大学出版部ニュース
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北海道大学図書刊行会

▼池上二良編『ツングース・満洲諸語資料訳解』(B5判・13000円) 言語学研究にとって重要な基礎資料である原文資料を緻密な分析と訳を付して提示。言語研究者のみならず、神話学・文化人類学・歴史学の研究者にとり資するところ大である。
▼安西眞著『ピンダロス研究―詩人と祝勝歌の話者』(A5判・8500円) 現代の我々には未知の文学表現であるため、古代ギリシア最大の合唱隊詩人ピンダロスの詩は難解とされてきた。ピンダロスという詩魂が紡いだ言葉の根本を解明する意欲作。北大大学院文学研究科研究叢書1。
▼道幸哲也著『不当労働行為法理の基本構造』(A5判・4600円) 労働組合の結成、活動を法的に保護する不当労働行為法理・制度について、行政救済の観点から追求する。北大大学院法学研究科研究選書3。
▼常盤野和男・大友詔雄・田中幸雄著『最大エントロピー法による時系列解析』(A5判・2800円)有限長時系列のスペクトル解析理論と、時系列の最適あてはめ理論を解説。補遺として具体的な計算例を示すと共に簡易計算ソフトCDを付す。


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聖学院大学出版会

▼ラインホールド・ニーバー著/大木英夫・深井智朗訳『アメリカ史のアイロニー』(3800円)
 アメリカは20世紀の半ば、突如として、国民的経験も精神的準備もないままに世界史的勢力として台頭し、世界史の中に躍り出た。アメリカは経済、政治、文化などさまざまな分野で、世界に強大な影響力を与える存在になった。この「大国」アメリカは、どこに向かうべきか。
 著者は、世界史的「大国」となったアメリカの問題を「権力の腐敗」の問題として鋭く抉り出し、アメリカを自己認識と責任意識へと導こうとする。
 原書は、冷戦のもとにあった1952年に出版されているが、冷戦終結後のアメリカの一極集中体制、特に昨年の同時多発テロ事件に対するアメリカの対応など、現代の問題をも照射する預言者的アメリカ論である。
 聖学院大学出版会では、ニーバーの著書『光の子と闇の子』(武田清子訳)、またニーバーの研究書として高橋義文『ラインホールド・ニーバーの歴史神学』を出版している。


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麗澤大学出版会

大橋照枝著『環境マーケティング大全―エコ・エコノミーの実践のために』(四六判上製・3800円)
「環境問題」と軽々に発言し、単にそれを振りかざして行動することさえ知的営みといえないほど地球環境問題は深刻・複雑化している。「地球は人間なしに始まって、人間なしに終わるだろう」というレヴィ=ストロースの黙示録的な言葉が重く深く現実味を帯びてきているからだ。
 しかし、いかに矛盾をはらもうと、人類は存続しなければならない。如何に――。
 著者は、前著『静脈系社会の設計』において、ありうべき21世紀型社会像へのパラダイムシフトを提言した。
 本書は、いわばその実践版であり、環境マーケティングの理論と実践手法を展開しつつ、企業・生活者・行政の協働が不可欠であるとの視点を導入、意識革命を促す。


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慶應義塾大学出版会

▼柴田平三郎著『中世の春―ソールズベリのジョンの思想世界』(5000円)12世紀ルネサンスの代表的知識人「ソールズベリのジョン」の全体像を明らかにする我が国初の研究書。通説に反し、徳の涵養、中庸の精神、あるべき君主像を説いたジョンの思想を体系的に解説。
▼坂上貴之・巽孝之・宮坂敬造・坂本光編著『ユートピアの期限』(3400円)作家・小松左京等、慶應義塾大学文学部総合講座に参集した多士済々の17名による書き下ろし論集。ユートピア思想の「有効期限」を見据え、その更新を模索する。
▼奥出直人・後藤武編『デザイン言語―感覚と論理を結ぶ思考法』(2400円)感覚を意識的に統括し、イメージや空間のデザインを論理的に構築していく新しい思考法を、隈研吾・佐々木正人・東浩紀等各界で活躍する気鋭の論客が提唱。
▼戸沢行夫編『福澤諭吉著作集4 文明論之概略』(3000円)福澤が心血を注ぎ、文明の本質を体系的に論じた最高傑作。「多事争論」「自由な気風」の精神から日本〈近代〉の歩みを問う本書は、今改めて読み直されるべき一冊である。


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産能大学出版部

▼福室満哉著『流通維新』(1600円)企業を個性化させ発展させていくための14の鉄則、現場主体型のRTマネジメント法等、勝ちパターンに持ち込む経営法を、35年にわたる経験の中から具体的に述べている。
▼吉田博著『問題の整理と解決の方法』(1800円)「問題をハッキリ捉えることができれば、半ば問題は解決したのも同然だ」といわれている。本書は著者が考案した四角の法則(事実・影響・目標・目的)を基に、問題の捉え方や問題解決までの流れを、事例を含め図表化。問題を整理し、解決するまでの方法をわかりやすくまとめている。
▼山下福夫著『経営分析の進め方・活用の仕方』(1800円)会社で使われている数字、つまり財務諸表(貸借対照表・損益決算書など)のしくみと読み方、そしてそれを基にした経営分析の進め方・活かし方を、現場での会社指導やセミナー講師を長年務めてきた著者が記している。誰にでもわかるよう具体例を盛り込み、数字が苦手な人にも理解できるように、平易に解説されている。


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専修大学出版局

▼栄沢幸二『近代日本の仏教家と戦争―共生の倫理との矛盾』(2800円)
 椎尾弁匡、伊藤證信、西田天香、大谷光瑞など、第二次大戦前後の代表的仏教家の思想的・政治的言説と、その戦争に対する責任の取り方を、やはりその言説から検証する。
▼溝田誠吾編著『情報革新と産業ニューウェーブ』(4800円)コンピュータ産業や通信産業はもとより金融業、自動車、航空産業など既存の産業も情報技術革新やグローバル化の進展で、大規模合併や共同開発などの変革が著しい。それら新しい潮流を実証分析。
▼中野育男『学校から職業への迷走―若年者雇用保障と職業教育・訓練』(2800円)もはや高度成長は望めず、経済・産業の構造改革が進むなか、学卒無業者が増え、いわゆるフリーター(非正規就業者)となっていく現象も続いている。このような若年者を取り巻く雇用環境と職業教育・訓練について、諸外国の事例を基に比較実態分析をし、若年者に対する雇用保障としての諸制度の整備、立法の必要性を提言する。


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玉川大学出版部

2002年夏の刊行物より、日韓共同開催FIFAワールドカップ参加国に関する本を紹介します。
▼サイツ/松本栄寿・小浜清子訳『エッフェル塔物語』(2000円) 19世紀末の万国博のために建造されたエッフェル塔。一時的なものとみなされた鉄塔が、パリの象徴になるまでのお話。
▼ゲルファント/西田美緒子訳『小説のなかに見る異文化―近代ロシア、アメリカ、カナダ文学を比較する』(4000円) 文学作品の比較から、テクストに見え隠れする異文化について考える。小説を読む楽しみを提供してくれる本。
▼ブラウァー/野村文子訳『アメリカ建国の精神―宗教と文化風土』(4800円) アメリカ宗教史を歴史物語形式で語り継いだもの。アメリカの宗教と文化の原点を読みとるアメリカ史入門書。
▼河部利夫『アジアするこころ―異文化理解のあり方』(2000円) 21世紀のアジアにおける地域協力のあり方とは? 国際から「地域際」の時代、東北アジア地域協力主義の中に日本の生きる道があると説く。


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中央大学出版部

▼岡本正明著『アメリカ史の散歩道―30のエピソード』(2100円)著者がグロヴナーの町で研究生活中に植民地時代から21世紀までの歴史的エピソードに基づいて綴った30編を特選したアメリカ史の「拾遺物語」的好エッセイ集。
▼中央大学人文科学研究所編『埋もれた風景たちの発見―ヴィクトリア朝の文芸と文化』(7300円)出版当時大きな影響力を持ったヴィクトリア朝文学。その後時代の変化の中で埋没した作品と芸術思潮を再評価する試み。
▼伊従寛/山内惟介/J・O・ヘイリー/W・A・W・ネイルソン編『APEC諸国における競争政策と経済発展』(4000円)APEC加盟諸国における東西法文化の差異に配慮し、総論的な問題から個別国の問題まで様々な論文を収録。
▼白羽祐三著『日清・日露戦争と法律学』(4000円)明治以降における日本の戦争と法律学はいかなる展開をしたか?日清・日露戦争に対象を絞り、当時の社会情勢や国民意識などを裏付けながら、日本の天皇制国家が戦争に戦争を重ねて膨張してきた歴史を紐解く。


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東海大学出版会

▼B・G・デイビス著(カリフォルニア大学バークレー校教育開発担当副学長)/香取草之介監訳『授業の道具箱』(2800円)
 授業の準備やシラバスの作成方法、効果的な授業の進め方、いかにして学生にやる気を起こさせるか、多様な学生集団への対応など、日本の大学教員が模索している授業改善のためのアイデアやヒントが数多く収められている。教室での体験や教育に関する調査や理論から著者が得たものを教員に何が出来るかに焦点を当てたリファレンスブック。
▼三輪建二著(お茶の水女子大学教授)『ドイツの生涯学習』(2500円)
 ドイツにおける1980年頃からの政治変動や経済上の諸問題は、人びとのアイデンティティを動揺させ、その急激な変動に対応するために様々な学習活動に参加する必要を生じさせた。本書はそのような背景をふまえ、ドイツにおける生涯学習を全般にわたってわかりやすく解説している。近年、生涯学習の意義や役割が重要となってきている日本において、おおいに参考となる一書である。


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東京大学出版会

 日本全国の活断層の位置と特性がデジタル化され、DVDで閲覧できるようになりました。この▼中田高・今泉俊文(編)『活断層詳細デジタルマップ』(DVD2枚+解説書・日本列島活断層図、定価20000円)は、(1)日本全国について詳細な2万5000分の1地図に活断層を表現、(2)新たな判読作業でより確実度の高い活断層を認定、(3)活断層の位置と特性をデジタイズしてデータベース化、(4)過去数十万年の活動の特徴について得られた新知見を記載、(5)新開発のブラウザでスピーディな閲覧など、画期的な特色をそなえています。防災・都市計画に必須の資料として『朝日新聞』一面トップのニュースともなりました。WINDOWS 2000、XPに対応しています。


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東京電機大学出版局

〈1〉「情報デザインシリーズ」と〈2〉「Webサイト入門シリーズ」が、計3点刊行されている。いずれもB5判変型。
▼最新刊の、〈1〉シリーズ『ユーザビリティエンジニアリング原論―ユーザーのためのインタフェースデザイン』ヤコブ・ニールセン著/316頁/3700円(税別)は、人と情報との出会いをデザインするユーザビリティエンジニアリングのエッセンスを凝縮した、著名な研究者による理論的な原典。
▼〈2〉シリーズ(2)『Webサイトユーザビリティ入門―ユーザーテストから発見された「使いやすさ」の秘密』J・M・スプール他著/168頁/2400円(税別)は、ユーザーテストを通して、ユーザーから評価されるサイト構築のヒントを得る実践的調査レポート。
▼既刊の〈2〉シリーズ(1)『Webサイトエンジニアリング入門―次世代型Webサイト構築のための体系的アプローチ』T・A・パウエル著/296頁/2500円(税別)は、Webサイト構築に伝統的なソフトウェア開発技法の導入を提唱した初の本格的テキスト。いずれも篠原稔和監訳。


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東京農業大学出版会

〈シリーズ・実学の森〉
▼実学に生きる―東京農大生110人の証言 東京農業大学編
 東京農大でどんな勉強をし、どういう職業についたか。学生の卒業論文の研究内容がよくわかる。学生・卒業生のインタビューをまとめたもの。
   平成14年7月刊/B6判
   133頁/本体価格477円
▼シロアリ驚異の世界(第一巻)―実態リポート/虫酸が走るヤマトシロアリ 檜垣宮都監修 宮田光男著・写真
 シロアリの駆除と予防のプロ(株)チュウガイの宮田光男氏のライフワーク、ついに刊行。シロアリの驚異の世界を実態リポートしたもの。
   平成14年7月刊/A4判
   128頁/本体価格12000円
▼新世紀の食と農と環境を考える―世界学生サミットから 東京農業大学編
 第一回世界学生サミットの記録。成果は東京宣言として世界に発信された。これからの若者たちの活動と役割を示す。
   平成14年8月刊/B6判 
   280頁/本体価格2000円


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法政大学出版局

▼「書物による大学」をめざして35年、《叢書・ウニベルシタス》は、わが国有数の翻訳コレクションとして、おかげさまで定評を得てまいりました。しかし、七百点を越えるバックリストには品切れ書目もふえてきたのが実状です。そこでこのたび、重版プロジェクト〈精選復興〉を開始する運びとなりました。
▼第一回(本年9月)から第三回(明年4月)の復刊書目は決定済みです。詳細はパンフレツトをご請求下さい。また、第四回以降は、読者の皆様のリクエストも参考にして復刊書目を決定いたします。パンフレツト挟み込みの葉書にてリクエストをお寄せ下さい。なお、小局ウェブサイト(http://www.h-up.com/)でもリクエストを受け付けております。


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放送大学教育振興会

特殊教育関係三科目を開設
 盲・聾・養護学校などの特殊教育諸学校の教員は、いわゆる基礎免許状に加えて特殊教育諸学校免許状を持つことになっているが、付則にある特例条項によって現実には保有率が低い状況にある。
 今後の課題として盲・聾・養護学校に区分されている免許状の総合化が挙げられているが、平成9年7月の教育職員審議会の答申により教育実習の充実、特殊教育に係る内容の習得が必修化された。
 放送大学ではこの状況を踏まえて今年度第二学期(10月開講)から「特殊教育教諭免許状取得に資する科目」として以下の三科目を開設し、当会より印刷教材を発行する予定である。
『障害児教育論』(大南英明・緒方明子著)…障害児教育の制度・歴史・目的・教育の実際を解説する。
『発達障害児の心と行動』(太田昌孝編著)…障害児の心理・生理・病理を解説し教育的支援の実践的基礎を提供する。
『障害児教育指導法』(太田俊己・宮崎英憲・中坪晃一編著)…知的障害養護学校の教育課程・指導法を解説する。


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明星大学出版部

 太平洋戦争が終焉してから半世紀が過ぎ、戦後教育の在り方が問われる昨今、日本の戦後教育の原点となった連合国軍による占領下の教育改革に関連する小社刊行の書を紹介します。
▼J・C・トレイナー『Educational Reform in Occupied Japan』(B5判・450頁・3000円)
▼児玉三夫編『Educational Documents of Occupied Japan Vol.1 CIE(15 February 1946)Education in Japan』(B5判・336頁・3000円)
▼児玉三夫編『Educational Documents of Occupied Japan Vol.2 CIE Bulletin』(B5判・504頁・5000円)
▼児玉三夫編『Educational Documents of Occupied Japan Vol.3 CIE Bulletin』(B5判・538頁・5000円)
▼児玉三夫編『Educational Documents of Occupied Japan Vol.4 CIE Bulletin』(B5判・326頁・3000円)
▼土持ゲーリー法一『占領下ドイツの教育改革―アメリカ対独教育使節団とアメリカ対独社会科委員会』(A5判・264頁・2700円)


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早稲田大学出版部

▼『中国の政治―開かれた社会主義への道程』(曽憲義・小口彦太編)、『中国の経済―開放戦略の理念と手法』(賀耀敏・大西健夫編)、『中国の社会―開放される12億の民』(鄭杭生・奥島孝康編)[ワセダ・リブリ・ムンディ33〜35、各3000円]中国の現状を日本と中国の研究者が最新情報により多角的に分析する。
▼『江戸の阿蘭陀流医師』(杉本つとむ、8500円)日本の近代医学は蘭学を基礎として発展した。大槻玄沢、宇田川玄真・榕庵、海上随鴎をはじめ、江戸時代の蘭方医たちの活躍を描く。
▼『ユニバーシティ・ガバナンス―早稲田大学の改革』(奥島孝康、3500円)大学の教育、研究そして運営はどうあるべきか。大学改革の実践を通して大学統治のあり方を追求する。


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名古屋大学出版会

▼田中正明著『日本淡水産動植物プランクトン図鑑』(9500円) 最新の分類学的知見に基づき、日本に棲息する約1800種を包括的に収録。図や写真を多用し、分類同定作業に役立つよう配慮した決定版。創立20周年記念出版
▼岩崎宗治著『シェイクスピアの文化史―社会・演劇・イコノロジー』(4800円) 同時代の文献や図像に隠された重層的な意味を解読し、さまざまな力が相互に干渉しあうダイナミックな場としてシェイクスピア劇をとらえる。
▼ケネス・E・フット著/和田光弘他訳『記念碑の語るアメリカ―暴力と追悼の風景』(4800円) 癒しがたい悲劇と暴力はいかにしてアメリカの景観に刻み込まれ、社会の記憶を創り上げてきたか。さまざまな場所が語る物語に耳を傾け、そのメカニズムを明らかにする。
▼田中恭子著『国家と移民―東南アジア華人世界の変容』(5000円) 華人移民と国家とのせめぎあいを、アイデンティティの変容と国民統合の過程を軸に描き出すとともに、華人をめぐる東南アジア諸国と中国との関係を鋭く分析。


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京都大学学術出版会

▼飛鳥井雅道『日本近代精神史の研究』5500円/「文学史の勉強をつづけるつもりが、いつのまにか思想史から政治史の分野にまでまぎれいってしまって」とする著者は、その鋭い感性を武器に、単なる実証には止まらない独自の地歩を築き上げた。焦点は日本近代、江戸後期から明治期に当てられたが、主題はつねに思想と人、つまり精神の有りようにあった。本書は、惜しまれて去った著者の単行書未収載の論考一六篇から成る。本居宣長から、明治初期の政治文化、天皇論にいたる三部構成で、著者が生涯をかけて取り組んできた主題=日本近代精神に縦横な思考が展開される。そのなかで、例えば著者の出世作「政治小説と「近代」文学」の再論が展開されるなど、著者の最後の単行書にふさわしいスケールになっている。
▼テレンティウス『ローマ喜劇集5』木村健治他訳(西洋古典叢書第II期)4900円/都会派人情劇作家の全六作品を一挙収載する。大衆派プラウトゥスの二〇篇(1〜5)に加え、本書をもって『ローマ喜劇集』全五巻が完結。


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大阪経済法科大学出版部

▼『現代イタリアの極右勢力―第二次世界大戦後のイタリアにおける急進的右翼』F・フェラレージ著 高橋進監訳A5版330頁、予価6000円/【近刊】
 本書は、戦後イタリアにおける様々な「急進右翼」運動を政治社会学的に分析したものである。軍、諜報機関、官僚、政治家と急進右翼との裁判記録などを基に詳細に分析しており、戦後イタリアにおける急進右翼運動研究の第一級の著作であるといってよい。
 本書には民主主義国家であるはずのイタリアで、1980年代まで極右勢力と連携した軍部や国家機関の中枢によるクーデター計画や、右翼に極めて好意的で犯罪を隠蔽する裁判所や国家権力があったことなどが詳細に記述されている。
 歴史的に見れば、テロは政治的手段として様々な局面で使用されてきた。テロや暴力の根源はその社会の中に存在してきたのであり、民主社会は暴力ではなく社会・政治改革でその克服に努めてきた。
 今、この歴史の教訓を生かし、民主社会が改革を実現し、テロと暴力をいかに克服できるかが問われている。


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大阪大学出版会

▼濱口智尋・谷口研二監修/島亨・有門経敏著『集積回路工学概論』2500円 諸技術の集大成である半導体のブラックボックス的製造過程を解体した、技術者の育成を目的として解説した教科書。
▼川中宣明・宮西正宜編『現代数学序説III』2000円 ゲームや伝統的文様の中にひそむ数学の話など、数学が面白く、好きになる現代数学の玉手箱。I・II巻も好評発売中(各2300円)。
▼野村正勝・小松満男・町田憲一編『一目でわかる先端化学の基礎』2200円 先端化学技術の基盤となる知識を系統的にまとめたフレッシュマン向き教科書、化学OB社会人のリフレッシュ教養書。
▼阪大フロンティア研究機構編『大学改革とナノテクノロジーの未来』1000円 学部(研究科)の壁を超えた共同研究や、新しい産学連携の形を創造してゆくナノテクの未来図を描く。
▼〈大阪大学新世紀セミナー〉ニュース・新刊=森勇藏編『究極の物づくり』・逐次刊=山内直人『NPOの時代』/杉原薫『アジア太平洋経済圏の興隆』各巻=A5判・96頁・本体1000円


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関西大学出版部

▼関西大学文学部中国語中国文学科『文化事象としての中国』(4300円) 古代から現代に至る中国の文化事象を、時代的特質と多様性を視界に収めつつ、文学・思想・語学の諸分野から総合的にとらえる。関西大学における中国学の到達点を内外に示し、今後の中国研究に新たな展望を拓く学科創設50周年記念論集。
▼藤善眞澄編著『福建と日本』(3400円)悠久の日中交流史に大きな位置を占める福建と日本を基軸にして、日中両国八人の研究者が古代から近代までの文化交流史を人・物・ことばの往来や美術工芸・建築・経済などの面から多角的に執筆する。
▼橋本征治著『海を渡ったタロイモ』(3500円)太平洋地域の熱帯・亜熱帯農耕の基幹作物であるタロイモが、海を渡った経路を辿って、各地域の栽培様式や技術を丹念に実地調査し、比較検討を加え、その地域性と斉一性を明らかにする。さらに農耕儀礼や神話伝承も取り上げ、タロイモ栽培が紡いできた時間と道筋に各地域を位置づけ、タロイモ栽培文化の伝播と拡散の構図を描く。


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九州大学出版会

▼トマス・ウィルソン/上利・藤田・加茂訳『修辞学の技術』(A5判・298頁・3800円)英国最初の古典修辞学書(1553)の本邦初訳。弁論術と詩学の両面で本書がもつ意義は大きい。古典修辞学にならい、話題の発見、配列、表現法、記憶術、演説法を詳述。
▼新井光吉著『アメリカの福祉国家政策―福祉切捨て政策と高齢社会日本への教訓』(A5判・390頁・6200円)アメリカの福祉国家政策は戦後一貫して二分法政策(社会保険優遇と公的扶助抑制)を追求してきたが、福祉受給者が逆に増加したために社会復帰政策や最低所得保障政策の挫折を経て勤労福祉制度を強化し、脱福祉と就労を強制し現行の福祉制度を廃止するに至った。
▼高橋隆雄編『ヒトの生命と人間の尊厳』(A5判・300頁・3000円)〈熊本大学生命倫理研究会論集3〉ヒト胚・胎児の道徳的地位と人間の尊厳を論究。
▼江淵一公著『バイカルチュラリズムの研究―異文化適応の比較民族誌』(A5判・580頁・9500円)前著『異文化間教育学序説』の改訂新版。


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東北大学出版会

▼ブラッド・アラン・ルイス著/榊原章浩訳『カシタス湖の戦い―エクセレンスを求めた一人の男の物語』(四六判、307頁、1800円)本書は、二人のアメリカ人が1984年のロスアンゼルスオリンピックのボート競技で金メダルを獲るまでの修練の物語である。著者は東北大ボート部に関わり、多くのボート部員にこの感激を味わってもらうために翻訳した。何らかの目的を成し遂げたときの充実感は、ボート関係者だけでなく一般の人の共感を呼び起こすであろう。
▼村井則子著『母親の心理学―母親の個性・感情・態度』(A5判、250頁、1800円)母子関係は、心理学の主要なテーマの一つであるが、従来は子供を中心とした研究が主流であった。本書は、妊娠、産褥期から、養育初期、幼稚園児の母親の時期に至るまで、女性の心理状況、母親の性格と育児態度、それらと子供の性格との関係等を、主として母親に対してのアンケート調査を行うことにより、分析したものである。母親の個人差や個性を認めた上での親子関係の見直しが必要であると説く。


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流通経済大学出版会

▼流通経済大学名誉教授・大竹庸悦著『内村鑑三と田中正造』(2800円)
 定着した評価をくつがえすのは、かなりの困難をともなう仕事である。
 本書は、その注目度は異なるとはいえ、日本の近代史上にそびえ立つ、個性豊かな巨人二人を取り上げた。内村は特に、「教育勅語事件」によって思想性が称揚され、田中は「公害撲滅運動」の原点に立つものとして行動が賞賛される。
 二人は同時代人であり、交友も親密であった。しかし当然ではあるが、決して同質ではなかった。内村はその出自のせいか、特殊なグループに囲まれ温存され、次第に神話のヴェールのなかに憩うに到ったように見える。だから、求められるのは相対化の視点ではなかろうか。
 一方、田中は生涯「下野の百姓」を自認し、驚くほど多くの講演原稿や手紙、歌を残しているが、決して文筆家ではなく、行動の人であった。その行動と思想は一体であった。
 その田中が内村をどう捕えたか、特に内村と政治との係りを中心に据えて見ると、内村の信仰・宗教の内実が露になる。


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三重大学出版会

▼樋廻博重著『食事のためのおもしろ栄養学』A5判、161頁(940円+税)
1章 「食物繊維」の効果
2章 EPAとDHAの驚くべき効用
3章 ビタミンCの多様な作用
4章 ビタミンDの体内での生成と作用
5章 ビタミンEの多様な作用
6章 ストレスに強くなるための栄養
7章 乳児期にしてあげる大切なこと
8章 成長期の栄養は一生を左右する
9章 無機質の適量の摂取が大切
10章 老年期の栄養に気を付け長寿に
11章 有害な腸内細菌の増殖を抑制する
12章 肥満の原因とその予防法
13章 便秘の原因とそれを治す方法
14章 便秘による乳癌の誘発とその予防
15章 脂肪肝と高脂血症のヒトの食事
16章 純日本食は欧米人の理想食
17章 緑茶成分の驚くべく効用
 「健康志向」の中高年と「食育」の向上が必要な児童生徒のご両親向け解説書。近年話題の「食物繊維」、EPAとDHA、各種ビタミン、肥満、脂肪、緑茶成分など、主要な話題の基礎知識を分かりやすく提供する。医者帰りに読む一冊。


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関西学院大学出版会

近刊
▼田村和彦著『魔法の山に登る―トーマス・マンと魔の山』
(四六並製・300頁・予価3000円)
既刊
▼山路勝彦・田中雅一編『植民地主義と人類学』
(A5上製・600頁・18000円)
第一部 人類学と植民地の記述
第二部 統治政策と技法
第三部 植民地化とジェンダー
第四部 文化の創出と展示
第五部 ポスト・コロニアリズムの表象と葛藤
▼片寄俊秀著『商店街は学びのキャンパス』
(四六並製・224頁・2200円)
▼木野光司著『ロマン主義の自我・幻想・都市像―ホフマン文学の独創性と現代性の研究』(関西学院大学研究叢書)
(A5上製・407頁・10000円)


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