社会科学における善と正義 ロールズ『正義論』を超えて
価格:6,380円 (消費税:580円)
ISBN978-4-13-030206-7 C3030
奥付の初版発行年月:2015年05月
政治哲学者ロールズが考察した社会正義の問題はますます重要性を増している.本書は,功利主義批判として知られるロールズの「善」と「正義」の概念について功利主義に基づく経済学との親和性を問い直し,市場と倫理,民主的意思決定の問題を発展的に論じる.政治哲学と経済学の新しい対話.
目次
序 章 社会科学における善と正義(加藤 晋)
第I部 ロールズと功利主義
第1章 ロールズにおける善と正義(宇野重規)
第2章 ロールズ『正義論』における契約論的プロジェクト(井上 彰)
第3章 イギリスにおける功利主義思想の形成(中井大介)
第4章 功利主義批判としての「善に対する正の優先」の検討(児玉 聡)
[Book Guide I]
1 ジョン・ロールズ『ロールズ政治哲学史講義』(小田川 大典)
2 M. J. サンデル『民主制の不満——公共哲学を求めるアメリカ』(一之瀬 佳也)
3 チャールズ・テイラー『世俗の時代』(高田宏史)
第II部 市場と倫理
第5章 理論経済学における善と正義(大瀧雅之)
第6章 分割の正義と不正義(間宮陽介)
[Book Guide II]
1 ソースティン・ヴェブレン『有閑階級の理論』(岡田尚人)
2 ソースティン・ヴェブレン『特権階級論』(薄井充裕)
3 J. M. ケインズ『ケインズラジオで語る』(神藤浩明)
4 J. M. ケインズ『ケインズ説得論集』(玉井義浩)
5 ミルトン・フリードマン『資本主義と自由』(堀内昭義)
6 ジル・ドスタレール『ケインズの闘い——哲学・政治・経済学・芸術』(渡部 晶)
7 ニコラス・ワプショット『ケインズかハイエクか——資本主義を動かした世紀の対決』(高田裕久)
第III部 民主主義と経済学
第7章 社会的選択理論と民主主義(加藤 晋)
第8章 世代間正義の公理的分析(釜賀浩平)
[Book Guide III]
1 ドナルド・ウィットマン『デモクラシーの経済学——なぜ政治制度は効率的なのか』(海老名 剛)
2 J. M. ブキャナン・G. タロック『公共選択の理論——合意の経済論理』(加藤 晋)
3 R. ドウォーキン『いま民主主義は実現できるか?——新たな政治議論のための原則』(田村正興)
4 D. アセモグル・J. A. ロビンソン『独裁制と民主制の経済的起源』(加藤 晋)
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