ディズニーワールド、クレジットカード等、新しい消費手段とマクドナルド化の関係を分析。マクドナルドの第二弾。
▼〈アジア太平洋研究選書2〉『二一世紀の南北問題―グローバル化時代の挑戦―』(谷口誠、3200円)グローバル化のもとで途上国は環境・人口・貧困などの問題にどのように対処すればよいのか。新しい南北対話の実現をめざして共通の価値観を探る。
▼『私の一世紀』(ギュンター・グラス、林睦實・岩淵達治訳、4800円)ノーベル賞作家の最新作。様々な「私」がドイツの百年を語る。一年一話のショートストーリーで描く歴史の素顔。
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名古屋大学出版会
▼ツベタナ・クリステワ著『涙の詩学―王朝文化の詩的言語―』(5500円)平安朝の袖はなぜ涙に濡れているのか?八代集を、〈涙〉のメタファーの展開過程を辿ることによって読み替える。
▼脇 功 訳『アリオスト 狂えるオルランド』(12000円)爛熟するルネサンスの想像力が生んだ、波瀾万丈・奇想天外な恋と冒険の物語にして、16世紀の一大ベスセラー。
▼長尾伸一著『ニュートン主義とスコットランド啓蒙―不完全な機械の喩―』(6000円)社会科学の形成に与えたニュートン主義の影響を、実験哲学の導入に即して初めて本格的に解明した労作。
▼菅沼信彦著『生殖医療―試験管ベビーから卵子提供・クローン技術まで―』(3800円)不妊症治療についての最新の知見とその問題点を、生殖医療の流れのなかでわかりやすく解説。
▼西澤邦秀編『放射線安全取扱の基礎―アイソトープからX線・放射光まで―』(2400円)人体への影響から説き起こし、放射線物理・化学・生物学の基礎、諸法令や緊急時の対応などを解説。
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京都大学学術出版会
▼ウェルギリウス『アエネーイス』西洋古典叢書II−10・岡道男・高橋宏幸訳・4900円/最大のラテン詩人ウェルギリウスが11年の歳月をかけて綴った壮大な叙事詩全12歌。ホメロスの二大叙事詩をとりこみ、トロイアの英雄とローマ建国の物語を謳う。時代を経て受け継がれるなかで、文学のみならず美術や音楽などさまざまな芸術に影響を与え続けてきた屈指の大作を、新訳で提供する。
▼『中国近代綿業史の研究』東洋史研究叢刊58・森時彦著・13000円/「綿業の近代化」は、中国における近代産業成立の要であった。本書は、新資料を駆使して、中国の在来綿業が西洋から移植された綿工業との交渉を通じて近代化してゆく課程を通覧する初の成書である。
▼『近代日本と物理実験機器』永平幸雄編著・10000円/京都大学に残る明治・大正期の350点にも上る物理実験機器は、わが国への近代科学の移入過程を示す貴重な資料である。詳細な写真図版を多用しながらこれらを紹介・考察する。日本の機器史研究の先鞭をつける重要書。
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大阪経済法科大学出版部
▼『大恐慌期のフランス経済政策―一九三六年〜一九三九年―』ジュリアン・ジャクスン著/向井喜典監訳/岩村等他訳/5600円/比較的優位にあったフランスの経済的・金融的地位は、大恐慌以降大きく低下した。人民戦線内閣をはじめとする歴代の内閣が何故に、不況の長期化・拡大に繋がる経済政策を選択したのか。経済政策に関する論議を重点的に分析し、「非合理的な」政策が選択された背景を解明する。
第一部 背景/第二部 政策の過程 政府と野党―一九三六年〜一九三九年―/第三部 左翼と右翼の非同調者。
▼『現代行政法入門』山代義雄著/2000円/行政法の総論的入門書。組織・原理・展開/行政行為・作用/強制措置/賠償法・補償/申立て・訴訟/資料。
▼『現代社会と人権《増補改訂版》』山根共行/村下 博共編/2500円/大学総合科目のテキストの増補改訂版。労働者・女性・刑法・在日外国人・在日朝鮮人・障害者・同和問題等につき各担当者が執筆。巻末に日本国憲法掲載。人権問題の格好の入門書。
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大阪大学出版会
▼松本和彦『基本権保障の憲法理論』(6200円)多様化する現代社会のなかの基本的人権。それは侵害されてはならないが、他方で共通の利益を守るために制約もされるという相反する性格を持っている。ドイツ連邦憲法裁判所の判例を素材に基本権の構造を探り、実践的に問い直す。日本国憲法下での意義と有用性についても言及している。
▼初谷勇『NPO政策の理論と展開』(6200円)阪神・淡路大震災を契機として、ボランティア活動が顕著となり、いわゆるNPO法の立法議論が高まった。NPO(民間非営利組織)の制度とはどうあるべきか。法制・税制をはじめ個別の公共政策の綿密な実態を調査・分析して、よりよい公共性を追求する。
▼〈大阪大学新世紀セミナー〉は本体各冊1000円、月2冊の配本。
4月刊=柏木哲夫『ターミナルケアとホスピス』、松田暉『命をつなぐ―臓器移植』、5月刊=中井貞雄『レーザー核融合―21世紀エネルギーへの挑戦』
荻原俊男・森下竜一『遺伝子は命を救う―循環器疾患と遺伝子治療』
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関西大学出版部
▼石川啓著『啓く 拓く 開く』(6000円)低迷する経済、少子高齢化の急速な進展など、混迷するわが国の社会的環境の中で、21世紀を背負って立つ人材をどのように育成すべきであるか。6年間の総合私立大学の学長経験に基づいて家庭、学校、社会の役割を説く。さらに21世紀の大学教育、研究、経営について実践的な提言を行う。
▼小川悟著『ジプシー』(3000円)少数民族集団の歴史的変遷の経緯を追いながら、ルーマニア、ハンガリー、ポーランド、ナチスドイツにおける迫害の跡をたどる。強制収容所におけるロマとシンティに対する迫害の記述は極めて生々しい。マリーア・テレージアの強制同化教育やスイスの同化教育、エジプトでのロマの研究の紹介など、いずれも一読に値する。
▼廣江満郎著『資産効果と財政金融政策』(4000円)本書は、マクロ政策的観点から資産価値の変動による経済効果、すなわち資産効果の役割を理論的および実証的に解明し、その重要性を指摘することを目的とする。
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九州大学出版会
▼九州大学政策評価研究会編著『政策分析 2000―二十一世紀への展望―』(B5判・402頁・3800円)日本経済を構成する各個別領域でいま生じつつある変化と、それに伴う政策的課題に、多角的・総合的な評価を加える。
▼住田正樹著『地域社会と教育―子どもの発達と地域社会―』(A5判・402頁・5700円)近年の急激な社会の変化、特に地域生活の変化が子どもの発達にどのような影響を及ぼしているのかを実証的に解明しようとするものである。
▼木島孝之著『城郭の縄張り構造と大名権力』(A4判・682頁+折込27丁・17000円)西南地域大名領を事例に、本城・支城の縄張りを可能な限り視覚的に明らかにして、城郭の類型と大名の政治的・軍事的特質との関係を解明する。
▼井口正俊・岩尾龍太郎編『異世界・ユートピア・物語』(四六判・252頁・2400円)〈ユートピア〉は現実を改造する近代社会の思考様式と深い関係をもった。西欧文化の各時代・地域におけるユートピア譚の特徴を探り、更に東洋・日本の異世界思想との比較を論じる。
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東北大学出版会
▼タッド・ホールデン、阿部宏編著『記号を読む』(B5判、162頁、2000円)「日の丸」を見た時、私達は何を思い浮かべるだろうか。この本は、このような日常生活の中にある何気ない事柄を題材に、記号とは何かを考え、さらに、記号をキーワードとして、言語、文化、社会を読み解こうとするものである。記号が、言語、文化、社会の間をどのように行き交い、またこれらの領域がどのように影響し合っているのか、記号が人間行動の基礎を作っているという仮定の下で、文化社会現象を分かりやすく具体的に分析する。
▼細谷純著『教科学習の心理学』(A5判、250頁、2700円)本書は、1996年に中央法規出版から出版された同名の書の増補版である。著者の多くの著作のうち、書名に関するものを収録した。著者は、傍観的・中立的な研究者ではなく、教師と学習者の中に望ましい価値が実現することを願って実践的に行動する、生きた学問の追究者である。実際に教育に携わる人また教育研究を志す人にとって必読の書である。
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流通経済大学出版会
▼『JRは2020年に存在するか』角本良平著(A5判・3000円)
JR本州三社の今秋完全民営化に向けての具体的な準備作業が始まった。本書は元国鉄マンの著者がJR移行後の15年間を技術と経営の両面から総括し今後の課題を提起したものである。確かにこの15年はJR各社とも予想以上の好成績で推移した。しかしその内容を見ると技術の面でも経営の面でも旧国鉄時代に培っていたものが実を結んだ所謂「JR前効果」の寄与が少なくなかった、と著者は分析しているのである。その上で今後は、航空機や自動車などとの競争が激化する中で利用者の増加は望めそうにない事から一層の「経営の効率化」が求められるだろうと予想している。その方向としては、組織の再分割(分社化)、運賃体系の見直し、不採算路線の他手段への切替え、労働組合の動向への適切な対応等を提言している。また整備新幹線についても上下分離方式の採用によってJR自身への影響は旧国鉄時代のようなことは無いにしても、対応を間違えれば経営を危うくし兼ねないと指摘している。
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三重大学出版会
ジミー・ウォーカー著、松岡典子訳『戦争捕虜二九一号の回想ータイメン鉄道から南紀イルカへ』(A5判・256頁・1200円)第二次世界大戦中、英国より出征してきた兵士たちは、シンガポール到着後わずか10日で捕虜となりタイメン鉄道建設の重労働に就かされる。その後さらに300名の英国兵士が、日本は三重県の山中「イルカ」村に送られ、銅山採掘に従事させられる。1年4か月の労働の後終戦を迎え、彼らはイルカに16名の墓碑を残し、英国へ帰還した。それから47年。共に銅山採掘をした南紀のかつての中学生たちに日本へ招かれた元英兵たちは……。
ウォーカー氏は一介の兵士であり、彼の回想記は、彼の身の回りの出来事を書き綴ったものに過ぎない。だが物不足の兵営で文案を練り、記録を綴り、ニュースを発行する彼を見て、英国民なら「ハレルヤ」というだろう。過酷な体験を良識化できる人に幸い有れ、というわけだ。その回想記を読むと、戦争が反面、非常に個人的な体験をもたらすものであることを痛感する。
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関西学院大学出版会
▼圓田浩二『誰が誰に何を売るのか――援助交際にみる現代社会の性・愛・コミュニケーション』(四六判上製・320頁・3800円)
援助交際とは何か。男と女の間でほんとうは何が交換されているのか?
現代社会における性・愛・コミュニケーションを綿密なフィールドワークに基づいて検証する。
▼村上陽一郎・中村桂子・森岡正博・山極寿一・波平恵美子他
『生命科学と倫理』――二一世紀のいのちを考える――(A5判並製・240頁・2200円)
遺伝子操作が可能なこの時代に私達のいのちとは誰のものなのか?現代における生命の行方を探る。
▼ジム・コンセディーン/ヘレン・ボーエン 前野育三監訳
『修復的司法』(A5判並製・288頁・予価3200円)
少年司法の新しい可能性を探る。
▼山本剛郎
『地域生活の社会学』(A5判並製・259頁・3200円)
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