平等なき平等条項論 equal protection 条項と憲法14条1項
価格:6,380円 (消費税:580円)
ISBN978-4-13-036133-0 C303
奥付の初版発行年月:2008年07月
平等条項と呼ばれる憲法14条1項やequal protection条項の解釈論は,平等概念とは異なる概念を前提になされてきたのではないか.本書は〈区別の合理性〉の概念と〈差別禁止〉概念が全く異なることを論証し,綿密な判例分析をふまえ,精密な解釈論を展開する.
目次
序論
第一部 判例理論の二つの問題——混同と排除
第一章 憲法14条1項の起草——一般平等条項と差別禁止条項
第二章 最高裁判例における憲法14章1項——〈合理的根拠〉定式
第三章 〈合理的根拠〉要請の曖昧さ
第四章 〈差別〉概念の不在
第一部総括
第二部 equal protection 条項の解釈史とその示唆
第五章 equal protection 条項の成立:〈等しい保護〉の概念——1866-1868
第六章 最初期の最高裁判例:二つの限定——1873-1884
第七章 〈同一状況同一取扱〉要請の成立;Barbier 判決——1885
第八章 〈同一状況同一取扱〉要請の内容:州裁量の強調——1885-1896
第九章 〈区別の合理性〉要請:州裁量への歯止め——1896-1939
第十章 Warren Court と〈厳格審査〉——1938-1969
第十一章 Burger Court の新理論——1970-1985
第十二章 アメリカ法総括と示唆
第二部総括
第三部 憲法14条1項の新解釈論の提示——前段・後段の分離
第十三章 〈合理的根拠〉要請の分析
第十四章 〈差別抑制〉要請の必要性
終章 憲法14条1項をどう解釈すべきか
結 〈平等〉の濃密性と多義性への視点——平等なき平等条項論
追補編
追補A 明治憲法の起草過程における一般平等条項
追補B 憲法14条1項に関する学説の歴史
追補C 〈平等〉とは何か——古典的問題の検討
追補D 国籍法違憲判決(最大判平成20年6月4日)の分析
参考文献一覧
あとがき
事項索引
判例索引