ムガル都市 イスラーム都市の空間変容
価格:5,500円 (消費税:500円)
ISBN978-4-87698-749-8 C3025
奥付の初版発行年月:2008年05月 / 発売日:2008年05月下旬
イスラム都市に共通する「微細なものが凝縮した独特の美しさ」の根底に流れるものとは何か? 生活の細部までを定めながらも土着的伝統に寛容な,しなやかな世界宗教——通俗的な理解とは異なるイスラームの奥深さが産んだ都市伝統を「三都」の臨地調査から生き生きと描く.近代植民都市論,インド都城論に続く,アジア都市論の頂点.
目次
口絵
凡例
図版リスト
序章
1 「インド都市」論
2 イスラームの「都市性」:移動と国際商業ネットワーク
3 「イスラーム都市」論
4 「イスラーム都市」の空間モデル
5 「イスラーム都市」とコスモロジー
6 「ムガル都市」
第Ⅰ章 「イスラーム都市」
1 イスラーム国家の形成と都市
1−1 二つの聖都:メッカとメディナ
1−2 第3の磁極:ダマスクスとエルサレム
1−3 平安の都:バグダードとサーマッラー
2 「アラブ・イスラーム都市」
2−1 マグリブ・イスラーム都市
2−2 アラブ・イスラーム都市の構成原理
2−3 シャリーアと建築ガイドライン
2−4 街路体系と都市構成要素
3 ユーラシアの中のイスラーム都市
3−1 「オアシス都市」
3−2 イラン・ペルシアの都市
3−3 マー・ワラー・アンナフルの興亡
3−4 ティムールの都市
4 インド・イスラーム都市——ムガル都市
4−1 イスラーム以前のインド都市
4−2 ムスリムのインド侵入
4−3 デリー・サルタナット
4−4 ムガル朝の首都
第Ⅱ章 デリー
1 デリーの都市形成
1−1 デリーの起源
1−2 デリー・サルタナットの都市建設
1−3 プラーナ・キラ
1−4 シャージャーハーナーバード
1−5 英国統治とニューデリーの建設
2 シャージャーハーナーバードの街区形成
2−1 ムガル朝時代の街区
2−2 街区空間の単位
2−3 街区形成のパターン
2−4 19世紀半ばのシャージャーハーナーバードの構成
3 オールド・デリーの街区構成
3−1 街路構成
3−2 街区構成
3−3 都市施設の分布
4 街区空間の変容
4−1 街路構成の変容
4−2 街路門の位置
4−3 水場の位置
4−4 宗教施設の分布
5 ムガル都市・デリー
5−1 デリーの都市構成と街区空間
5−2 街区空間の変容
第Ⅲ章 ラーホール
1 ムガル朝の首都:アーグラー,ファテープル・シークリー
1−1 アーグラー
1−2 ファテープル・シークリー
2 ラーホールの都市形成
3 ラーホール旧市街の街区構成とその変容
3−1 ムガル朝時代の街区
3−2 街路体系と街区構成
3−3 街区の境界
3−4 街路形態と街区の規模
3−5 街区内の施設分布
3−6 街区の名称
3−7 街区コミュニティの変容
4 ラーホールの都市住居
4−1 住居形式と類型
4−2 住居の空間要素と装飾要素
4−3 ハヴェリ
4−4 都市住居の集合形態
5 ムガル都市・ラーホール
5−1 街区空間および都市住居の特質
5−2 街区構成における重層性
第Ⅳ章 アフマダーバード
1 アフマダーバードの都市形成
1−1 都市形成の歴史
1−2 旧市街の形態
1−3 旧市街のコミュニティ
2 アフマダーバード旧市街の街区構成
2−1 ガンディー・ロード周辺の街路体系と街区名称
2−2 マネク・チョウク地区の街区構成
2−3 カディア地区の街区構成
2−4 カマサ地区の街区構成
3 マネク・チョウク地区の住区構成
3−1 街区構成
3−2 宗教施設の分布
3−3 商店業種の分布
4 都市住居の構成
4−1 住居の構成要素
4−2 住居類型
4−3 住居類型の分布と集住形態
4−4 農村住居と都市住居の構成
5 ムガル都市・アフマダーバード
5−1 街区構成の特質
5−2 都市住居の空間構成と集住形態
終章
1 「オアシス都市」と楽園
2 歴史の中の「ムガル都市」
3 「カールムカ」と幾何学
4 「ムガル都市」の計画原理
5 街路体系と街区組織
6 ハヴェリ
結語 ディテールから——しなやかな「イスラーム都市」の原理
あとがき
主要参考文献
索 引