内容紹介
過去の記憶と未来の徴候とが揺曳している場所としての都市.都市こそが可能にしてきた想像力の経験の根拠を問う都市表象分析.都市論,建築論,神話,詩,小説等のテクストや絵画,写真,映画のイメージを対象に,表象文化論の一つの結実を提示する.
目次
都市の詩学
第1章 都市の伝記——類型・類推・幼年時代
第2章 「メタ世界」としての都市——アルド・ロッシの言葉なき建築
補論1 忘却の詩学、類推の書法——アルド・ロッシの言葉なき建築(続)
第3章 青天白日覓亡市——小村雪岱『日本橋檜物町』
光・闇・黄昏
第4章 自然の無関心——畠山直哉「都市とその起源」
第5章 第5章 チマタのエロティシズム——映画による夕占(ゆうけ)
神話と科学
第6章 生者と死者のトポロジー——心の考古学(1)
第7章 アハスウェルスの顔——心の考古学(2)
補論2 「時のかたち」の形態学
装飾という群衆——神経系都市論の系譜
補論3 神経系イメージ学へ
第8章 都市のアニミズム——カミの原風景
遊戯の規則
第9章 犬の街——境界の叙事詩、森山大道『新宿』
第10章 狩人たちの物語——連歌としての路上観察
第12章 都市という驚異の部屋——博物誌の知再考
景観の論理
第13章 無縁の根源——河原という魂の市庭(いちば)
第14章 方法の生態学——ダーウィン、ベンヤミン、宮本常一
結び——郷愁と予感
第15章 都市の詩学——萩原朔太郎のステレオ写真
註/跋/年表/書誌/索引