内容紹介
天皇・院のもと盛大に執り行われた,饗宴や仏事などの多様な行事.しかしその背後には,儀礼を自らの権威や名誉,正統性の調達手段として利用する王権自身や摂関家,貴族,受領,寺院の意図があった.それぞれの思惑と,そのうえで揺れ動く王権の実像に迫る.
目次
第1部 非公家沙汰諸国所課と貴族社会——慣行から「制度」へ
第1章 摂関家・上皇・皇族による諸国所課
第2章 大臣大饗の非公家沙汰諸国所課
第3章 五節舞姫献上・春日祭使の経営と諸国所課
第2部 儀礼運営のしくみ——仏事を素材に
第4章 天皇家王権仏事の運営形態
第5章 御斎会・「准御斎会」の儀礼論
第6章 天皇家御願寺の執行・三綱
第3部 王朝仏事の事件史
第7章 摂関期の天皇家王権仏事——天皇家王権仏事の事件史(その一)
第8章 院政期の天皇家王権仏事——天皇家王権仏事の事件史(その二)
第9章 摂関家仏事の展開
第10章 鎌倉中後期の天皇家王権仏事——天皇家王権仏事の事件史(その三)
第11章 鎌倉後期の天皇家御願寺