叢書・ウニベルシタス1023
思想のグローバル・ヒストリー ホッブズから独立宣言まで
価格:5,060円 (消費税:460円)
ISBN978-4-588-01023-1 C3310
奥付の初版発行年月:2015年03月 / 発売日:2015年03月上旬
帝国の世界が終焉を迎えた時代に、国際思想は国境や大洋を越えていかに伝播し受容されたのか。人びとはどのようにして、一国家だけではなく諸国家の世界に生きていると自覚するようになったのか。近代世界の礎となる国際法や独立宣言の淵源を、ホッブズやロック、バーク、ベンサムに求める意欲作。
デイヴィッド・アーミテイジ(アーミテイジ,D.)
(David Armitage)
1965年、イングランドのストックポート生まれ。ケンブリッジ大学で博士号取得。コロンビア大学助教授・准教授・教授を経て、2004年からハーバード大学歴史学部教授。同歴史学部長 (2012-14, 2015-16)。同大学行政学部やロースクールでも教鞭をとる。専門は、近代ブリテン史、国際関係史、政治思想史。単著として、The Ideological Origins of the British Empire (Cambridge University Press, 2000)[平田雅博・岩井淳・大西晴樹・井藤早織訳『帝国の誕生──ブリテン帝国のイデオロギー的起源』日本経済評論社, 2005年]. Greater Britain, 1516-1776: Essays in Atlantic History (Ashgate, 2004). The Declaration of Independence: A Global History (Harvard University Press, 2007)[平田雅博・岩井淳・菅原秀二・細川道久訳『独立宣言の世界史』ミネルヴァ書房、2012年]. Jo Guldiとの共著The History Manifesto (Cambridge University Press, 2014). 他に編著、論文多数。
平田 雅博(ヒラタ マサヒロ)
[はじめに・序章・第1章・第7章・第11章]
青山学院大学文学部教授。主な業績:『イギリス帝国と世界システム』晃洋書房、2000年、『内なる帝国・内なる他者──在英黒人の歴史』晃洋書房、2004年、『帝国意識の解剖学』(共編著)世界思想社、1999年、『近代ヨーロッパを読み解く──帝国・国民国家・地域』(共編著)、ミネルヴァ書房、2008年、『世界史のなかの帝国と官僚』(共編著)、山川出版社、2009年、『戦争記憶の継承──語りなおす現場から』(共編著)社会評論社、2011年、ほか。
山田 園子(ヤマダ ソノコ)
[第4章・第5章・第6章]
広島大学大学院社会科学研究科教授(政治思想史、イギリス革命史)。主な業績:『ジョン・ロック「寛容論」の研究』溪水社、2006年、『ジョン・ロックの教会論』溪水社、2013年、『岩波講座政治哲学1 主権と自由』(共著)岩波書店、2014年、ほか。
細川 道久(ホソカワ ミチヒサ)
[第2章・第3章・第12章]
鹿児島大学法文学部教授(カナダ史、イギリス帝国史)。主な業績:『カナダ史 新版世界各国史23』(共著)山川出版社、1999年、『カナダ・ナショナリズムとイギリス帝国』刀水書房、2007年、『「白人」支配のカナダ史──移民・先住民・優生学』彩流社、2012年、『カナダの自立と北大西洋世界──英米関係と民族問題』刀水書房、2014年、『コモンウェルスとは何か──ポスト帝国時代のソフトパワー』(共編著)ミネルヴァ書房、2014年、ほか。
岡本 慎平(オカモト シンペイ)
[第8章・第9章・第10章]
広島大学大学院文学研究科博士課程後期、呉工業高等専門学校非常勤講師(倫理学)。主な業績:「推論と規範──J・S・ミル『論理学体系』における生の技芸とその構造について」『哲學』第63号、広島哲学会、2011年、「日本におけるロボット倫理学」『社会と倫理』第28号、南山大学社会倫理研究所、2013年、「類推と道徳科学──J・S・ミルにおける他者の心の論証について」『倫理学研究』第43号、関西倫理学会、2013年、ほか。
目次
はじめに
序章 近代国際思想の基礎を再考する
第I部 歴史的基礎
第1章 思想史における国際論的転回
第2章 グローバリゼーションの前史はあるのか
第3章 象と鯨 世界史における帝国と海洋
第II部 17世紀における基礎──ホッブズとロック
第4章 ホッブズと近代国際思想の基礎
第5章 ジョン・ロックの国際思想
第6章 ジョン・ロック、カロライナ、あの統治二論
第7章 帝国の理論家ジョン・ロック?
第III部 18世紀における基礎
第8章 18世紀ブリテンにおける議会と国際法
第9章 エドマンド・バークと国家理性
第10章 ジェレミー・ベンサムのグローバル化
第IV部 基礎の上に構築する──1776年以後の国家形成
第11章 独立宣言と国際法
第12章 独立宣言、1776~2012年
訳者あとがき