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北海道大学図書刊行会

▼高井宗宏編『ブルックス札幌農学校講義』(B5判・10500円) これまでクラークの陰に隠れていたW・P・ブルックス教授が1877−79年に北海道大学の前身である札幌農学校で行なった農学講義を、第二期生新渡戸稲造らの講義ノートから再現し、これに章ごとの解説とその後の継承・発展の経緯を加えた。
▼前野紀一著『新版 氷の科学』(四六判・1890円) 「氷」といえば家庭で容易に作られる身近な存在でありながら、その実体に関してはごく断片的な知識か、半世紀前の不確実な内容に基づいて紹介されていることが多い。結晶構造から土星の輪の氷の話まで、氷の物理・化学的性質を、最新のデータにより興味深く紹介。
▼池上二良著『北方言語叢考』(A5判・4935円) 傘寿を越えた著者による、これまでの著書の枠に収まらなかった、北方諸言語にまたがる概説、アイヌ語や日本語とツングース語の関係などを論じた大小一八篇の論文・記事を収録。入門的文章も含め、著者の真摯な学問的姿勢と高い水準に貫かれた、最後の研究記述の集成である。


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東北大学出版会

▼大平千枝子『阿部次郎とその家族−愛はかなしみを超えて−』(四六判、324頁、2300円(税込))『父阿部次郎』の待望の続刊。「かなしみを超える愛」−父と母の隠された真実を追い求め、そして姉と弟の希有な姿をとどめておくために、渾身の力を込めた畢生の書。結婚以前の父次郎と母つねを襲った忌まわしい「事件」とはなにか。家族のその後を運命づけるこの事件を核心に据え、成長する子供たちの様々な姿を通して、家族の「愛とかなしみ」の絆が解き明かされていく。『三太郎の日記』執筆の真の動機が今はじめて明らかになる。
▼ステファン・キースリング著/榊原章浩訳『エール大学対校エイト物語』(四六判、238頁、1890円(税込))エール大学ボート部は、栄光の対校エイトに選ばれるため、伝統を誇るハーバード大学との定期戦での勝利を目指し、学生生活のすべてを懸けて戦う。未経験者から一流選手へとクルーの仲間と共に成長していく過程がユーモラスに描かれている。ボート選手の味わう極限の苦しみと無上の歓喜を楽しんでいただきたい。


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流通経済大学出版会

 文部科学省所管の教育情報通信衛星の2時間利用枠を使い、全国約二千施設(エルネットを構成する文科省関連研究機関・主要公立図書館・地域教育センター・小中高大等)へミシガン大学情報大学院から遠隔教授の公開実験を行った。
 1時間目では、知識労働者社会を想定して、知的活動と電子図書館の現状について講義を行った。さらに情報大学院長が、高度電子図書館機能に関連する研究教育や図書館の地域情報センター化の現状について、日本語訳付き講義を行った。
 2時間目では、学習者が院長へ質疑ができる仕組みを実験した。海外機関との連携学習で問題になるのは、英語などの語学である。この解決法は、費用対効果の観点から機械翻訳システムを活用するしかない。そこで、インターネットテレビ会議システム・機械翻訳システム・電子メール・掲示板システムの一体運用により、学習者と院長間のメール交換に機械翻訳システムを介在させてみた。
 この実験の成功により、オープンカレッジの名に相応しく、言語の壁を遠隔学習から取り除けることを示した。(市川)


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聖学院大学出版会

▼倉松功著『私学としてのキリスト教大学――教育の祝福と改革』(四六判、税込価格3150円)
 戦後日本の私立大学は、高等教育機関としての重要な位置を占めてきた。しかし、現在、大学設置基準の大綱化以後の教養教育の再編成、大学院の重点化、第三者機関による教育・研究評価制度導入、など、私立大学は、大きな変革を求められている。その理由は、18歳人口の減少による大学経営の困難が目前に迫っていることだけではない。大学が変革せざるを得ないのは、現代の社会が求める人材の養成のために、大学はどのような教育を実施すべきなのか、大学はどのような機能が果たせるか、の大学に突きつけられた根本的問いがそこにあるからである。
 「私立大学」は、この変革の要請にどのように応え、私立大学としての「建学の理念」にたった高等教育を提供できるのか。筆者は、本書で、東北学院大学学長として取り組んできた「現代における私立大学としてのキリスト教大学の意義とは何か」という根本問題に答える。


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聖徳大学出版会

 本学出版会「心と身体の癒しシリーズ」の第二巻は、先に、お知らせしました森彪著の「医と癒し」(仮題)ですが(12月刊行予定)、第三巻は身体と心の関係について「スポーツとメンタル」(仮題)と題して現在執筆に入っております。著者は、本学の花沢成一教授(臨床心理学)と永島正紀教授(精神医学)です。〔2005年4月刊行予定〕
 それぞれオリンピック選手の心理面でのアドバイザーでもあり、さまざまな具体例も取り上げた興味ある内容となるものと思われます。
 また心と身体の関係が科学的にかつ具体的に解明されることが期待されます。社会のシステム化が進行するなかで人々のストレスは拡大する一方です。
 「心と身体の癒しシリーズ」を、読んで頂き、豊かな心身を維持し育む契機となれば幸いです。
 少子化高齢化の時代にあって、経済の状況も安定したものではありません。そのような時、天から与えられたなにものにも変えられない心と身体を守る工夫と知恵がこのシリーズに収められています。


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麗澤大学出版会

▼岩見良太郎著『「場所」と「場」のまちづくりを歩く』(2730円)イギリスは本当に成熟した市民社会なのか? 苦闘するイギリスの「まちづくり」の中に新たな「まちづくり」の可能性を求めて、英国の諸都市を巡歴し、足で書いた思索ノートとエッセイ。「日本のまちづくりを考える」を併載。
▼大藏雄之助著『一票の反対――ジャネット・ランキンの生涯』(1680円)1941年の日米開戦にあたって米国国会での参戦決議案にたった一人反対した国会議員がいた。激動の20世紀史を背景に、反戦を貫き、しかも華麗に生き抜いた「知られざるヒロイン」の生涯を描き、反戦・平和とジェンダーの意義を問う。
▼斎藤茂太著『ストレス知らずの処方箋――うつを吹き飛ばす生き方』(1365円)


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慶應義塾大学出版会

▼新倉俊一著『評伝 西脇順三郎』(3150円)日本の近・現代詩に、その豊饒な言語的感覚をもって衝撃を与え、いまだに多くの愛読者をもつ西脇順三郎の初の本格的評伝。西脇伝記の決定版である。
▼朽木量著『墓標の民族学・考古学』(6090円)日本とニューカレドニア日系移民の墓標という2つの素材をもとに、民俗学、民族学・考古学、近世地域史、近世経済史にわたる文脈の中で墓標の歴史的意味を明らかにする気鋭の論考。
▼野村浩二著『資本の測定−日本経済の資本深化と生産性』(慶應義塾大学産業研究所叢書、6510円)経済成長や生産分析において最も重要な生産要素の1つである資本の概念と、整合的な測定方法からその構造分析までを網羅した、第一級の「資本」研究書。
▼徐承元著『日本の経済外交と中国』(3045円)中国との友好関係の確立・維持や争点の処理に際し、日本政府は経済的手段をいかに活用してきたか。日本の対中政府資金供与における政策過程と経済手法、その影響を、1978−97年の各内閣期ごとに綿密に検証した労作。


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産業能率大学出版部

厚生労働省実施「ホワイトカラー職務能力評価試験」テキストとして最適な1冊
▼山田庫平他編著『財務管理実務』(2100円)
 本書は現代の財務管理の実務を体系的にまとめたものです。理解しやすいように具体的な計算例と解説をふんだんに取り入れ、平易で簡潔にまとめられ、財務管理を学習したい方やすでに実務に携わっている方々の基本書・参考書として最適です。
▼『OPEN INNOVATION――今求められるオープン・イノベーション型社会構造――』(2100円)
 本書は、ハーバード・ビジネス・スクールで研究されている最新のイノベーション理論をベースに、従来型のクローズド・イノベーション手法の限界を知り、新たなオープン・イノベーションの道案内となるべく執筆されました。
 著者の人的ネットワークを駆使した調査にもとづく内容があますところなく紹介されている点は類書を圧倒しており、ビジネス専攻の学部学生やMBA志望者はもとより、ビジネスマン必携の書です。


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専修大学出版局

▼藤本一美・濱賀祐子著『米国の大統領と国政選挙――「リベラル」と「コンサヴァティブ」の対立』(2520円)
 アメリカでは、30年代にルーズベルト大統領が推進したニューディール政策以後、主として民主党の主導による連邦政府の役割と権限の強化が進んだ。一方では60年代後半から新保守主義が台頭してきて、おもに共和党がそれを担った。このように戦後のアメリカでは、民主党と共和党の2大政党の対立軸による政権交代が行なわれ、その舵とりを担ったのが歴代の大統領であったといえる。本書は、第二次大戦後のアメリカにおけるすべての大統領選挙と中間選挙を取りあげて、政治・経済・外交等の争点を示し、「リベラル」と「コンサヴァティブ」の対立の視点から、米国政治のダイナミクスを概観しようとするものである。


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大正大学出版会

▼本会は大正大学事業法人制作の書籍を販売している。本学客員教授養老孟司著『真っ赤なウソ』(定価1200円)、まんだらライブラリーとして、石上善應著『地獄訪問』(定価724円)、ひろさちや著『釈迦物語』(定価724円)、野田文隆著『間違いだらけのメンタルヘルス』(定価724円)の4冊。養老氏は最近多くの本を出版、注目されており反響もあった。ライブラリーシリーズは、今秋に、ひろさちや編『仏教はあなたを救えるか』を刊行予定。
▼青木聡他著『臨床心理学のための調査研究入門』(定価2500円)を重版した。臨床心理学における調査研究の方法を身につけることを目的とした入門書。
▼清水宥聖・千葉眞郎編『与謝野晶子書簡集−印影と翻刻−』(定価12600円)。情熱の歌人晶子の『みだれ髪』刊行直前(明治33年から34年)の書簡43通の印影と翻刻。
▼寺内大吉・永井路子著『史脈瑞應』(定価1995円)。昭和30年代の『近代説話』の発刊のいきさつ。また同人であり直木賞作家が仏教文学の真髄を語り合う。


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玉川大学出版部

▼『國語問題論争史』(土屋道雄著・5250円)当用漢字と現代仮名遣いという戦後の国語改革は大論争を引き起こす。この問題は明治以来のもので、本書は、そうした論争を克明に辿ることにより、日本語の正しい表記法を提言する。
▼『A FRIEND』(谷川俊太郎・文/和田誠・絵/A・ビナード訳・1785円)大好評の絵本『ともだち』英語版。小学校の総合学習における英語の教材に、また家庭での早期英語教育用の絵本として、将来世界にはばたくこどもたちの情操を養うのに最適の本。
▼『アジア・オセアニアの高等教育』(馬越徹編・4725円)アジア金融危機を契機に、大胆な改革戦略を実施に移しつつあるアジア・オセアニアの高等教育。国際的競争に耐えうる教育システムの構築に果敢に挑戦している各国の動向。


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中央大学出版部

▼藤本哲也著『犯罪学の窓』(3150円)平成の時代に入って制定された新立法を分かり易く解説。犯罪学を通して社会に警告を発した好著。
▼奥本勝彦・林田博光編著『マーケティング概論』(2520円)消費者や顧客の欲求が多様化しマーケティング戦略も高度化。難解なマーケティング論を易しく解説した初学者向けのテキスト。
▼早川善治郎編著『現代社会理論とメディアの諸相』(5250円)21世紀の社会学の課題を明らかにし、文化とコミュニケーション関係を解明。さらに日本の各種メディアの現状を分析する。
▼中央大学人文科学研究所編『剣と愛と――中世ロマニアの文学』(3255円)12世紀、南仏に叙情詩、十字軍から叙事詩、ケルトの森からロマンスが誕生した。ヨーロッパ文学の揺籃期をロマニアという視点から再構築する。
▼糸井重夫著『現代の金融と経済』(2100円)70年代以降の国際金融の変容を、金融理論・金融政策・金融規制監督制度の面から整理し、これが日本経済に与えた影響を検討する。


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東京大学出版会

▼『山口晃作品集』(B5判、横本、104頁、本体2800円)
 日本橋三越本店の100周年キャンペーンで話題になった現代美術作家の第一作品集。緻密、過剰、繊細、機知、諧謔――油画を学んだ画家が、日本美術の方法を駆使し、日本画と西洋画、ペインティングとドローイング、美術とサブカルチャーといった近代的な二分法を超えた独自の世界を展開する。解説・山下裕二(明治学院大学教授)、カラー図版80頁。ルーペしおり付き。屏風絵のような大作からハガキ大の作品まで六十余点収録。


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東京電機大学出版局

 コンピュータ・ネットワークは、初期形成段階を過ぎ、社会のインフラとしてすでに定着した。その利用も社会全体に及ぶようになって久しい。しかし、ネットに関する議論は、産業政策あるいは企業利益の面からがほとんどである。また、一般には「時代に乗り遅れるな」とか「ネットはコワイ」といった脅迫が幅をきかせている。この現状は、ネットユーザーをとまどいと不安のなかに宙づりにし、社会の自律的再生を妨げている。
▼遠藤薫編著『インターネットと〈世論〉形成−間メディア的言説の連鎖と抗争』(3675円)本書は、インターネットがコミュニケーション・メディアとして埋め込まれた社会における〈世論〉形成の諸相を記述・分析・考察したものである。現在の社会において考えられるべき認識枠組みを提示したうえで、2ちゃんねる、電車男、ブログ、Winny、佐世保事件、反日など、ビビッドな事例を取り上げ報告。さらに、2ちゃんねる管理人西村博之と編者の対談を収録した。読者自身がネットワーク社会の中で考え、活動するための足がかりを提供する。


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東京農業大学出版会

▼畑の土と水 湿潤地域の畑地灌漑論 駒村正治著
 わが国各地の畑地土壌や畑地灌漑及び畑作農業に触れ、個々の調査報告、著書及び掲載論文を取りまとめたもの。畑地灌漑の改善及び進展に役立ててほしい。
 平成16年2月/A5判/137頁/税込価格1470円
▼食品市場の展開と地域フードビジネス 美土路知之著
 フードビジネスについての全般的な理解を深めるためのテキストとして、上述した食品市場の市場再編とそれにともなう、生産者・消費者・ビジネスの諸関係、現状や問題点などを整理したものである。
 平成16年4月/A5判/194頁/税込価格2100円
▼減農薬で丈夫な野菜作り 古谷正著
 野菜生育のための環境条件はどのようにあるべきか。野菜17品目についてその特性と減農薬栽培のためのポイントをまとめたもの。
 平成16年6月/A5判/192頁/税込価格2100円


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法政大学出版局

▼『横山源之助全集』(全9巻・別巻2/内容見本呈)2000年10月に刊行を開始した、社会思想社版『横山源之助全集』を継承し、残る八巻を刊行致します。再開第1回(通算第4回)は、第5巻『富豪史(一)』(A5判・1万2600円)下層社会の研究に劣らず豊富な量と内容をもちながら、ほとんど顧みられることのなかった明治富豪史研究の前段階に位置する作品群を収録する。富豪を論じつつ、その陰に敗れ去った者たちにも光を当て、富豪の問題を社会問題として位置づけた諸論考は、横山の特異な史観の本質を明らかにする。
▼『社会の芸術』(N・ルーマン著・馬場靖雄訳・四六判・8190円)多様性と個性の世界である芸術は、社会システムの中でどう存在するのか。直観と想像力、知覚とコミュニケーションの機能に注目しつつ、システムと環境、メディアと形式、観察の一次性と二次性、自己言及と他者言及、等々の差異・区分によって芸術システムを究明し、他の社会的諸機能システムとの相互的な刺激の可能性を示唆する芸術の社会理論。


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放送大学教育振興会

▼看護教育関係の科目を開講
 平成16年4月より医療の質の向上をはかるために準看護師が看護師資格を得るための教育を推進することになった。放送大学でもその社会的要請に応えるべく「準看護師の看護師資格取得に資する科目」を開設し以下の4科目を開講した。
「基礎看護学」…看護専門職として必須の専門知識や看護技術を学ぶ。二学期より開設された。
「在宅看護論」…在宅療養を支援する訪問看護の制度や支援の実際を学ぶ。二学期より開設された。
「精神看護学」…精神看護実践の基礎、患者との関わり方、地域ケア、新たな精神看護の模索などを学ぶ。夏季集中講義として開設。
「老年看護学」…高齢者看護の目標と加齢に伴う諸機能の変化、疾病・治療とリハビリ、ケアの実際について学ぶ。夏季集中講義として開設。
▼「中央アジアの歴史・社会・文化」
 中央アジアという特色ある地域がどのようにして形成されたか、その社会と文化の多様性について学ぶ。二学期開設。


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武蔵野美術大学出版局

『デザインの原郷 1944-2004』
網戸通夫著、菊判、304頁、3045円、カラー図版多数収録。
 60年代から70年代を家電メーカーのプロダクトデザイナーとして過ごした後、30年にわたって教鞭をとる武蔵野美術大学教授による異色のデザイン史。
 「デザインとは、私たちの日々の営み、その中に培われる『知と情』に支えられた暮らしのバランス、つまり生活そのものを考えること」という著者の原点は1944年。敗戦を京城(現・ソウル)で迎えた7歳の少年は、引揚げを絵日記に綴る。当時の記録《朝鮮から日本へ》をはじめ、会津藩・鍔師の末裔としての歴史観も見え隠れする私的デザインの旅。


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明星大学出版部

▼井出洋一郎著『新版・美術館学入門』
  本文350頁/カラー図版20頁/四六判並製 3675円(税込)
 この十年の間に美術館を巡る環境は一変した。いまや市民の美術館など不要とされかねない社会になりつつある。文化芸術の推移だけを見ていては美術館の運営は立ちゆかないのが現実である。内外の政治経済と連動しているからである。こうした困難な状況の下でそれぞれの美術館の存在理由が問われている。
 しかしながら、私たちの不安な毎日を癒してくれるのは、人間の愛情とゆたかな自然、そしてすぐれた美術や音楽などの芸術の恵みである。芸術への愛、それを人々と分かち合いたいと願うスタッフの情熱を生かし、磨いてゆくこと――。
 語られる事柄は経験に裏打ちされ、紹介される事例は具体的である。そのノウハウは学芸員をこころざす人、美術館担当者、美術愛好者への心構えとヒントに満ちている。現況を分析し、新たな成熟に向けて、近未来を見据えた21世紀の美術館像を提言する格好の道案内。


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早稲田大学出版部

▼『スウェーデン ハンドブック[第2版]』(岡沢憲芙・宮本太郎編/3150円)年金問題や男女共同参画で新たな注目を浴びるスウェーデン。その現状を、福祉を初め政治経済から文学まで、第一線の研究者が余すところなくレポートする。最新情報に基づく全面改訂版。
▼『比較のなかの中国政治』(日本比較政治学会編/3360円)民主化の現状や国家と党、中央と地方の関係等を比較政治学の観点に立って分析し、ダイナミックに変容する中国政治の特質を明らかにする。日本比較政治学会年報第6号。
▼『黒澤明をめぐる12人の狂詩曲』(岩本憲児編/2730円)黒澤作品に触発された12人の執筆者が黒澤明を求めて独自のアプローチでその世界にせまる。藪野健画・写真も多数収録。


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東海大学出版会

▼『自然学−自然の「共生循環」を考える』藤原昇・池原健二・磯辺ゆう著(A5変形判、定価3360円)
 生物・無生物に関わりなく、我々をとりまく環境は相互に作用しあっている。その中では人間も自然の一部であり、人間の所為も自然の作用として大循環をしている。
 本書は、星の誕生からその死までの大きな時空スケールでの出来事から、生物個体の小さな時空スケールでの出来事まで、「共生循環」を軸に自然科学の基礎を展開し、その「概念」および「原理」を明らかにする。
 また、「共生循環の輪」をベースにした「共生循環型地域社会」についても提言しており、これらの考え方は自然界の生物・生命のみならず、様々な産業間の共生問題に広く適用できるであろう。


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名古屋大学出版会

▼池田 廉訳『ペトラルカ 凱旋』(5040円)ヨーロッパの知的宇宙の全体をアレゴリカルに形象化、西洋の文学・芸術に絶大な影響を及ぼした傑作。
▼ピーター・バーク著 石井三記訳『ルイ14世−作られる太陽王−』(4410円)当時の絵画や演劇等を博捜し、権力と表象やメディアの関係を歴史的に解明。
▼ピーター・クラーク著 西沢保他訳『イギリス現代史 1900-2000』(5040円)20世紀イギリス史の新たなスタンダード。政治・経済から社会・文化まで、人々の幅広い経験を描ききる。
▼平野 聡著『清帝国とチベット問題−多民族統合の成立と瓦解−』(6300円)多民族統合を実現した清帝国の論理と崩壊過程を、実証的に描きだした労作。
▼伊勢田哲治著『認識論を社会化する』(5500円)科学に社会はどのように関わっているか。社会認識論を紹介しつつ、科学社会学と認識論の架橋を試みる。
▼田中正明著『日本湖沼誌 II−プランクトンから見た富栄養化の現状−』(15750円)知見の乏しい湖沼に関し、水質・生物相などの貴重な調査記録を集成。


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三重大学出版会

▼古平浩著『経営再建嵐の一〇〇日−しなの鉄道のマーケティング』A5判、220頁(本体1500円+税)
はじめに
第一章 第三セクター鉄道
第二章 しなの鉄道設立の経緯
第三章 しなの鉄道の不振と対策
第四章 しなの鉄道の営業分析
第五章 しなの鉄道営業再建モデル
終 章 今後の経営課題
 平成9年10月1日の長野新幹線開業に伴い、信越線の軽井沢〜篠ノ井間が鉄道資産103億円で地元自治体に引き継がれた。しかし、同社は赤字を生み続け、平成13年度決算では2億3400万円の最終損益を計上する。続いて平成13年末には社長の山極達郎氏(元県出納長)が辞任し、杉野正氏が新社長に起用されて経営再建に乗り出した。
 本書は、こうしたしなの鉄道の軌跡を分析し、同社の経営悪化の要因と黒字化の方策とを提案する。


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京都大学学術出版会

▼宮崎興二編著『高次元図形サイエンス』A4判・320頁・5880円/われわれは三次元までの世界しか直接見ることはできないが、四次元以上の図形も三次元や二次元に投影させれば見ることができるようになる。実際、建築などのデザインで、高次元図形の三次元投影と見なせるものが多数使われている。また、あらゆる二次元・三次元図形は、それを投影図とするより高次な図形を想定できる。そのような目で身近な造形物を見ると、また違った楽しみが生まれるだろう。
▼深尾昌一郎他著『気象と大気のレーダーリモートセンシング』菊判・500頁・5250円(予)/大気科学の進歩は、絶えず導入されてきた観測技術によるところが大きい。中でも大気レーダーは、中層大気における乱流の実態とそれらの大気大循環への密接な関与を明らかにした。しかし、この分野の学術成果は、電気工学から気象学に至る幅広い分野で分散して論じられるのみであり、包括的な理論・技術書はこれまでなかった。文字通り学際分野の基礎から最新の成果までを統一的・包括的に論ずる初めての書物。


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大阪経済法科大学出版部

▼アジア研究所研究叢書1『満州事変前夜における在間島日本総領事館文書 上 在鉄嶺日本領事館文書 在広東日本総領事館文書』(大阪経済法科大学間島史料研究会編A5判上製・函入26250円)既刊
 本書は伊地知吉次(1889〜1967)間島副領事が収集・記録した約3800枚にわたる本学所蔵の文書資料を、項目別に分類整理し、解説を加えたものである。資料の根幹は、1930年3月から翌年4月まで首席外務書記生として在間島日本総領事館に勤務した時期の文書資料であるが、収集資料は明治末から昭和初期の満州事変の数ヶ月前までにおよび、機密文書を多数まじえた公信・公電・報告書・中国側諸機関との往復文書など貴重な資料で占められている。敗戦の過程で外交文書の散逸焼亡・押収などのことがあり、『日本外交文書』(外務省刊)・『現代史資料』(みすず書房刊)等の既在の歴史資料を補いうる資料である。日本・中国・朝鮮の近現代史研究には必携の文書資料である。下巻は近々刊行予定。


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大阪大学出版会

▼西尾幾治編著『〔復刻版〕大阪帝国大学創立史』A5判・440頁・上製箱入3150円 大阪大学創立時の事務を取り仕切った事務官が、後日その沿革を知ろうとするとき参考資料となるようにとこれまで集めておいた記録をまとめて昭和10年に刊行して大学関係者に配布した。内容は、長年の熱心な設立運動が世論を高め、大阪全体の大きな要望となって政府を動かした様子をよく伝えている。
▼上嶋英機・村田武一郎・山口克人他編著『海と陸との環境共生学 海陸一体都市をめざして』A5判・250頁・2940円 自然環境を再生し共生する都市づくりを提言。
▼大木道則・内田章訳『〔縮刷版〕有機化学変換のIUPAC命名法 その名称および記号・線形表示』A5判・170頁・1575円 論文作成に必要な専門用語の和訳。廉価版。
▼倉光成紀・増井良治・中川紀子著 大阪大学新世紀セミナー『生物学が変わる!−ポストゲノム時代の原子生物学−』A5判・100頁・1050円 生命の全情報はたった一つの細胞で読める。


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関西大学出版部

▼池田 進著『ヒトから人へ−知的機能の一つの系譜−』(A5判・3150円)実験心理学の基盤に立ちながら、人や動物が環境と相互作用しながら、あらたな行動世界を創造していく知的な仕組みを、心理学に隣接する脳神経科学や生態学の論点にも留意しながら再構築した。知能研究の独自の試み。
▼井上 宏著『情報メディアと現代社会−「現実世界」と「メディア世界」−』(A5判・4305円)今日の私たちの生活は、高度化した「メディア世界」に支えられている。効率の良い便宜がはかられていく一方で、生身の人間が生きる「現実世界」と「メディア世界」のはざまで揺れ動く現代の諸問題を追究する。
▼八島智子著『外国語コミュニケーションの情意と動機−研究と教育の視点−』(A5判・2100円)外国語を用いた異文化との出会いは、他者と共通の意味を構築していくプロセスである。外国語で話すときの不安や自信、外国語学習の動機、異文化への態度や接触などを扱い、異文化理解をめざす外国語教育研究への学際的アプローチを提示する。


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関西学院大学出版会

新刊
▼関谷一彦・細見和志・山上浩嗣編著
『はじめて学ぶフランス』社会、思想から芸術、生活まで幅広くフランスの魅力を探る。(A5並製・350頁・定価2940円)
▼持続可能性研究会(天野明弘・大江瑞江編著)
『持続可能社会構築のフロンティア−環境経営と企業の社会的責任(CSR)』
これからの企業経営において避けて通れない「持続可能性社会」構築のための取り組みを紹介。(A5並製・310頁・定価2940円)
▼関西学院大学アメリカ研究会(栗林輝夫編著)
『21世紀アメリカを読み解く』大きく変貌する超大国の実像に迫る。(A5並製・210頁・定価2310円)
既刊
▼窪寺俊之・谷山洋三・伊藤高章著
『スピリチュアルケアを語る−ホスピス、ビハーラの臨床から』ホスピスなどの現場から実践を語る。(A5並製・120頁・定価1260円)


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九州大学出版会

▼島谷謙著『ナチスと闘った劇作家たち−もうひとつのドイツ文学−』(四六判・364頁・3780円)ナチス政権下に亡命した5人の劇作家たちの生の軌跡と作品世界。彼らは2度の世界大戦に遭遇し、祖国への帰還を夢見た20世紀ドイツのオデュッセウスである。
▼奥村美代子・赤星礼子編『生活経営学』(A5判・196頁・2520円)21世紀の生活文化を創造するために、家族・時間・労働・生活設計・生活経済・消費者問題・生活情報などにわたって、地域の資料を取り入れながら「生活経営」を提示している。
▼金鳳珍著『東アジア「開明」知識人の思惟空間−鄭観応・福沢諭吉・兪吉濬の比較研究−』(A5判・346頁・6090円)清国、日本、朝鮮の「開国」により伝統的な東アジア地域秩序と近代的な欧米国際秩序が接触した近代という大転換期の知識人の対内外観とその変容。
▼秀村選三監修・多久古文書学校校註『佐賀藩多久領 御屋形日記 第一巻』(A5判・208頁・3150円)佐賀藩の給人領の支配と生活を窺い得る日記。


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