部会だより(営業部会)

 40周年記念ブックフェアを終えて

 日本大学出版部協会創立40周年の記念事業の一環として、昨年2003年度は、4月の東京国際ブックフェアを皮切りに、全国の大学生協と書店においてブックフェアを2004年2月まで開催した。
 東京国際ブックフェア2003では、例年よりブースを拡大し、2倍のスペースで出展したことは、会員社の出版物が直接読者と、より多く出会える貴重な機会であったといえる。
 一方店舗においては現品展示のほかに、専用カタログによる販売、また書店の協力で実現したネット上でのプロモーションは、どちらもフェアでは初めての試みであった。
 今回のフェアは、現品展示を基調としつつも、紙、電子と媒体物こそ違いはあるが、現品と離れた普及方法の試みが始まった、貴重なフェアであったと評価している。また何万冊かのテキストや研究書等が、必要とする読者の手に渡った事実を、販売目標を達成したこと以上に受けとめておく必要があると考えている。




 関西支部だより

 PR誌『理(コトワリ)』の創刊について

 関西学院大学出版会ではこの5月に当会PR誌『理(コトワリ)』を創刊した。
 単に発行書籍のPRにとどまらず、新たな単行本企画へと結びつける「場」としての機能を持つことを意図したものである。現状ではまだまだ独自企画を数多く出版するのは難しく、刊行点数を安定させることが出来ない要因となっている。学内に散見する、未だ文章にまとまってはいないが企画へと発展する可能性のある題材などを、比較的気軽にこの冊子に提供してもらうことで本企画へと発展させるための契機としたい。その際こちらから積極的に著者にアプローチするための具体的ツールとしてもこのPR誌を活用したいと思っている。もちろん企画立案・編集の方向付けは、編集長のもと専門分野に応じて各編集委員の教員に協力を仰いでいる。
 またすでに独自企画として進行している『日本近代人名地図』、『差異の詞典』を順次連載しており、将来単行本として刊行することを目指している。PR誌の側面としては、著者自身による自著の紹介やその書籍のテーマを専門とする第三者との対談・座談会なども企画し掲載している。
 当面は無料配布で、主に当会発行の書籍に挟み込んで流通させる。もちろん書店へのDMにも同封する。大量に頒布するものではないが、だからこそ一時的な流行ではなく、真によいコンテンツを継続して取り上げていきたい。先験的な思いこみに支配されない、真の「理」を探る姿勢を表すものとして誌名を『理(コトワリ)』と名付けている。最近の社会状況をみても、物事の筋道や道理にかなっていないことがあまりに多いのではないだろうか。こういった問題意識を誌名に込めている。今後年4回発行、16頁程度と、今のところ先輩各社の内容豊富なPR誌には比べようもないが志は高く、この『大学出版』のように読者と著者を結ぶネットワーク形成の「場」として充実・発展させていきたいと考えている。
田中直哉(関西学院大学出版会)




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