死を超えるもの 3・11以後の哲学の可能性
森 一郎:著
四六判 368ページ
価格:4,620円 (消費税:420円)
ISBN978-4-13-010124-0 C3010
奥付の初版発行年月:2013年06月
価格:4,620円 (消費税:420円)
ISBN978-4-13-010124-0 C3010
奥付の初版発行年月:2013年06月
内容紹介
東日本大震災とりわけ原発事故を目の当たりにして,われわれは何を思考できるのか.書物や建物といった遺された物のなかに,世代を超えて築かれる共同世界の可能性を探り,原子力テクノロジーの問題を人間世界の存続という観点から問う.ハイデガー、アーレントらを手がかりに,現代日本における哲学をひらく力作.
目次
序章 二通りの別離の経験から、もう一つの出来事へ
第I部 いのちから世界へ
第1章 死を超えるもの——「メタ死生学」試論
第2章 読むこと、書くこと、考えること——「メメント・モリ」からの出発
第3章 建てること、住むこと、考えること——Q体(東京女子大学旧体育館)への愛
第4章 自然の力、人間の力——『アンティゴネー』の「人間賛歌」をめぐって
第II部 原子力をめぐる思考
第5章 世界を愛するということ——自然と世界の区別から
第6章 ハイデガーと原子力の問題I——物と総かり立て体制
第7章 ハイデガーと原子力の問題II——もしくは、いかにして原子力で哲学するか
第8章 アーレントと原子力の問題I——大地からの疎外、または「宇宙人」の侵略
第9章 アーレントと原子力の問題II——戦争論への寄与
第10章 火について——プルトニウムをめぐる形而上学随想
第11章 物たちのもとで、人びととともに——自然と世界の絡み合いへ
あとがき 原子力時代の子どもたち