慶應義塾大学東アジア研究所叢書
中国共産党の統治と基層幹部
価格:5,720円 (消費税:520円)
ISBN978-4-7664-2877-3 C3331
奥付の初版発行年月:2023年04月 / 発売日:2023年03月下旬
中国の統治の末端を担う基層幹部は、国家と民衆のはざまで、どのような役割を果たしてきたのか?
中国共産党の統治が続いてきたのはなぜか?
支配の末端を担う基層幹部の役割に焦点をあて、現代への連続性を探る試み。
小嶋華津子(コジマカズコ)
慶應義塾大学法学部教授。専門:現代中国政治。主著:『中国の労働者組織と国民統合―工会をめぐる中央-地方間の政治力学』(慶應義塾大学出版会、2021年、櫻田会奨励賞)、『習近平の中国』(共編著、東京大学出版会、2022年)など。
磯部靖(イソベヤスシ)
慶應義塾大学法学部教授。専門:現代中国政治。主著:『現代中国の中央・地方関係―広東省における地方分権と省指導者』(慶應義塾大学出版会、2008年、第25回大平正芳記念賞)、『中国 統治のジレンマ―中央・地方関係の変容と未完の再集権』(慶應義塾大学法学研究会、2019年)など。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
はじめに (小嶋華津子)
序章 現代中国における基層幹部の概要(磯部靖)
第Ⅰ部 農村社会の基層幹部
第1章 集団農業体制下の農村幹部――中国農村におけるプリンシパル・エージェント関係の変容(中兼和津次)
第2章 「農村整風」と基層幹部の行動変容――「大飢饉」の前奏:1957~58年(角崎信也)
第3章 「交叉地帯」と基層幹部(田原史起)
第Ⅱ部 都市社会の基層幹部
第4章 中華人民共和国における公安・司法・検察機関の接収と再編――基層幹部の動態に注目して:1949~53 年(有澤雄毅)
第5章 下層の動員――政治統合と里弄の変容(張済順)
第6章 工場における大躍進運動の展開と幹部――上海の紡績工場を事例として:1957-59 年(鄭浩瀾)
第7章 食糧難下における工場幹部の行動様式――1950年代末~60年代前半期(小嶋華津子)
第Ⅲ部 「統一戦線工作」と基層幹部
第8章 基層幹部からみた宗教管理(上野正弥)
第9章 新疆ウイグル自治区「訪恵聚」活動にみる基層幹部の動態分析(星野昌裕)