2018年12月に第40回サントリー学芸賞を受賞した、韓載香先生著『パチンコ産業史 —— 周縁経済から巨大市場へ』(2018年2月刊行)。なぜ30兆円産業となりえたのか —— 見過ごされてきた周縁経済の躍動を、ホール、メーカー、規制の動向からダイナミックにとらえ、日本経済論の盲点に迫った初の通史です。
サントリー学芸賞受賞を記念して、韓載香先生と福嶋聡氏によるトークイベントが開催されます(梅田蔦屋書店・読書の学校主催)。この機会に、ぜひご参加ください。
■ 日時
2019年3月3日(日) 19:00 ~ 20:30 (18:30 開場)
■ 会場
梅田 蔦屋書店 4thラウンジ
〒530-8558 大阪市北区梅田3-1-3 ルクア イーレ9F
TEL:06-4799-1800
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■ イベント内容
市場規模20兆円以上を超える巨大産業・パチンコ。アメリカでベストセラーになったMin Jin Leeの在日韓国人の家族年代記『Pachinko』にもその名が登場するこの日本特有の巨大産業は、派手な外装や裏通りの交換所など、堅気でないイメージが先行し、社会的にも学問的にも取り上げてこられませんでした。
韓載香氏は、資料も乏しく、その実態が解明されてこなかった世界的にも稀なこの業態に、はじめて経済学の視点で光をあてました。さまざまな規制や消費動向の変化に、メーカーやパチンコホールがいかに対応し、その結果がどうだったのか。縁日の娯楽産業がいかに巨大産業に発展したのかを膨大な資料とともに解き明かします。
パチンコ産業は、規制などの経営環境の変化に翻弄されながら、さまざまな経営努力で活路を見出し、今日の地位を築いてきました。こうしたパチンコ産業の歴史には、統合型リゾート施設整備法が成立した現在においても、学ぶべき要素を見出すことができます。
本イベントは、聞き手に書店の店頭から出版と書店の意義を問い続ける福嶋聡氏を迎えて、『パチンコ産業史』を中心に、書店における学術書の意義に迫ります。
■ 出演者プロフィール
韓 載香(ハン ジェヒャン)
1971年、韓国・ソウル市生まれ。東京大学大学院経済学研究科後期博士課程修了(経済史専攻)。博士(経済学)。首都大学東京都市教養学部経済学系研究員、東京大学大学院経済学研究科特任准教授などを経て、現在、北海道大学大学院経済学研究院准教授。専門は現代日本経済史・産業史で、おもな研究テーマはエスニック・マイノリティ・ビジネスの歴史研究。
著書に、『「在日企業」の産業経済史 —— その社会的基盤とダイナミズム』(小会、2010年、中小企業研究奨励賞、企業家研究フォーラム賞、政治経済学・経済史学会賞)、『戦後復興期の企業行動 —— 立ちはだかった障害とその克服』(共著、有斐閣、2008年)、『高度成長期の日本経済』(共著、有斐閣、2011年)、『日本のエスニック・ビジネス』(共著、世界思想社、2012年)、『企業家学のすすめ』(共著、有斐閣、2014年)、『選択する力 —— バングラデシュ人女性によるロンドンとダッカの労働市場における意思決定』(共訳、ハーベスト社、2016年)。
福嶋 聡(ふくしま あきら)
1959年、兵庫県生まれ。1981年、京都大学文学部哲学科卒。1982年2月、(株)ジュンク堂書店入社。サンパル店(神戸)6年、京都店10年の勤務ののち、1997年11月仙台店店長、2000年3月より池袋本店副店長、2007年3月より大阪本店店長。現在は、2009年7月にオープンした難波店店長。
1975年から1987年まで、劇団神戸にて俳優、演出家として活動。1988年から2000年まで、神戸市高等学校演劇研究会秋期コンクールの講師を勤める。日本出版学会会員。
著書に、『書店人のしごと』(三一書房、1991年)、『書店人のこころ』(三一書房、1997年)、『劇場としての書店』(新評論、2002年)、『希望の書店論』(人文書院、2007年)、『紙の本は、滅びない』(ポプラ社、2014年)、『書店と民主主義』(人文書院、2016年)、『書物の時間』(けやき出版、2017年)、『フェイクと憎悪』(共著、大月書店、2018年)など。
■ ご参加方法
参加費無料、要予約
以下のリンク先からお申し込みください。
http://real.tsite.jp/umeda/event/2019/02/20min-jin-leepachinko-1971.html
*定員になり次第締め切りとなります。
*お座席は自由席です。会場にお越しの順にお入りいただきます。
*会場でのご飲食は9Fでお買上げの商品のみとなります。
*録音・録画はご遠慮ください。
■ お問い合わせ先
梅田 蔦屋書店 umeda_event◆ccc.co.jp(◆を@にかえて送信してください。)
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