シリーズ・グローバルヒストリー
シリーズ・グローバルヒストリー3 両岸の旅人 イスマイル・ユルバンと地中海の近代
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-13-025173-0 C1320
奥付の初版発行年月:2022年06月 / 発売日:2022年06月中旬
19世紀の地中海を舞台に国や地域を越えて活動しつつも、人びとの記憶から忘れられた一人の人物が残した言葉からつむぐグローバルヒストリー。ヨーロッパの植民地支配、キリスト教圏とイスラーム圏の相克、そして、奴隷制と人種主義といった現代世界に影を落とす近代史上の大問題をとらえかえす。
工藤 晶人(クドウ アキヒト)
学習院大学文学部教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
序 章 地中海革命の時代
1 イスマイル・ユルバンとレオン・ロシュ
2 一九世紀のとらえ方
3 「文明」論のその先へ
第1章 奴隷制の黄昏――カイエンヌ、一八一二年
1 カリブ海域の辺境
2 植民地貿易とフランス
3 有色自由人と肌色の階層
4 トマ=ユルバンの生い立ち
5 帰郷と旅立ち
第2章 サン=シモン主義の夢――パリ、一八三二年
1 転換期のフランス
2 サン=シモンからアンファンタンへ
3 地中海の東西
4 メニルモンタン街の交わり
第3章 イスラームとの出会い――ディムヤート、一八三五年
1 地中海革命の第一の波
2 エジプトへの旅
3 私の名はイスマイル
4 新しい信仰
第4章 通訳の結婚――コンスタンティーヌ、一八四〇年
1 アルジェリアと海
2 マグリブ人と環地中海的な自由主義の兆し
3 レオン・ロシュの豪胆
4 改宗、人種、結婚
第5章 輻輳するオリエンタリズム――アンボワーズ、一八五一年
1 征服と暴力
2 サン=シモン主義者と入植事業
3 アンボワーズ城のアブドゥルカーディル
4 言説の生まれる場所で
第6章 アラブ王国の幻影――アルジェ、一八六五年
1 地中海革命の第二の波
2 ナポレオン三世の気まぐれ
3 『アルジェリア人のためのアルジェリア』
4 土地制度の革命
終 章 両岸の旅人、あるいは未発のポストコロニアル
1 伝えられたことば
2 境界者の思想
3 短い一九世紀の終わり