東洋叢書
罪の文化 インド史の底流
四六判 256ページ
価格:3,520円 (消費税:320円)
ISBN978-4-13-013042-4(4-13-013042-0) C132
奥付の初版発行年月:2005年07月
価格:3,520円 (消費税:320円)
ISBN978-4-13-013042-4(4-13-013042-0) C132
奥付の初版発行年月:2005年07月
内容紹介
「罪」の観念が時代を追って発達,肥大化し,人々の生活を規制する,それが前近代インド社会の姿であった.本書は,豊富に残るマラーティー語史料の世界を立脚点とし,インド社会の歴史を「罪の文化」の展開として描きだすとともに,それが大きく変容を迫られることになる近代の到来を展望する.
目次
序章 サティーの薪の山から落ちた女——法典の規定と社会の現実
はじめに/サティーをめぐる一つの「事件」/サティーにかんする法典の規定/異教徒との「社会的交際の罪」/忍び寄るイギリス人の影/おわりに
第1章 身に付着し,伝染する罪——罪の浄めの儀式
はじめに/罪の浄めと罪の伝染——法典の規定/マラーター王国における罪とその浄め/宰相政権下の罪と罰と浄め/在地社会における浄め/不可触民差別と罪/おわりに
第2章 人の罪・神々の怒り——鎮めの儀式
はじめに/古典文献における鎮めの儀式/マラーター王国宰相政府による鎮めの儀式/在地社会における鎮めの儀式/おわりに
第3章 警察署長ガーシーラームの死——王・国家の正義と社会の正義
はじめに/マラーター王国の統治理念/ガーシーラーム・コートワール事件/ガーシーラーム的圧制/おわりに
終章 罪と穢れ——植民地的近代への展望
はじめに/デュモン「カースト制論」の問題性/植民地支配下における浄—不浄意識の浸透/おわりに